2025年02月14日

月下のシルエット

三股町

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     EOS-R5 MarkII RF200-800mm F6.3-9 IS USM

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     EOS-R6 MarkU RF100-400mm F5.6-8 IS USM

昨日13日は満月だったけど厚い雲に隠れてしまった。
今朝、午前6時20分、雲は一片もなく明るい月明かりで懐中電灯無しでも歩けた。月明かりの下を歩くのは久しぶりだ。

午前6時40分。お気に入りの高台にヤマセミのメスが現れた。

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      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro GODOX TT350

日中の最高気温は15℃を超えた。
そろそろ、フチグロトゲエダシャクが出ていないか谷津田をグルリと一周して探してみた。
枯れ草にメスが登っていないか、ビュンビュン飛び交うオスはいないか、と目をこらしてみたがまったく見つからなかった。で、見つかったのは、蛾類と思われる蛹ですでに死んでいるようだった。
posted by やまかます at 19:07| しわざ

2025年02月04日

寒風に揺れるヤマカマス

三股町

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     EOS-R6 MarkU RF200-800mm F6.3-9 IS USM

冷たい北西の風が吹き荒れ、陽射しが出ても気温は上がらず。
ジョウビタキはまん丸ふっくら。

都城市

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      OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

ハルニレの高い梢にウスタビガの繭があった。先日に引き続いて3例めとなった。
写真を拡大してみると卵も付いていた。

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     EOS-R5 MarkII RF100-400mm F5.6-8 IS USM

例年見つかるイロハカエデには、オスのものと思われる繭が一個。
posted by やまかます at 19:45| しわざ

2025年02月03日

ふっくら

三股町

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     EOS-R5 MarkII RF100mm F2.8 L MACRO IS USM Flash Q20U

ネザサの葉裏に産み付けられた、白い卵。全部で108個ある。
少し萎れて生気が薄れているように見える。

実はこの卵塊を見つけたのはほぼ1ヶ月前の1月5日。
下の写真はそのときに撮影したもので、卵には張りがあって瑞々しい。まるで炊き立てのご飯粒のようだ。

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     EOS-R6 MarkU MP-E65mm F2.8 1-5× Flash Q20U (撮影:1月5日)

もしや孵化の兆候でも現れやしまいかと、見つけたときから毎日のように覗いていたが、上写真のごとくどうやら命の火種が消えつつあるように感じる。

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     EOS-R5 MarkII RF100mm F2.8 L MACRO IS USM Flash Q20U

少し離れたメダケにも同じ卵塊があったが、こちらは発見当初から卵のほとんどは萎んでいた。

産卵されたのはおそらく去年の12月頃ではないだろうか?一体この卵の親は何者だろうか?

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     EOS-R5 MarkII RF100mm F2.8 L MACRO IS USM Flash Q20U

クヌギ朽木に転がっていたヒラタクワガタ♂の頭部。小柄なオスだが、死因は何だったのだろう。
posted by やまかます at 17:40| しわざ

2025年02月01日

ササにある卵

三股町

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     EOS-R5 MarkII MP-E65mm F2.8 1-5× 430EX III-RT

先月、1月5日に産卵していたチャタテムシの一種
その卵に変化が出始めたのは2週間ほど前から。黒っぽくなり照明を当てると虹色に輝く。

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     EOS-R5 MarkII MP-E65mm F2.8 1-5× 430EX III-RT

こちらはタケノスゴモリハダニの網テント巣。ササの葉裏で見つかった。
本種が吸汁すると葉には特徴のある斑紋(しわざ)ができる。この「しわざ」はよく見かけるが、しわざのヌシは葉裏にいて、しかも網テントに隠れている。ダニの姿を見るには見てやろうという意欲と、高倍率ルーペが必要だ。

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 OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO MC-20 Flash Q20U (深度合成)

網テントをめくってみた。ダニ♀成体の大きさ(約0.5ミリ)に比べて、卵は意外と大きい。
メス成体はテント巣から外に出ているがしばらくして元に戻っていた。破れた箇所の修繕をするか、時々覗いていたけれど数時間経てもまだ始まらない。

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シロハラ      EOS-R6 MarkU RF200-800mm F6.3-9 IS USM

今日は朝から雨。庭の鳥たちは雨の中、いつもと変わらず餌探しに励む。

水4H2A0535_07-強化-NR.jpg
     EOS-R6 MarkU RF200-800mm F6.3-9 IS USM   

羽毛に溜まる雨滴を、ときおり首を大きく回転させ体全体で弾き飛ばす、シロハラ。

posted by やまかます at 20:46| しわざ

2025年01月16日

葉裏の工芸品

三股町

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     EOS-R5 MarkII RF100mm F2.8 L MACRO IS USM 430EX III-RT

タブノキの葉っぱに、タブノキハウラウスフシが並んでいた。
虫こぶの色が赤くなるのは日当たりが関係しているのかどうか?

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     EOS-R5 MarkII MP-E65mm F2.8 1-5× 430EX III-RT

居間の窓ガラス外側を歩いていた、クロウリハムシ。
室内のあちこちで越冬しているが、外に出たり入ったり。我が家の造りは隙間だらけらしい。
posted by やまかます at 19:28| しわざ

2025年01月07日

ササの葉にマイン

三股町

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      EOS-R6 MarkU EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM Flash Q20U    

ササの葉っぱに細長いラッパ型のマインがあった。
ウスイロカザリバ幼虫のしわざ、で、食べ進む先(画面上)ほど広がっている。
うちの林ではそれほど多くはなく、探してやっと見つかる程度。葉っぱめくりをしているうちに見つかったけれど、今日はとにかく寒かった。

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      EOS-R6 MarkU EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM Flash Q20U 

透かして見ると幼虫のシルエットと糞が見える。

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     OM-1 MarkU LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 II ASPH. / POWER O.I.S.

こちらがじっとしているとすぐ近くまでやって来た、メジロ。少し離れてつがい相手がいた。
剪定作業を始めたので、庭にいるとメジロが目の前を行ったり来たり。庭に植えているクヌギ、コナラ、クワ、ネコノチチなど、樹高が屋根を越さないようできるだけ低い位置に枝を張るよう毎冬、剪定している。どの木も萌芽力が旺盛だ。
posted by やまかます at 19:53| しわざ

2024年12月27日

寒いのがお好き?

三股町

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  OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro DMW-FL200L

イナゴの一種のハヤニエ。
先日見つけたトノサマバッタから1メートルほどしか離れていない。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro DMW-FL200L

ナナホシテントウの蛹は、南向きのコンクリート石垣にあった。成虫も元気に歩いていた。
餌のアブラムシは探せば小さなコロニーがポツポツ、見つかる。

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     Phantom 4

今日の撮影地(ほぼ画面中央辺り)を上空からドローンで撮影してみた。
奥に見えるのは霧島山。
posted by やまかます at 19:14| しわざ

2024年12月21日

ヤママユのしわざ

三股町

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      OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

頭上をツミのオスが通り過ぎて行った。

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      OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

日光浴中のタテハモドキ。午前中、風もあまりなく気温も上がったせいでタテハモドキが活動していた。

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トノサマバッタ
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イナゴの一種     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FL-LM3

今日見つかったハヤニエは、トノサマバッタとイナゴの一種。

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      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO FL-LM3

仕事部屋のすぐ外にあるクヌギに、ヤママユの繭殻がぶら下がっていた。それも2個。2個ともほぼ目線の高さの枝先にあった。幼虫が育っていたことに全く気付かなかったのが悔やまれる。2個とも大きな穴が空いていて、成虫が無事に羽化したことがわかる。敷地内のクヌギで越冬卵を探してみよう。
posted by やまかます at 19:24| しわざ

2024年10月17日

霧の朝の博覧会

三股町

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     EOS-R6 MarkU RF100-400mm F5.6-8 IS USM

ジョロウグモの蹄型円網が、日増しに大きくなって数も増えて、空中がぎやかになってきた。

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      EOS-R6 MarkU RF100-400mm F5.6-8 IS USM

チュウガタシロカネグモの水平円網。朝陽を受けて虹色に輝いていた。
posted by やまかます at 20:33| しわざ

2024年09月19日

ヒメか、サツマか

三股町

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ナナホシテントウ     EOS-R6 MarkU SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO  430EX III-RT

アキノノゲシについたアブラムシを暴食していた、ナナホシテントウ。
9月半ばも過ぎてこの蒸し暑さ。暑さを苦手とするナナホテントウも調子が狂うのかそれとも平気なのか、見た目はとても元気そうだ。

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コガネグモ     EOS-R6 MarkU SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO  430EX III-RT

もうとっくに終わったと思っていたが、コガネグモのメスがまだ残っていた。獲物はコアオハナムグリだろうか。

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サツマヒメカマキリ卵しょう     EOS-R6 MarkU SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO  430EX III-RT

玄関の引き戸に、小さな卵しょうがあった。門灯に飛来したメス親が産卵したのだろう。まだ新しいので昨夜辺りか。
この時期に産卵、ということは幼虫越冬のサツマヒメカマキリの卵しょうかと思う。ヒメカマキリならば、今頃はまだ幼虫期のはずだ。ヒメカマキリの成虫は10月から12月遅くまで見られ、卵越冬。

追記(9月20日)

あっさりと、サツマヒメカマキリの卵しょうと断定したけれど、あらためて過去の観察データを引っ張り出してみた。
産卵の観察例は少ないけれど、サツマの産卵日は、7月4日、7月8日、6月初め(孵化日から推定)と、初夏の頃が多い。今回の9月に入っての産卵はかなり遅いと言えるだろう。
一方、ヒメカマキリの産卵は、手元のデータでは11月12日、1月7日に産卵というのがある。また、愛知県では12月に採集されたヒメカマキリが翌年5月下旬まで生存し、その間に8回産卵している、という記録もある(参照:「昆虫ハンター カマキリのすべて」岡田正哉・著)ヒメカマキリはどうやら冬に産卵していると言えるようだ。したがって、玄関の引き戸にあった卵しょうは、やはりサツマである可能性の方が高い。
山形県では、9月半ば(2012年9月19日)に産卵するヒメカマキリが観察されているが(高橋清明、これは地域の差であろうと思う。

越冬したサツマヒメカマキリの幼虫(終齢)は、5月後半〜6月にかけて羽化する。その成虫が産卵するのが7月ころということだろう。卵期については3週間〜1ヶ月という観察データを得ているので、今回見つけた卵しょうが、8月中に産卵された可能性も否定できない。もっとも、そんなに長く玄関にあって、私が見落としていたというのもちょっと考えにくいのだが、、、、。
posted by やまかます at 20:07| しわざ

2024年09月16日

天蚕の性別は?

三股町

先週、羽田行きの航空便を搭乗口で待っている朝、嫁さんからLINEで写真画像が送られてきた↓

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ヤママユ♂     (撮影:9月8日)

窓辺に置いていたヤママユの繭からオスが羽化したのは、前日の夜(7日)のことだろう。予想していたより早い時期の羽化だ。

庭のコナラとクヌギには網がけしていたヤママユの繭がある。届いた写真を見て、出掛ける前に網を外すのをすっかり忘れていたことを思い出した。ヤママユの羽化ピーク後半は、例年なら9月末以降だからそれより少し前には網がけを外しておけばいいはずだが、今年はなんでも前倒しの傾向が強い。ヒガンバナの開花などはまさにその好例だろう。家を空けている間に羽化してしまうのは残念だけど、網がけのままでは羽化後に翅を正常に伸ばすことが出来ない。連絡の折り返しで嫁さんに網がけを外してもらうことができた。

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コナラの繭       EOS-R6 MarkU RF24-105mm F4-7.1 IS STM 270EXU

網をかけていたおかげでヤブキリやコロギスといった天敵からの捕食は免れたけれど、先月台風10号の強風と雨の影響で繭を支えていた葉っぱはボロボロになっていた。

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      EOS-R6 MarkU  SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO  Godox DE300

で、今日になって3個あった繭のうち一個が羽化していることに気づいた。網を外したのちに羽化したので、すでに成虫の姿はなく、数日前に羽化したと思われる。

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      EOS-R6 MarkU  SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO  Godox DE300

繭殻を割り開いてみた。せめて羽化したヤママユの性別だけでも確認しておきたい。
写真上では蛹殻の背中側が見えているので、このままでは触角の形状を確認できない。

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      EOS-R6 MarkU  SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO  270EXU+FL-36R

蛹殻の腹側を見れば雌雄はすぐわかる。蛹体の幅いっぱいに広がる大きな触角から、オスの成虫が羽化したことが判明。

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     EOS-R6 MarkU  SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO   270EXU+FL-36R

蛹殻のお尻には圧着されて小さくなった、終齢幼虫の脱皮殻がある。これもそっと摘み出してみた。
頭殻は真ん中から割れて左右に大きく離れている。幼虫が脱皮すると各齢ごとの頭殻をそのままの形で回収することができるが、繭の中で蛹化する終齢の頭殻だけは回収が不可能だ。しかも狭い繭の中で蛹は回転運動を行うため頭殻は裂けてしまう。
posted by やまかます at 19:58| しわざ

2024年09月01日

枯れても、樹液

三股町

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ショウリョウバッタ  EOS-R6 MarkU RF100-400mm F5.6-8 IS USM

大っきい〜影が面白〜いと、カメラを向けていたら、、、、、

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ショウリョウバッタ  EOS-R6 MarkU RF100-400mm F5.6-8 IS USM

ショウリョウバッタのメスは一生懸命、産卵のための掘削場所を尾端で探っていたようだ。
コンクリート面はかなり硬い。ショウリョウバッタにとっての産卵場所は硬い地面だから、「硬い」という条件であれば、それが人工物であるかどうかなどはそもそも問題にならないのだろう。彼らの生息環境で普通に暮らしていれば、足下の地面とは、まず硬い場所を探っていればいつかは行き着けるというシナリオしかないのだろう。

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樹液レストラン  OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

昨年の12月の切り倒したクヌギだが、今朝も樹液レストランが賑わっていた。
来客の顔ぶれは、コクワガタ、シロテンハナムグリ、サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、アミメアリ、、、
この倒木クヌギの幹や枝の一部には夥しいキノコ群が生えてもいる。根っこは完全に断たれているし、伐採されてから半年以上という時間も経ているので、常識的には朽木と断じて良いのでは。にも関わらず樹液が滲出するというのはどういったことなんだろうか。
posted by やまかます at 20:19| しわざ

2024年08月29日

台風10号の爪痕

三股町

昨夕から今日の午後まで、台風10号の接近に伴い猛烈な風雨に見舞われた。
宮崎市各地では竜巻と思われる突風により各所で被害が出たようだ。屋根瓦が飛び散り、自販機が倒れ、停めてあった車が横転し、家屋の壁が崩れるなど、まるで怪獣が破壊しながら通り過ぎたような甚大な被害だ。
強風のため夜中はなかなか眠りにつけず、本を読み出したらこれも止まらなくなり、結局、日付が変わった深夜にウトウトし始めた。

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クヌギ     EOS-R6 MarkU RF24-105mm F4-7.1 IS STM

今日の夕方になって雨風ともおさまってきたので庭に出てみた。まだ危険なので林には入らなかったが、奥を覗き込むと観察路には落ち枝が散乱していた。木々の枝は垂れ下がったものも多く、特にコウモリガ幼虫が穿孔した箇所でボキリと折れているのが目立つ。

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ハラビロカマキリ     EOS-R6 MarkU RF24-105mm F4-7.1 IS STM

折れたクヌギの枝には、ハラビロカマキリがしがみついていた。猛烈な突風と打ち付ける雨粒弾にもめげず、よくぞ耐えたものだ。前翅が痛んでいるが台風とは関係ないのかもしれない。
タブノキ幼木についていたアオスジアゲハ幼虫の姿は無かった。風で飛ばされたか、隣のクワの枝で激しく打たれたかして、地面に飛ばされその後雨の濁流に飲まれたか?

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オオミノガ    EOS-R6 MarkU RF24-105mm F4-7.1 IS STM

ブルーベリーにはオオミノガの蓑が風に揺れていた。指で摘んでみると中に幼虫の体を感じることができた。ミノムシは流石に強い。枝が折れたりしない限りは、頑丈な蓑のシェルター内で無事にやり過ごすことができる。かなり派手に揺さぶられただろうけど、中の幼虫は目を回したり船酔いなどはしないのだろう、多分。
posted by やまかます at 21:31| しわざ

2024年08月23日

壺、のようなもの

三股町

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コガネグモ  OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

午前6時20分。昨日はイナゴ類など捕食しており、コガネグモの腹部は丸々と肥えていた。
順調にいけば来週辺りには産卵するだろう。台風10号の影響もあるだろうから少し先になるかもしれないが。

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オオトリノフンダマシ卵のう OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

明るいウコン色した卵のうは、オオトリノフンダマシのしわざ。昨夜から今朝にかけて産卵したのだろう。さらに色づいて茶褐色になると、今よりか目立たなくなる。
産卵の様子は見ておきたいが、過去に一度チャレンジして根負けした経験がある。産卵しそうな気配を漂わせながら今夜こそ、というときになって忽然と姿を消してしまった。

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コサギとシオカラトンボ  EOS-R6 MarkU RF200-800mm F6.3-9 IS USM

明日予定している昆虫観察会の下見をもう一度行っておいた。公園の一部はまだ災害復旧工事が続いているので、過去に歩いたコースを変更することにした。明日も猛暑になるだろうからコースは短めにして、一定のエリアでテーマを決めて虫探しをしてみることにした。
池の水位がかなり下がっていて驚いた。三股町ではずっと晴れていて、にわか雨はあってもほんのわずかしか降っていない。水辺ではコサギがシオカラトンボを狙って近づいていた。このあと、シオカラトンボが飛び立って狩りは失敗に終わった。

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ヨコヅナサシガメ   EOS-R6 MarkU SIGMA 50mm F2.8 EX DG MACRO 270EXU

サクラの幹ではヨコヅナサシガメの幼虫が脱皮中だった。小さいけれど、真っ赤な姿はよく目立つ。
3齢から4齢への脱皮のようだ。

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コガタスズメバチ   EOS-R6 MarkU RF200-800mm F6.3-9 IS USM

ツツジの植え込みにコガタスズメバチの巣があった。遊歩道から強いて覗けば見えるけれど、手前の植え込みが目隠しになっていて、普通に歩いていると気付かないだろう。巣の直径は15センチ以下とまだ小さい。
posted by やまかます at 21:15| しわざ

2024年08月22日

夜の虫

三股町

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カラスウリ  OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U      
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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U  

玄関でカラスウリを水差しにして開花を鑑賞。
いつの間にかヒメアリが集まってきて、しきりと花の中に潜り込んでいた。花からは匂いが出ているのだろうけど、近づいてもほとんど感じない。

都城市 青井岳

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カキバトモエ  EOS-R6 MarkU RF70-200mm F4 L IS USM 430EX III-RT

山の奥の樹液を数年ぶりに訪れてみた。樹液はよく出ていて発酵臭も漂ってはいたが、昆虫の姿は数えるほどでごくわずか。オスグロトモエはボロボロだったが、写真のカキバトモエは新鮮な個体だった。前翅の模様は立体的に見える。
カキバトモエといえば、ネムノキの幹で見つかる幼虫のほうが印象深い。街中の公園でも見つかる普通種だけど集まった幼虫の姿は思わず駆け寄りたくなる。↓

2015年6月5日「ひむか昆虫記」より
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posted by やまかます at 21:46| しわざ

2024年08月01日

さなぎのモデルとは?

三股町

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霧島山     EOS-R6 MarkU RF70-200mm F4 L IS USM

今日も快晴、酷暑はまだまだ続くようだ。
イヌビワの上空や梢を舐めるように、ウスバキトンボが群飛している。思わず動画撮影してみた。写真ではこの群飛の様子を表現するのは難しい。

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イヌビワ     EOS-R6 MarkU RF70-200mm F4 L IS USM 430EX III-RT

アブラゼミを探していると、イヌビワの葉裏にイシガケチョウの蛹を見つけた、と思った。
しかしよくよく見ると、どうも様子がおかしい。裸眼ではこの頃、虫の姿を見誤ることが多くなった。
試しに手で摘んでみれば、枯れ葉であった。すっかり騙されてしまった。

ホンモノの蛹は、こちら(撮影:2020年10月15日 )


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霧島山     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
posted by やまかます at 20:42| しわざ

2024年07月26日

動かぬしわざ、動くしわざ

三股町

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     EOS-R6 MarkU RF35mm F1.8 MACRO IS STM 270EXU

待ちくたびれて近寄るカナブンに、すかさず大顎を振りかざすノコギリクワガタ。今朝もノコギリクワガタのペアが独り占めしていた。それにしても、樹液に集まる顔ぶれの中でカナブンすらここ数年で随分と減ってしまったと感じる。カナブン同士がぶつかり合い、カサカサと賑やかな音すらしていたが、今ではほぼ聴けなくなった。

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     EOS-R6 MarkU RF35mm F1.8 MACRO IS STM
樹液を出している同じクヌギの葉っぱは、サツマコフキコガネが暴食してボロボロに。
ほとんどがメスでオスが少ない。

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     EOS-R6 MarkU RF35mm F1.8 MACRO IS STM

ヤマアジサイが穴ボコだらけになっているのは、ヒメコガネとアオドウガネの、しわざ。

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     EOS-R6 MarkU RF35mm F1.8 MACRO IS STM

オオミノガの蓑は、齧りとったクヌギの葉で纏われている。食痕とは逆のしわざ、とも言えるだろうか。しかも、このしわざは時々、移動します。つまり、クヌギやヤマアジサイに盛大に残されたしわざが動かぬ証拠なら、ミノムシの葉片は動く証拠と言えるでしょうか。

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     EOS-R6 MarkU RF35mm F1.8 MACRO IS STM

アジサイの葉裏にあったヤマトアシナガバチの巣は大きくなって、葉っぱはその重さを支えきれ無くなった。
それで、巣はジワジワと沈下し、ついに茎の二又に引っ掛かっている。

これはアシナガバチにとっては困ったことで、茎からアリなど外敵の侵入を容易に許してしまう。
本来なら細い一本の防御効果のある柄でぶら下がってこそ、万全な安全策となるのだけど、太い茎を噛み切るほどの力はアシナガバチには備わっていない。巣はまさに紙細工のようなものだから、自重で変形もしている。
とんだ災難だが、狭い隙間に創設してしまい巣の外形が歪になることもある。
posted by やまかます at 21:07| しわざ

2024年05月29日

食べて、隠れる

延岡市

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     OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

スイレンが咲き始めていた。池にはオオシオカラトンボのほか、稀にクロスジギンヤンマが飛来するだけ。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO DMW-FL200L

ボロボロノキの果実はまだ青い。昨日の強風と雨で青いまま落ちている果実が目立った。

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      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO DMW-FL200L

ベニツチカメムシの産卵はもうじき。成虫はボロボロノキの梢で果実から吸汁して栄養をつけている。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

オニグルミの葉に夥しい食痕があり、クルミハムシ新成虫の「しわざ」だった。
古い食痕は幼虫時代のもので、蛹の抜け殻が多数残っていた。
期待半分、ムラサキシャチホコ幼虫も探してみたが見つからず。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

アオバセセリの食樹は、四国南部や九州の平地ではヤマビワ。
若葉に多数の幼虫巣が出来ていた。同じ木にスミナガシ若齢幼虫のすだれ巣が見られた。
posted by やまかます at 19:04| しわざ

2024年05月22日

小さなレストラン

三股町

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オオスズメバチ    OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

アカメガシワ樹液には全く寄り付かなくなった後、30mほど離れたコナラ樹液に来ていることがわかった。
オオスズメバチの女王は少なくとも3頭がこの場所に通っており、女王同士の争いが頻繁に見られる。
争うとはいえ、互いにバンザイの仕草や大顎を開く威嚇行動をとるだけで、取っ組み合いのケンカには至らない。儀式化した行動で無用な争いを回避しているようだ。噛み付きあったりして怪我でもしたら、互いに得することはないはずだ。

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ルリタテハ     OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

ルリタテハが飛来すると、2、3頭いたサトキマダラヒカゲは蹴散らされてしまった。
強気なルリタテハのその後ろに、ムナビロオオキスイが恐々?と触角で翅に触れていた。

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     OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

コクワガタ♂が去ってしばらくすると、ノコギリクワガタ♂が入れ替わるように来ていて、一旦は離れていたルリタテハが再び戻ってきた。
オオスズメバチは同じコナラの反対側にある泉を独占しているので、ここは様々な顔ぶれが入れ替わり立ち替わり訪れていた。

〜ここまでの記事は、昨日5月21日に撮影〜

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ナラワカメハナツボタマフシ   EOS-R6 MarkU EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM 430EX III-RT ST-E10

わが家の庭では実に8年ぶりに見つけた、ナラワカメハナツボタマフシ
コナラの新梢先端の芽にできる虫こぶで、単性世代。
両性世代の虫こぶは、コナラの雄花花穂にできて白色軟毛に覆われた球形。単性世代に比べて地味で。よほど意識して観察しないと花穂に紛れて見落としてしまいそうだ。
ナラワカメハナツボタマフシを初めて見つけたのは、さらに遡ること18年前の6月はじめで、場所は埼玉県の多福寺だった。珍しくもないのだろうけど、それほど頻繁に見かける虫こぶでもないようだ。
posted by やまかます at 19:12| しわざ

2024年04月19日

アカメガシワの樹液レストラン

三股町

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    EOS-5D MarkV EF70-300mm F4-5.6L IS USM 430EX III-RT

うちの林ではまだ仏炎苞が残っている株もあるけど、ほとんどのマムシグサ雌株は果実が目立ち始めている。

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     EOS-5D MarkV EF70-300mm F4-5.6L IS USM 430EX III-RT

池のへりにはホソミイトトンボが多く、しばらく見ていたけれど産卵行動などは観察できなかった。

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     OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

アブラナ果実がお目当てで、庭によくやって来るカワラヒワ。
ケヤキの梢で私に恨めし気な視線を感じるが、写真をよく見るとすぐそばにホシアシブトハバチがボケて写っていた。
近くにあるエノキに産卵目的で飛来したのだろう。
  
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     OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

ノアザミの開花が盛んになってきた。ジャコウアゲハ、モンキアゲハ、そして写真のカラスアゲハ♂など、黒いアゲハが赤桃色によく似合う。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

コウモリガ幼虫の活動も盛んになったようだ。アカメガシワの幼虫巣トンネルからは樹液が滲み出て、いろんな虫たちで賑わってきた。オオスズメバチ女王が他の虫を蹴散らし、同種と言えど女王同士は餌場を巡って激しく争う。

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     OM-1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO   

蹴散らされてもしつこく舞い戻ってくる、サトキマダラヒカゲとクロヒカゲ。他にコジャノメの姿もあった。

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サトキマダラヒカゲ    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO



posted by やまかます at 20:30| しわざ

2024年03月05日

泥のしわざ

東臼杵郡 美郷町

今月予定している講演の打ち合わせと観察会の下見で、県北の美郷町に行ってきた。

調べてみると、美郷町の「おせりの滝」での観察会は、初回が2012年の8月。
確か2、3回ほど開催を見送った年もあったけど(コロナ感染流行も含め)、去年までほぼ毎年夏休みに開催してきた。
日帰りできる場所ではあるけど、毎回下見も兼ねて前日から泊まり込みで臨んでいる。宿泊場所も石峠レイクランドのコテージやスカイロッジ銀河村、あるいは日向市、延岡市のホテル、など様々。

今回は事情もあって日帰りと決めている。小雨が降る中、講演会場周辺の観察場所をスタッフの方達と歩いてみた。

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ツチグリ      E-P7 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ

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法面排水口にあったスズバチの泥巣   E-P7 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ

スズバチはトックリ型の泥巣を複数個並べてからそれを厚い泥壁で覆い隠す。写真の泥巣は作りかけて、何らかの理由で放棄したようだ。この泥巣のしわざを見つけたのはスタッフの方で、私は素通りして、後ろから呼び止められた。
見つけてみよう、という気持ちに溢れているスタッフの方の虫目には頭が下がる。
posted by やまかます at 21:04| しわざ

2024年02月03日

山折りのしわざ

三股町

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     OM-1 LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH FlashQ G20U (撮影:1月11日)

チョウの中でクロセセリの蛹ほど見つけやすい種は他にないほどで、蛹探しがダントツに容易かと思う。
ハナミョウガの葉っぱで食痕が多く、その中で山折りになった葉をめくれば、かなりの確率で蛹が見つかる。

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     OM-1 LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH FlashQ G20U (撮影:1月11日)

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     OM-1 LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH FlashQ G20U (撮影:1月11日)

かつては九州以南に生息している蝶だったが、今では近畿地方でも定着しているようだ。
昨日から滞在している四国でも西部には定着しているようだが、まだ蛹探しを行ったことはない。今日の四国、松山は午前中は晴れ間もあったが、午後から小雨が落ち始めた。夕方には西予市明浜町に移動したが、こちらでも小雨から本降りになったため、フィールド歩きは諦めた。
posted by やまかます at 20:09| しわざ

2024年01月20日

硬い繭

三股町

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      LUMIX G9 M2 LEICA DG MACRO-ELMARIT 45/F2.8 DMW-FL200L

カラスザンショウの根本近くで、シンジュサンの繭を見つけた。ここは例年、幼虫が降ってきて繭を紡ぐことが多い。
去年の4月にはメスが羽化している。敷地内で3個目の繭になったが、ホストはクロガネモチ、ナナミノキ、カラスザンショウとそれぞれ違う。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO FlashQ G20U

林床に転がっていた太さ3センチほどの朽木はとても脆くて、すぐに割り開けた。
中にはぎっしり糞が詰まっていて、その先の空洞部屋にはコクワガタの幼虫が入っていた。

朝からほとんど陽射しがなく、気温はそこそこ上がったが、今日のコナラ樹液にオオスズメバチの飛来は無かった。

今朝の講演は、都城市、神柱公園にある学童クラブで行った。
「神柱公園の昆虫観察」という演目で、チョウやトンボ、カメムシ、ハンミョウ、野鳥、などの写真観察記を30分間お話しした。予行演習無しだったが、ほぼきっちり30分に納まり、子供達の質問を受けたりした。
野鳥ではジョウビタキ(下写真:ヒラタアブの一種をフライングキャッチ))とヒヨドリを紹介した。

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OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO (撮影:2022年12月9日)
posted by やまかます at 21:41| しわざ

2023年12月31日

師走の早贄

三股町

北西の強風が終日吹き荒れた。

モズのテリトリー内を歩いて、今日もまたトノサマバッタの早贄を見つけた。
肝心のモズの姿は見ることなく、1時間ほどで退散した。

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      E-P7  M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ

強風に煽られながらも、地上の獲物を探して低空飛翔していたトビ。
車を運転している窓から、畑に舞い降りたところを目撃。トビの横にはハシボソガラスがいた。
一旦車を止め、バックして畑に横付けしたところでトビ去ってしまった。
モグラ塚がたくさんある畑だったが、いったいどんな獲物があったのだろうか。それを確かめることなく街中へ出掛けた。

今日は師走、一昨日の夜から長男と孫、次男が帰省しており何かと忙しく賑やかな一日だった。
が、子どもたち兄弟は今日のうちには帰って行き、また静かな我が家に戻った。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

1歳と2ヶ月の孫の行動には、なかなか興味深いものがあった。
自分の子育てでも気づいていたはずだが20数年前のこと、とっくにもう記憶が薄れてしまっている。
幼児の脳内世界を空っぽの倉庫に例えるなら、そこに納品された品物をどこに片付けるか、広ずぎて適当に散らかっている、そんな光景を想像してしまう。整理してすぐに出荷できる状況にはなく、適当にあちこちに散らばっているのだろうか。ただし、倉庫は広くて余裕があるので、受注するのも何でもありで、あちこちの注文を受け入れるのに何の躊躇も要らないようだ。
食事の好き嫌いはすでに目で見てはっきりしかもかなり細かく区別がつくのに、一歩家を出た途端、土でも石でも口に入れてしまう。そういえば、自分の長男を初めて雑木林に連れて行った時、ニコッと笑ってから鷲掴みにした土を頬張ったことを思い出した。環境が変わると、目で認識できる世界が追いついて行かないのだろう。
posted by やまかます at 21:07| しわざ

2023年12月29日

しわざのヌシ

三股町

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

午前9時。
光芒の奥、左に緩くカーブを曲がった先のアラカシに、二組のムラサキツバメ越冬集団がある。
そのアラカシではウスギヌカギバ幼虫も見つかっている。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

アオツヅラフジの果実を啄んでいた、ジョウビタキ。
そのあと、ハゼノキの果実も。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

田んぼの水路脇にケラの早贄があった。
狙い通りに見つかってさっそく撮影していると、すぐ近くでモズが警戒鳴きを始めた。
ナワバリの侵入者は私で、ずっとこちらを気にかけている様子。

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      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

しばらくすると落ち着いたのか、獲物探しに気合が入ったようだ。
どうやら人への警戒心が比較的薄いようで、ほどほどの距離まで寄れることがわかった。
posted by やまかます at 22:33| しわざ

2023年12月25日

記憶

三股町

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トノサマバッタの早贄     LUMIX G9 M2  LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH GODOX TT350

昨日、コバネイナゴの早贄は消失した。で、実はその場所から30mほどの間にはトノサマバッタが3体(昨日載せた写真とは別に)、コバネイナゴが1体、早贄が並んでいる。狭い範囲にあることから、同じモズのしわざだろう。ちょうど農道に沿った小川沿いに直線上に並んでいるのでゆっくりと歩いていれば、いやでも目に入る。
早贄の立て方は、鋭い枝や棘に刺すことが多いけれど、上写真のように枝又などに挟み込む場合もよく見かける。

早贄のことを初めて父親から教わったのは、小学5、6年生の頃だった。
場所は父親の実家がある田舎で、その当時、昆虫採集も友達に誘われて渋々付き合う程度で特に生きものに興味が向いていたわけでもなかったけれど(海は好きで磯の生きものには憧れもあったけど)、木の枝先に突き刺されたカエルの姿が、私の心に強烈に染み付いたように思う。実家の周辺は田んぼに取り囲まれ、ヘビへの恐怖心が人一倍強かった私は、自分から進んで草薮を歩いたり生きものを探そうなどとはしなかった。ヘビはやたらといて、実家の周りを出歩けば必ず出会った。それなのに、早贄のことだけは頭の片隅でずっと灯を絶やすことなく今に至っている。小学3年生だったか、カメムシの臭いを初めて嗅いでそれも強烈な印象を受けたことと呼応して、私の自然観の根幹に深く影響していることは間違いない。ほんの些細な経験が、長く自分の生き方にまで影響を及ぼしているのだなあ、と、自分のこだわりを離れたところから見ているとそう改めて感じる。

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      E-P7 M.14-42mm F3.5-5.6 EZ 内蔵ストロボ使用

背景の枯れ葉が写り込んでいなければ、まるで夏の光景のようだ。もっとも、オオスズメバチの警戒心は弱く近寄っても攻撃してくる心配は無い。
EVFファインダーは使えないけれど、小型軽量なE-P7はいつも携行できて、いざという時にはサブカメラとして活用したい。レバー操作ですぐにモノクロ撮影を楽しめるのもいい。モノクロ撮影は撮影する時の心構えからカラー撮影とは違うので、ファインダーやモニター上でモノクロであることが肝要。
posted by やまかます at 21:28| しわざ

2023年12月24日

食べて美味しい?ハヤニエ

三股町

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    E-P7 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ 内臓ストロボ使用

22日に見つけたトノサマバッタの早贄はそのまま変わらず、日干しになっていたが、、、

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      写真左から、12月22日、23日、24日の順

アカメガシワのコバネイナゴの方は、昨日には腹部がそっくり消失し、そして今朝には全て無くなっていた。
3枚の写真は、カメラもレンズも毎回違っているので定点撮影にはならず仕事上では使えないが、フィールドノートのメモとしては役立つ。

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      E-P7 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ 内臓ストロボ使用

昨日より気温が上がったため、コナラではオオスズメバチのオスが来て樹液を吸っていた。
キタテハも3頭来ていた。

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     LUMIX G9 M2  M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO GODOX TT350

指を近づけるとお尻を突き出しての威嚇も怠らない。
日陰にいるワーカーとオスの方は(写真画面右)フリーズしたまま、全く動く気配もないのが対象的だった。

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      LUMIX G9 M2  LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH  GODOX TT350

ハナミョウガの葉には、クロセセリの幼虫巣が多く、どれを開いても終齢幼虫が入っていた。
上写真はフクログモの一種が巣内にいて、どうやら幼虫は吸血されたように見える。

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       LUMIX G9 M2  LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH  GODOX TT350

            
posted by やまかます at 19:58| しわざ

2023年12月23日

飴色

三股町

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     E-P7  M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ

昨日からの冷え込みでオオスズメバチの活動もパッタリ止んだ。
写真のオスは樹液の横でフリーズしており、虫の息だった。指先で撫で撫でしてもピクリともしない。
樹下には凍死したワーカーが転がっていた。

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    LUMIX G9 M2 LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH  GODOX TT350

オオスズメバチがいなくなって幸いとばかり、キタテハが樹液に来ていた。画面の外にはもう一頭、飛んでいた。
気温は低いけれどほぼ無風なので、陽射しを受けていれば温かい。

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     LUMIX G9 M2 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO FL-900R

隣のクリ林で、クリオオアブラムシのコロニーを見つけた。
これまで見たこともないような膨大な個体数で、コロニーの端から端まで2mはたっぷりある。うちの庭の小さなコロニーなどは足元にも及ばない。(赤い矢印2つの間)
しかも、産卵はすでにピーク越えなのか、飴色の卵がびっしりと並んでいる。

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      LUMIX G9 M2 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO FL-900R

クリオオアブラムシのことを知らない人がこのシーンを見たとすると、ただひたすら不気味なだけかもしれない。私も今朝は、このコロニーを目にした瞬間、思わず「オオオ~~、これはスゴいわ!」と声を上げていた。これほど巨大なコロニーがどうして出来たのか、何が好条件だったのか?一部立ち枯れもある衰弱木だ。
posted by やまかます at 19:59| しわざ

2023年08月03日

二つの、かくれ帯

三股町

朝一番、久しぶりに虹を拝めた。
画面右隅に霧島山がチョコッと見える。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

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ギンナガゴミグモ  EOS-5D MarkV EF100mm F2.8L IS マクロUSM 270EXU(2015年4月17日:撮影)

8年前の上写真は、ギンナガゴミグモとそのかくれ帯。
遠目にはウズグモのかくれ帯びに似ている。

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ギンナガゴミグモ     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO FlashQ G20U

先日、林道沿いの崖でウズグモの網を探そうとしたら、見つかったのはギンナガゴミグモの網ばかりだった。
同じギンナガゴミグモの網でもそれぞれ個性がある。

ギンナガゴミグモはコガネグモ科のゴミグモ属であり、ウズグモはウズグモ科でまったく別グループだ。
かくれ帯は一見似ているようで、よく見ると糸の張り方がかなり違う。

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ウズグモのかくれ帯  OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO MC-14(2023年5月撮影)

ウズグモを探してみたが、クモの姿は見つからなかった。
posted by やまかます at 21:20| しわざ

2023年07月04日

もうこれで食べ切りました

三股町

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro FlashQ G20U

先月、幼虫だったタケトゲハムシは、2、3日前に蛹となっていた。
2頭の蛹のそばには脱皮殻が見えるが、外に排出した糞はすべて雨で流されている。
蛹となったので、ササの葉の食害部分はこれ以上広がらない。
葉の中でトンネルを穿つがごとく食べ進んだその白い空洞、「しわざ」、をマインとも呼ぶ。
マインの面積いや容積を計測すれば、1頭の幼虫が成長に必要な餌の量というものを算出できる。
1匹の虫が成長して成虫になるまでにどのくらいの糧が消費されるのか、数値化できるのは面白い、とは思う。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

ミズナラの新梢がボロボロになるほど若葉が食べられ、ところどころ葉が巻かれてあるのは、ムラサキシジミ幼虫のしわざ。大きく育った幼虫が剥き出しになって、アリの訪問を受けていた。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

今日は曇りで雨はほとんど降らず、気温もさほど上がらずで、湿度は高いものの比較的過ごしやすかった。
デスクワークの肩ほぐしに、庭のチョウたちを撮影してみた。コチャバネセセリとクロヒカゲ。

モンキアゲハとクロアゲハの姿もあり、アゲハのメスはユズの若葉にしきりと産卵していた。このところ、キタテハも多く、樹液にはクロコノマチョウと張り合う様によく来ている。
posted by やまかます at 20:48| しわざ

2023年06月24日

ササのマイン

三股町

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO FlashQ G20U

朝一番、庭に出てみれば、ノコギリカメムシがひっそり。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

林のへりでは、ホタルガがひら〜り、ひらり。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

ササの葉に白く見えるのは、タケトゲハムシのしわざ。
薄い葉っぱの中で幼虫が育っている。
葉先のほうに見える産卵痕は2コなので、幼虫は2頭入っているのだろう。画面左のほうの白い筋は成虫が削りとるように食べた食痕。

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 90mm F3.5 Macro IS PRO FlashQ G20U

葉っぱの下から照明を入れて、幼虫のシルエットを浮かび上がらせてみた。
やはり、2頭の幼虫が葉肉を食べ進んでいた。糞はマイン外周のわずかな亀裂から外に排出している。

こういう撮影の場合、ストロボをカメラから離して使う。

FlashQ G20Uは、いつでもカメラから離して無線通信で発光させることができるので、今はこのストロボが標準装備となっている。
光を拾うスレーブ方式と違って、炎天下であろうと、ストロボとカメラの間に遮蔽物があろうと、問題なく発光できる。ずっと使ってきたGODOX TT350も無線通信での発光ができるが、こちらはストロボが2台かあるいは無線コントローラーXPro Oが必要で、機材が増える。機材を軽量化するにはFlashQ G20Uが小型でもあるし具合がいい。

ただし、レンズの種類や撮影条件によっては、ストロボをアクセサリーシューに取り付けたままでは、狙い通りの照明が叶わないことも多々あるので、フレキシブルアームでストロボ本体をカメラに取り付ける、というちょっと面倒なことをしている。これは以前にも紹介しているが、それでも微妙な配光を選ぶことができるので捨てがたいやり方。
posted by やまかます at 18:47| しわざ

2023年02月21日

冬芽になり切ります

三股町

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     E-M1 MarkV M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

三股町に流れる沖水川の上流域を久しぶりに訪れてみた。

沖水川に注ぐ支流沿いの車道に外れてさらに奥へと遡ると舗装道路が終わって未舗装の林道に入る。林道の入り口に車を止め、常緑樹林に覆われた狭い道をズンズン奥へと歩いてみた。
この辺りの雰囲気からして、3月に入ればスギタニルリシジミの吸水集団が見られるような気がするし、もしかしたらムカシトンボの産卵行動なども観察できるポイントもありそうな、そんな気配を感じた。

林道からずっと下を流れる渓流を覗き込むと、岩陰に潜むようにじっとしていた、マガモのオスと目が合った。
警戒しながらもしばらくは私の様子を窺っていたが、こりゃあマズイ!とばかり下流へ泳ぎ去ってしまった。

マガモ-1000107.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO


カギバアオシャク幼虫-2219345.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

アラカシの冬芽に「くり抜き」のしわざがあった(丸い食痕)。
このしわざが見つかると、カギバアオシャク幼虫ともすぐに出会える。と、いうか上写真ではすでに幼虫の姿が見えている。少し俯瞰気味に撮影してみた。

カギバアオシャク幼虫-2219342.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

幼虫は体を折り曲げ、冬芽になり切っている。丸く穴が空いた芽の中はほとんど食べられて空洞になっているようだ。真冬でも気温が高い日には芽の中に頭を突っ込んで食事をしている。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

ハルニレの細枝に、ウスタビガの繭があった。
昨日はずっと下流域のエノキで見たばかりだが、ハルニレに付いているのを見たのは初めてかと思う。
違う角度からも見てみたが卵はついてなかった。
ハルニレの赤い芽吹きがポツポツ並んでいて、ここにも春の気配あり。
posted by やまかます at 20:26| しわざ

2023年02月19日

ヤマザクラとヤマガラとムネアカアワフキ

都城市 山之口町

今日の写真は、2016年3月29日に撮影したもので、一連の写真は『野鳥のレストラン』(少年写真新聞社:2022)にも掲載してある。

ヤマガラ_IMG_3232 (2).jpg
    EOS-70D EF-s55-250mm f4-5.6 IS STM

ヤマザクラの枝先にぶら下がるようにしてはしきりと何かを啄んでいるヤマガラを運転中に見つけ、そっと停車した。山を下る車道だが、ここを訪れる人は普段ほとんどいない。車一台通るのがギリギリの降り専用路だったが、他の車に迷惑をかける心配はなかった。
ヤマガラの動きは速く、車から降りていたのでは間に合わないので、窓ガラスを全開にして体を乗り出すようにしてカメラを向けた。
いったい何を啄んでいるのだろうとシャッターを切りながらファインダーを覗いているうちに、枝先についたムネアカアワフキ幼虫巣を突いていることがわかった。貝殻のような幼虫巣は枝先の芽に近いところに付着している。ヤマガラはそこを狙っては足場の安定しない枝先を渡るようにして移動していたのだ。
硬いエゴノキの種子すら割り砕くヤマガラのことだ、ムネアカアワフキ幼虫巣の殻を割り砕くことなどは容易で、あっという間に、中の幼虫を引きづり出していた。

ちなみに、ムネアカアワフキ幼虫の姿や羽化直後の様子など、4年前のこちらに掲載している。
その4年前の羽化シーンは年度こそ違え、月日はまったく同じ、3月29日だった。
この3月末頃というのは羽化時期であって、ムネアカアワフキ幼虫は成熟してプリプリに肥えているのだろう。
ヤマガラは、幼虫が食べ頃となるこのタイミングを知ってか知らずか?

『野鳥のレストラン』に掲載した写真の撮影裏話のようなことを、また折を見て書いてみようと思う。

今日の午前中は、ちょっとした嵐のような雨と風だった。雨は昼前には止んだけれど、北西風は夕方までずっと吹き荒れていた。本日の撮影現場ではまったく成果ないままに終わった。
現場を切り上げると一旦街へと出て、夕食の食材を少し買ってから帰宅した。車という移動手段がないと困るけど、撮影現場までの移動時間が短い(数分〜20分以内)というのは、自然写真の仕事をしていてこれほど助かることは無い。


posted by やまかます at 21:04| しわざ

2023年02月09日

天然接着剤

三股町

サラサリンガ幼虫巣-2097793.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro 

林床に落ちていたクヌギの梢に、白いものが。
拾い上げてみると、サラサリンガの幼虫巣だった。すでに空き家になっている。白い糸束テントは多数の幼虫たちが吐いた糸でできており、その本数は相当な数字になるだろう。一回産卵で何頭の幼虫が誕生するのか数えたことはないが、3桁の数にはなるはずだ。白くペンキで塗ったような糸束が強力な接着剤かあるいは命綱の役目を果たして、幼虫巣テントの脱落を防ぎ、頑強な城にもなっている。
枝を落としたであろうクヌギの幹を何度も見上げて、越冬巣を探してみたが見当たらなかった。数年前には目線の高さの幹表面に張り付いていたのだが。

ウスタビガ卵-2097918.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro マクロフラッシュ STF-8 (深度合成)

先日見つけたウスタビガの卵。
ヤママユの仲間で越冬卵を一番見つけ易いのがウスタビガだ。清瀬市に住んでいたころは、冬になると薄緑色の空繭を探すのが恒例になっていたが、近場でよく見つかったのは所沢霊苑だった。苑内のケヤキ並木を見上げて歩いていると、多い年には20数個も見つかり、そのうちの何個かは必ず卵付きだった。
越冬卵探しで、次いで探索ポイントを絞り易いのがヒメヤママユだった。
今住んでいる三股町の自宅周辺ではヒメヤママユは極めて少なく、武蔵野で見つけていた探索ポイントが有効かどうかは検証できていない。

ウスタビガ卵-2097805.jpg
      OM-1 ZUIKO AUTO-MACRO 20mm f2   マクロフラッシュ STF-8

まるで焼け焦げたようになっているが、大丈夫。卵が繭から脱落するのを防ぐため、母蛾によって黒い糊がふりかけてある。
posted by やまかます at 21:04| しわざ

2023年01月31日

蛹の運命とは

三股町

午前7時14分
アオスジアゲハ越冬蛹-1062070.jpg
霧島山      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

昨日とは打って変わって、雲一つなく大気はどこまでも澄んでいた。

アオスジアゲハ越冬蛹-1317627.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

先日(1月18日)神社で見つけたアオスジアゲハ越冬蛹を再び見ておいた。
前の記事では褐色型とは書いたが、褐色と緑色の中間型といえる。

私は蛹色について緑色型と褐色型と大雑把に捉えていたが、

『蝶・サナギの謎』平賀壮太著(トンボ出版:2007)によれば、
アオスジアゲハ蛹の体色には、明黄緑色、淡緑色、灰緑色、赤褐色、の4色型があるとされる。
その4色型に照らしてみると、上写真の蛹は、赤褐色型と淡緑色の中間型とも言えるだろうか。
なお、同書によれば、体色を決める条件は、太陽光の明るさに影響を受け、その色彩決定時期は、脱糞後、帯糸を作るまでの時間帯(前蛹になる手前)ということだ。したがって、蛹化場所の材質の違いなどの影響を強く受けるナミアゲハとは色彩決定の仕組みが異なるという。

アオスジアゲハ越冬蛹-1317629.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

神社の手水場の庇や手水石、灯籠など人工物を舐めるように探ってみると、崩れた蛹殻や帯糸、台座糸などがいくつか見つかった。無事に羽化できた蛹、寄生されて死んだ蛹など、アオスジアゲハ蛹の辿った履歴が手に取るように読み取れる。

アオスジアゲハ越冬蛹-1317636.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

日中は気温が上がって、庭ではアブラナを訪れるニホンミツバチの姿が多く見られた。今日はあえて、超望遠レンズを使ってみた。

ニホンミツバチ-1000401.jpg
       OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

昨日は空振りに終わったオオミノガのオス幼虫探しだが、、、。
今朝のこと新たに多数の蓑を発見できて、中を調べてみると、今度はオス幼虫を7頭、メスを1頭、確認できた。
このことで、これまで迷走していた、オオミノガ幼虫の雌雄の違い、判別法が整理できてしっかり理解できたと思う。

さて、、、、、、、、、

私のこれまでの仕事のなかで、蛾の暮らしをテーマにした写真絵本は、7冊。

『ヤママユガ観察事典』(偕成社:1998年)
『どこにいるの?シャクトリムシ』(ポプラ社:2007年)
「いのちのカプセル まゆ』(ポプラ社:2008年)
『イモムシ』(ポプラ社:2013年)
『うまれたよ!カイコ』(岩崎書店:2013年)
『ぜんぶわかる!カイコ』(ポプラ社:2015年)
『ヤママユが紡ぐ緑の宝物〜里山のヤママユ』(小学館クリエイティブ:2017年)

今夏、新たに蛾のテーマを取り上げた写真絵本を刊行予定で作業を進めており、それで8冊目になる。

最初の『ヤママユガ観察事典』を出す以前から、児童書で扱われる「蛾」のテーマ本が少なく、あっても種類が偏っていることがずっと気に掛かっていた。ヤママユという野蚕を取り上げたことは一つの快挙だったと自分では思っているけれど、それは始まりに過ぎない。やはり地道な作業をずっと継続していくしかないと思う。
来年以降、さらに9冊目、10冊目までの計画は練っている。だけれど、実現できるかどうかはそのときまでわからない、と言葉を添えることが多くなった自分の年齢だ。
posted by やまかます at 20:14| しわざ

2023年01月30日

ミノムシ探し

都城市 早水公園

メジロ-1000826.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO
メジロ-1000936.jpg
       OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

サザンカの花で盛んに吸蜜していた、メジロのカップル。

オオミノガ-1307568.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

やっとのことで見つけたオオミノガの蓑には、穴が!! 
誰のしわざだろう? 
しかし、少し離れた場所で大きな蓑を発見。蓑のなかに幼虫が入っているかどうかは、枝に繋ぎ止めている糸束の厚みでほぼわかる。 風でプラプラ軽く揺れているようでは、中に幼虫は入っていない。 ガッツリ、枝に固着していることが、越冬幼虫入無事なり!のサインだ。どうやら、二つ目の蓑は大丈夫のようだ。

三股町

ヤママユまゆ-1307586.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

クヌギの梢に遠目でも白く目立っていた、ヤママユの繭殻。
繭上部にポッカリ開いた穴で、昨年の夏に無事羽化したことがわかる。近くに越冬卵がないか探ってみたけど見つからず。

カワラヒワ-1000153.jpg
       OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

エノキの高い枝に、チャミノガの蓑があった。その横で、カワラヒワのオスがしきりと囀っていた。

マエアカスカシノメイガ-1307591.jpg
       OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

選挙ポスター看板の一部が風で飛ばされ、薄暗い林内に転がっていた。これは何かいるな、とめくってみれば、いました。
ピッカピカのマエアカスカシノメイガ
撮影後、そっと元に戻しておいた。

三股町のとある公園ではイヌマキでオオミノガの蓑が8個見つかり、そのうち6個には幼虫が入っていた。
先日、別の場所では見つけた20数個がすべて寄生されて空っぽだったから、今日の発見は嬉しい。
しかし、少し残念なのは6個ともメスであったこと。オスを見つけたいので明日も公園巡りが続く。

同じメスではあるけど幼虫の大きさには個体差があって、大きさからすればオスくらいしかない小柄なメスもいた。
幼虫の大きさでは通常、メスのほうが大きい傾向があるけど例外は多く、したがって蓑の大きさ外見から雌雄の区別をつけるのはほぼ不可能だ。
posted by やまかます at 20:04| しわざ

2023年01月29日

消えたはやにえ、齧られたはやにえ

都城市
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熊野神社     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

近所の熊野神社の遠景。斜面には大きく削ったような痕跡がある。崩落防止のためだろうか。
おそらく森や林はだいぶ昔に伐採され、クスノキだけが神木として残されたのだろうか。

熊野神社-1062058.jpg
クスノキ    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

三股町

アオジ♂-1000026.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

耕作放棄されて数年経た草藪(西隣)で採餌していた、アオジのオス。
ここの草藪ではイノシシ3兄弟が駆け回ったりし、けもの道がくっきりといく筋も通っている。

はやにえ土イナゴ-1000019.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

このところの冷え込みで、はやにえ貯食に頼るようになったのかもしれない。相変わらず警戒心の強いモズのオスだ。
クリ林にあった、クビキリギスのはやにえは消失し、ツチイナゴは腹部が大きく齧りとられていた。

posted by やまかます at 17:35| しわざ

2023年01月09日

硬い硬〜い繭

三股町

イラガ繭-1095312.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

庭のサクラを何気なく見上げると白い輝きがまるで「おいで、おいで」をしている。よく見るとイラガの繭だった。
自宅フィールドでイラガ繭が見つかったのはこれが初めてかと思う。イラガセイボウの寄生産卵はなく、5月になっての羽化が楽しみだ。

イラガ繭-1095313.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

一個あるなら他にもと探したくなるのが、この繭の魅力たるところ。しかし、隣のケヤキやはたまた道路向こうのエノキまで探索範囲を広げてみたものの2個目は見つからず。
昨年11月に佐賀市でエノキの幹にベタベタと星の数ほど並んでいたのが思い起こされる。何で地元では稀なんだろうか?

ルリビタキ-1000366.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

自宅林のほぼ中央、臍にも当たる場所に、テイカカズラの蔓が絡んだアカメガシワがあり、そこに陽射しを浴びるルリビタキがいた。
近くでコゲラが警戒鳴きすると、ルリビタキもしきりと上空を見上げ、そしてしばらくフリーズ状態になった。
猛禽類が上空高くを舞っていたのかもしれない。

ルリビタキ-1000326.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO   

カワラヒワ-1000381.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

クヌギの樹冠で綺麗な囀りを聴かせてくれたのは、カワラヒワのオス。
すぐ隣にはメスがいた。
posted by やまかます at 19:29| しわざ

2023年01月05日

ハチさん、いらっしゃい!

三股町

竹筒アパート2-1054883.jpg
    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

数年振りに竹筒アパートを更新した。
ハチは使い古しの竹筒でも中を綺麗に掃除して再利用する。けれど中には割れたりしているものもあり、先のこともあるので更新しておくに越したことはない。
営巣済みも含む100本以上の旧竹筒はカゴに集めておいた。これで各種ハチ類成虫の羽化を待つ。

竹筒アパート1-1054891.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

新たに切り出した竹筒は長さを揃えてペットボトルに収めた。まだ青々としている。
数が多いので今回初めて電動丸ノコを使った。作業は速いが丸ノコを片手で支えるので右手首や肩が疲れる。卓上丸ノコかテーブルソーがあれば楽ちんだろうけど、竹筒を売って商売するでもない、そこまで道具を揃える必要はないだろう。

竹筒アパート3-1054889.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

竹筒の材は主にメダケ。片方の節を残して切り詰めるので(長さは15センチ前後)、端材がたくさんできる。竹輪作りでもしたくなるが、さてこの端材の使い途は何かあるだろうか。破砕機で細かいチップにすればカブトムシの飼育マットにはなる。かなりの量が要るけど。
写真の竹筒アパート設置場所以外にも2箇所へ設置するのと予備用に、メダケの伐採がさらに必要だ。

一方、ニホンホホビロコメツキモドキの産卵床用には同じメダケと他にホテイチクも使う。開放系の竹筒アパートと違うのは、節と節の間の完全密室部屋が幼虫の育児に必須なため、根本で伐採したら先端部を短く切り詰め枝葉を払った長竿を林縁に設置する。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U

竹筒アパートの隙間に潜り込んでいたフクラスズメ。竹筒を取り出したとき下に置いていた空瓶に落っこちた。

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      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

昨日見つけたトノサマバタはやにえのすぐ近く(7mほど)の同じくクリの小枝に、ツチイナゴはやにえが新たに見つかった。昨日か今日に立てられたようだ。
いかにも不安定な小枝の先で、よくも器用に獲物を突き立てることができるものだと感心するが、やはりその瞬間をなんとか見てみたいものだ。一度だけ、ミミズを突き立てるところを見たことがあるけど距離があり過ぎて撮影ならず。

はやにえツチイナゴ-1054908.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO FlashQ G20U
posted by やまかます at 18:17| しわざ

2023年01月04日

突き立てホヤホヤ

三股町

昨日の夕暮れ時、南の方角に大きな噴煙を上げる桜島のシルエットがくっきりとよく見えた。
街中に買い物に出かける途中でカメラも持っていなかった上、運転中だった。

今日も朝から大気がとても澄んでいて、遠く桜島も見えていたが、もちろん霧島山もくっきり。

霧島山-1000018.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO     

昨日の正午前ころ、以前から継続観察していたハヤニエの「クビキリギス」が消失していた。

このハヤニエは昨年12月11日に見つけた段階ではかなり新鮮な姿だった。それからほぼ3週間を経て日干し状態になっていたが、ついにモズが食べたようだ。現場を見たわけではないが、昨日のモズの動きからほぼ間違いないだろうと思う。

これまでに記録してたいくつかのハヤニエは、一番新しく立てられたハラビロカマキリ以外は全てここ1週間ほどのうちに消失した。

ところが同じオスの縄張りの中で、今日の午後、トノサマバッタが新たに立てられていた。

はやにえトノサマ-1044839.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO FlashQ G20U

つい今し方立てられたと思えるほど新鮮。生きているのかな?と近寄ってよく見ると、中胸がザックリと突き破れていた。これではたまったものではない。

はやにえトノサマ-1000021.jpg
        OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

さらに、少し移動して畦道での新顔はイナゴ類。
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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

モズ-1000030.jpg
       OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

写真のモズは隣のナワバリのオスで、比較的、人を警戒しない。
ところが上記トノサマバッタを立てたモズはうちの庭にも出入りしているオスだが、10メートル以上離れていてもこちらの姿を見るとすぐさま逃げてしまうほど神経質だ。

posted by やまかます at 19:59| しわざ