2019年02月09日

なわばり

モズのオスが、庭で狩りをしていた。
樹上から地面を丹念に見下ろしては、狙いを定めて急降下。

クヌギからケヤキに移動して、最後には三脚の雲台に。

モズ.jpg

三脚は3年前から定点撮影のためにずっと野晒しになっている。
スリックの小型三脚で、買ったのは38年前。
愛媛県、松山市大街道のキタムラカメラだった。

モズ-2.jpg

三脚を買った当時からモズを意識して観るようになった。

松山の実家周辺にはモズが多く、庭でもよく営巣していた。モズは手で触れることができそうなくらい近くて、馴染みのある鳥だった。
幼少の頃、ハヤニエを教わったのは父からだったが、その記憶はいつまで経っても色褪せないから不思議だ。
posted by やまかます at 23:17| Comment(0) | とり

2019年02月08日

ヒメクロホウジャクの蛹

ヒメクロ蛹-2399.jpg


松浦寛子さんの『日本産スズメガ科幼虫図譜』によれば、ヒメクロホウジャクの「蛹は上半分が黄緑色で美しい」とある。
同書の彩色画を見た私はレモン色の蛹を是非見てみたいと思ったけど、
残念ながら飼育の結果は三頭とも褐色型となった。
幼虫の体色にはピンク型と緑色型があるように、蛹色にも2型があるのかもしれないが、スズメガ科の他種では蛹色の多型って、聞いたことも見たこともない。いや、ほんとはあるの?

ピンク型の終齢幼虫にはかなり強烈な印象を受けたが、蛹色の他に本種の周年経過についても謎めいている。
で、どうやら本種はホシホウジャクやクロホウジャクと同じように、
冬で一旦サイクルが途切れた後、春になって海外から侵入した個体群によって第一世代が始まるのではないか、と推測されているようだ(『日本の鱗翅類』東海大学出版会2011)。
越冬する成虫が観察されるとも他の文献にあったが、実際のところどの程度、見られるのだろうか?
それも気になる。

今回飼育した蛹も私がアカネをなんとかかき集めて強引に育てたのであり、本来なら成長できずに途中で死んでいたはずだ。海外侵入説が正しいのなら、冬を目前に死に絶えてしまうのも納得できる。

今日は2時間ほど山仕事をした。
伐採したコナラの後片付けだ。枝を抱えられるだけ抱えては、ちまちま運ぶ。
自分はクロナガアリ、とつぶやきながら。

そういえば、昨日、観察会の下見に訪れた都城市の志和地で、クロナガアリが盛んに種子を運んでいた。
真冬にアリの行列という光景には違和感があったが、そのすぐ隣ではナナホシテントウが3匹日光浴しており、そこだけ切り取れば、まさに小春日和であった。
posted by やまかます at 23:11| Comment(0) |

2019年02月07日

ニホンホホビロコメツキモドキ

ニホンホホビロコメツキモドキの体格には個体差が大きい。
そんなに小さくて大丈夫なの!?と心配になるほど極小個体も少なくない。

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写真は右からオス、メス、オスの順。

個体差に雌雄の違いは関係ない。
メスにもオスにも、おチビちゃんがいる。

幼虫が育った竹筒内の容積と成虫の大きさには、私が調べた限りでは相関関係を見出せなかった。ゆりかごの大きさも無関係ではないのだろうが、筒内で繁殖させた菌類の量、質などが成長に影響しているのではないか?と推測している。

今の時期、メダケやホテイチクの枯れ茎内からは、新成虫、初齢〜熟齢の全ステージの幼虫が見つかる。
初齢については、この時期にこれまで見つけたことがなかったのでちょっと驚いた。
本種の産卵行動は4月末〜5月によく見られるが、それ以外の時期にもダラダラと産卵しているのかもしれない。
けれど周年経過についてはどうもはっきりしない。

枯れ竹から羽脱した成虫が何かの餌をとる様子を見たことがなく、成虫の寿命がどれくらいなのかもよくわからない。水は飲んでいることがあった。
幼虫が育つ枯れ竹は年中あるのだから、いつでも産卵できることになるが、問題は成虫の活動可能時期だろう。
これまでの観察では、春に成虫が活動を開始して産卵、幼虫はゆっくり成長して秋から冬に羽化、という年1化を想定していたけれど、そう単純な暮らしぶりではなさそうだ。

ササやタケの節で区切られた密閉空間というのが、ニホンホホビロコメツキモドキにとっての唯一のゆりかごである。一つのゆりかごでは一匹だけが育つという厳格な決まりもある。

ゆりかごの中が子育てにとっていかに安全で、しかもどの程度安定した環境であるのだろう?
真夏の猛暑でも中は涼しいのだろうか?厳冬期でも中は比較的温暖なのだろうか?
唯一わかることは、ゆりかごの中は光が届かない暗闇であることだろう。

ゆりかご環境の物理学的、生物学的など多方面からの詳しい研究の成果に期待したい。
posted by やまかます at 23:25| Comment(0) | コウチュウ

関東フィールド歩き〜その3〜

2月1日は快晴。この日はかつて住んでいた東京都、清瀬市野塩の中里緑地保全地を歩いてみた。

抜けるような青空は心地よいけれど、前日の代々木公園の時と同じく気温はかなり低め。
一緒に歩いたのは絵本作家のIさん。
午前中、空掘川沿いのヒサカキでホタルガの越冬幼虫を探してみたが見つからず。
クワコの越冬卵を探していたら、桑の枝にアメリカザリガニの頭部が刺さっていた。モズの「はやにえ」だ。
秋津駅北口近くにあるカフェギャラリーで昼食をとりつつ、虫のお話し。
ゆったりランチの後は雑木林へ。
保全地だから仕方がないのだろうが、遊歩道のロープ柵が強固になり歩けるコースの制約も厳しくなっていた。
自然観察歩きには一層、窮屈になったなあと感じた。

Iさんがロープ柵に佇んでいる冬尺蛾のメスを見つけた。
写真は2頭目。

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午後4時過ぎ、強風に煽られながらも懸命に飛翔する冬尺蛾のオスがいた。
「うん!このオスはやけに興奮しているなあ。近くにメスがいるんじゃない!」

林の縁にある金網柵を舐めるように見ていくと、やはり無翅のメスがいた。
メスは性フェロモンを放ってコーリングしているのだろう。
飛んだり歩いたり、オスはどうやらメスを目指していることが窺えたが、風が邪魔をしてなかなか辿り着けない。
Iさんと私は「頑張れ!」だの「あともう少し!何やってんだよお」などと声援を送りつつ
この結末を見逃すことはできない、とじっと見守り続けた。
散策する人が不思議そうな顔をしては次々と通り過ぎる。だが誰も冬尺蛾の存在すら知らないだろう。

かつて、繭上でコーリングするウスタビガのメスの傍まで飛来したオスが、あと数センチという距離まで到達しておきながら、急に吹き荒れた風に流されて交尾に至らなかった、ということがあった。

その苦い観察経験を思い起こして心配にはなったけれど、結局、冬尺蛾のオスはメスにたどり着いて交尾が成立した。
交尾が成就して落ち着いたカップルの姿から、本種がクロバネフユシャクとわかった。

クロバネフユシャク-7306.jpg

写真の背景に見えるのは明治薬科大学。
この日は受験日だったようだ。観察を終えて駅に向かうと、狭い歩道には受験生の長蛇の列が続いていた。

posted by やまかます at 00:14| Comment(0) |

2019年02月05日

関東フィールド歩き〜その2〜

先月30日は、野山北・六道山公園(東京都武蔵村山市〜瑞穂町)の谷津田を歩いた。
昨年7月の猛暑日にも訪れたが、ついこの間のことにように思える。メンバーは5名で、
今回もレンジャーのKさんに案内してもらった。

Kさんから教えてもらったルリタテハの越冬姿は、おそらく一生忘れないであろう印象深いものだった。
「ここまで来ると、もう見えていますよ」とKさんがニコニコして立ち止まったけれど、
どこに潜り込んでいるのだろう、と最初は低い場所を懸命に探してしまった。
おそらく誰もがそういう探し方をするはずだ。
「ヒントは樹肌です」の一言で、ふと目線を上げてみると、、、、、、、、、、ああ!いた!!
それはかなり衝撃的な光景。

風で落ちたウスタビガの繭殻もいくつかあった。

ヤマカマス-2302.jpg


31日は、都心の「代々木公園」。こちらも昨年の夏以来、二度目。
前回同様、大学時代の先輩でもある鳥類研究者のM下さんに同行してもらった。

広大な公園の外周をグルグル、歩いてみた。曇っていて生憎の天候だったが、
ハシブトガラス、ハシボソガラス、キジバト、スズメ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、
ムクドリ、シロハラ、アカハラ、ツグミ、コゲラ、エナガ、モズ、オオバン、
アトリ(大群)、ハクセキレイ、など、鳥の顔ぶれもいろいろ。

中でもハシブトガラスは、様々な興味深い行動を見せてくれる。

ハシブト-1310212.jpg


ところで、今冬は冬鳥の姿が少ない、という話をよく聞く。
うちの林ではシロハラをまだ見ていないから、実際、そうなのかもしれない。
ガサ、ガサ、ガサ、と落ち葉をかくあの独特な音が全く聞こえてこないのである。

シロハラがいない冬の雑木林は、やけに静か過ぎる。

posted by やまかます at 23:49| Comment(0) | とり