2018年10月08日

シロヘリカメムシ

先月末の台風24号の被害で倒れたのは、クヌギとアカメガシワの2本。

今朝はこの2本をチェンソーで解体しておいた。とくにクヌギは観察路を塞いでいたし、下敷きになったクワを救出する必要もあった。幸いクワの根っこは生きておりロープで支えておけば、いづれしっかり持ち直しそうだ。

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アカメガシワは柔らかいので簡単だが、クヌギは太い上に硬いから切断には時間が掛かった。
途中、チェンソーの給油時には刃研ぎも行う。けっこうくたびれるので、休憩を挟むことになってちょうどいい。
せっかくだから切断したクヌギは2ヶ月間寝かしてからシイタケのコマ打もする予定。
チェンソーは使用後、分解清掃して刃研ぎも済ませておく。

観察路脇に今年も、ノウタケが出ていた。しかも3個。
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ノウタケはいろいろ調理して食べられるが、キノコはもっぱら観察するだけ。様々な生きものが利用している様子を見ていると、これを横取りするようで食べる気がしなくなる。
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ジョロウグモの網にはコウモリガが掛かっていた。コウモリガはちょうど羽化のシーズン真っ最中。
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ネザサには、シロヘリカメムシ。産卵は5〜6月で、成虫で越冬する。
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posted by やまかます at 21:37| カメムシ

2018年10月03日

表と裏

午後5時半ころ。
アカメガシワの葉表、ちょうど目線の高さに、ハンミョウがいた。
やけにおとなしい。

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こちらはカラムシの葉裏、ちょうど腰の高さに、エサキモンキツノカメムシ

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三たび早水公園(都城市)に出向いて、ウチスズメ幼虫を探してみた。
棒杭にはコムラサキ幼虫が中齢2、終齢2の合計4頭がいて、
ウチスズメ幼虫は、初齢1、中齢1が植え込みの草上を歩いていた。
ヤナギから振り落とされた幼虫たちは、かなりの数であったようだ。
今回また出向いたのも、台風被害の後片付けのことが気になったからだ。
案の定、今朝から業者が入っていて、落ち枝などの除去作業が始まった。私が探索を終えたころになって、
ヤナギの周辺にもブロアー清掃が来て、次々と地面に落ちた枝や葉っぱが綺麗に収集されていた。
こうなると落ちた幼虫たちは完全にアウトだろう。




EOS-6D
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD+スピードライト270EX II
posted by やまかます at 20:03| カメムシ

2018年09月15日

旅立ち

アブラギリの実は熟れて落ちているものも多くなっていた。

オオキンカメムシの成虫はほとんどが分散したようで、雌雄の2頭しか見つからなかった。

こちらがメス。

オオキン_2538.jpg


オスはこちら。葉裏に隠れていた。
オオキン♂_Z5A9005.jpg


雌雄とも今夏に羽化した新成虫。
このあと移動しながら、やがては越冬地に落ち着く。

今月、28日まで開催中の三股駅『Mうぃんぐ』での写真展。
順路は足下のアリさんが教えてくれます。

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posted by やまかます at 21:38| カメムシ

2018年08月07日

アブラギリとオオキンカメムシ

三股町の長田峡を奥に進んでトンネルを抜けると、そこから日南市の山間。

今朝は、アブラギリにつくオオキンカメムシの様子を見てきた。

アブラギリ_Z5A7688.jpg
アブラギリの実を丁寧に見ていくと、オオキンカメムシの3齢と4齢幼虫がいたが、終齢は見つからなかった。
メス成虫も1頭いた。

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アブラギリのすぐ近くのミズキには、
白いロウ物質を纏ったアゲハモドキ幼虫が多数ついていた。

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鰐塚山山頂へと続く板谷林道では、モンキツノカメムシ
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エサキモンキツノカメムシとは、背中のハートマークだけでなく、全体の印象もかなり違う。

渓流沿いで、テバコモジガサかな?と思ったのだが、葉っぱの切れ込みが浅い。
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まだ蕾ばかりで、開花は一つも見られなかった。
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葉の特徴からすると、モミジコウモリ(Parasenecio kiushiana Makino、キク科コウモリソウ属)かもしれない。
宮崎、熊本、鹿児島の3県にのみ見られるそうだ。
開花を待って出直してみよう。


EOS-6D,EOS-5DMark3 シグマ50mmマクロ、EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM、
EF100mm F2.8Lマクロ IS USM+スピードライト430EX III-RT、270EX II
posted by やまかます at 20:32| カメムシ

2018年08月05日

エサキモンキツノカメムシ

一昨日、ミズキに多数群れていたツノカメムシ幼虫の正体を確認すべく、
朝、早めにホテルを出て竹尾緑地に行ってみた。
クマゼミ大合唱のなか、ミズキのある高台へと登る。

さて、ミズキの枝をそっと引き寄せてみると、、、、、

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すでに羽化しているものが多く、幼虫と成虫が並んでいた。
一昨日の光景とは一変していたのである。
エサキモンキツノカメムシであることは、もう疑う余地がない。


隣のミズキでは、3齢と4齢の幼虫集団があらたに見つかった。
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オオマツヨイグサにはカミナリハムシ類の食痕が夥しく、一昨日にはルリクチブトカメムシ幼虫を1頭だけだが見つけた。
今朝はしかし、幼虫はまったく見当たらず、ハムシ類幼虫を吸血するルリクチブトカメムシ成虫が2頭いた。
ハムシ類幼虫もほとんどは地下に潜り込んだあとのようで、吸血されている以外では見つからなかった。
訪れるタイミングとしては、1週間ほど遅過ぎたということだろう。
私としては、終齢幼虫を撮影しておきたかったのである。

ルリクチブトカメムシはわが家の庭でも見つかることがあるが、年に一回程度とかなり稀。
広く草地環境に棲むカメムシではあるが、たくさんいるポイントに遭遇する機会は少ない。

かなり昔、頻繁に通っていた所沢市の下新井の荒れ地ではオオマツヨイグサにハムシ類が発生していて、ルリクチブトカメムシも結構な数を観察できた。1998年頃のこと。
けれどその場所はその後、巨大なゴミ焼却場となって、植物も虫もすべて消滅してしまった。

それと、そもそもオオマツヨイグサにも滅多に出会えない。
かつて(2012年)オオマツヨイグサの群落を見つけ、驚喜して撮影したのは愛媛県松山市の星ノ岡だったが、
今も健在だろうか?


福津市立図書館での講演は午前10時15分〜、1時間ほどのお話。お話しのあと子ども達が次々と質問をしてくれた。
posted by やまかます at 21:24| カメムシ

2018年08月04日

竹尾緑地〜福津市

福岡県、福津市にある竹尾緑地で昆虫観察会を開催した。
主催は環境ネットワーク『虹』

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竹尾緑地は、シイ・カシ類が優占する照葉樹林の森を中心に、ガマが生える湿地、小川、草原という自然環境が保全されている。

朝、宿泊しているホテルの玄関前で拾った、ベーツヒラタカミキリ♂。
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参加者の皆さんに見てもらってから森に返した。

ジョロウグモの網糸についていた、チャバネアオカメムシの卵

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糸に引っかかったメスが、苦し紛れにか産卵したものだろう。
以前、清瀬市の中里緑地保全地域の林で同じシーンを見ている。そのときはメス成虫も掛かっていた。
こちらは、クワの葉に産んであった卵塊。

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昨日の下見ではヒグラシがかなり多く、セミヤドリガ幼虫を背負ったものや、幹に紡がれた繭も見つかった。
ミズキの実では多数のツノカメムシ類の幼虫がついていたが、おそらくエサキモンキツノカメムシかと思う。
だとすると、2化としてはかなり早い発生だ。まさか別種?もう一度、明日の帰り際に確認してみよう。
マツヨイグサにはルリクチブトカメムシの幼虫がいて、別の場所の草むらで成虫も見つけた。


明日は、福津市立図書館で講演。

OLYMPUS TG-4 、 EOS-6D シグマ50mmマクロ+ストロボ270EXU


posted by やまかます at 17:50| カメムシ

2018年07月27日

ホオズキカメムシ

家庭菜園のピーマンに、ホオズキカメムシの群れが。
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幼虫は白い粉をふいたような姿だが、よく見ると体一面に白い毛が生えているのがわかる。
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これを退治するのは簡単。
右の手のひらを受け皿にして、左手でピーマンの茎をポンポンと叩くだけ。
ホオズキカメムシは慌てて受け皿に落ちるから、溜まったところでギュッと潰さない程度に握りしめる。
そして、菜園から離れた草むらに投げ捨てる。
幼虫は飛べないから、ピーマンに生還するのは難しい、と思う。

ま、イタチごっこではあるが、やらないよりまし。

ヤマアジサイの葉上を忙しく歩いていたのは、クロマドボタルの幼虫だろうか?
しきりと水滴を舐めていた。

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posted by やまかます at 21:47| カメムシ

2018年07月24日

ススキが好き好き!

鹿児島県曽於市。

先月、花の終わり頃に見つけたツチアケビ
自分の目と足で、初めて出会えただけあって嬉しかった。
誰かに蹴飛ばされていないか心配だったが、赤い実が無事に育っていた。

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この場所は道のすぐ傍なのだが、樹木の陰になってすぐには見つからないのが幸いしたのだろう。

ツチアケビの隣には、綺麗なキノコ。
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今朝の目的は、ベニツチカメムシの観察だったが、羽化ピークも終盤、残っている5齢幼虫はわずかで、集団のほとんどが成虫となっていた。例年よりか少し早い。

仕事部屋を出てすぐのススキ。
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しきりとススキの汁を吸うアカハネナガウンカ。もしかして、あそこか?産卵場所。

お尻を上げているのは、何で?暑いから?
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写真のエビイロカメムシ幼虫は日陰だけど、日向でガンガンに日射しを浴びている幼虫もいた。

EOS-6D EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM 、 
タムロン SP 90mm F2.8 Di MACRO VC USD、スピードライト270EX II
posted by やまかます at 19:38| カメムシ

2018年07月18日

代々木公園のカメムシ

本日も代々木公園。

コブシを見上げると、ミナミトゲヘリカメムシが多数いた。

ミナミトゲヘリ_6026.JPG
交尾カップルもいて、ここで繁殖しているのだと思う。
そこで、卵や幼虫がいないか探してみたところ、
アカスジキンカメムシの卵があった。

アカスジ_6030.JPG

ふ化した卵もあるし、色づき具合にもバラツキがある。大丈夫かな?

今日で都心での撮影、観察は完了。予想していた以上の成果があった。

posted by やまかます at 18:30| カメムシ

2018年06月25日

ヨガ体操

ホイホイ見つかる、クロヒカゲの幼虫。ほとんどが終齢である。

仕事部屋のすぐ外でも、4頭を継続観察中だったが、そのうち1頭が昨日、蛹化場所を求めて姿を消した。
で、今晩のこと蛹を1頭発見。この蛹は姿を消した1頭とは別個体であろう。
仕事部屋の扉を開けるとすぐ目の前に幼虫が見えるので、時間の空いたときにはまめに覗いている。


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大きく体を反らした姿勢を、10数分間以上、保持していた。このままでじっとしているだけ。
なんだこりゃ?
休憩を挟んでこのヨガ体操のようなことを、数回行っていた。
一体この運動?どんな意味合いがあるのだろう。4頭が皆やる訳ではなく、写真の1頭だけ。


クロヒカゲ幼虫を見ているすぐ隣には、ミナミマエグロハネナガウンカ
本種の幼虫は朽ち木に生えるキノコを餌にして育つようだ。したがって羽化場所は朽ち木で、いつも成虫を見かける場所とはまったくかけ離れている。

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ミナミマエグロ_8468-1.jpg

しかし、なんでいつもこう翅をV字型に立てているのだろう?
風が強いときには難儀するだろうに。
羽化直後は折り畳んでいるが、成虫になってからも畳むことができるのだろうか?
翅を畳んでいる様子は一度も見たことが無い。


今日の夕方、キノカワガの幼虫が繭作りを始めた。カキの葉裏にボート型の繭を紡ぐ。
posted by やまかます at 21:18| カメムシ

2018年06月24日

キケロ星人

家庭菜園の胡瓜に、ノコギリカメムシがいた。
胡瓜はノコギリカメムシのホストの一つで、ここで産卵し繁殖することもある。

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ノコギリカメムシを見るたびに想い出すのが、特撮TV「キャプテンウルトラ」のキケロ星人。
危険を察知すると首をすっこめて、岩に変身できるのがキケロ星人の得意技であった。


「キャプテンウルトラ」のテーマソングのソノシートが漫画本の付録だったと思うが、繰り返し聴いては歌っていた。このテーマソングは一番だけだが、「タイガーマスク」の主題歌とともに、今でもしっかり憶えている。

posted by やまかます at 20:41| カメムシ

2018年05月30日

兄弟

延岡から帰宅する途中、毎年、訪れている青井岳のポイントに立ち寄ってみた。
クワの実はどれも小粒で、食欲をそそるものでもない。これはヤマグワ?

クワとヤマグワの区別はなかなか難しい。
クワ_7443.JPG

例年通り、たくさんのヒメツノカメムシが育っていた。
ヒメツノカメ_7441.JPG
まだ3齢幼虫の集団も残っていたが、ほとんどが終齢。羽化はちょうど序盤といったところか。
新成虫の小さな集団も二つほど見つかった。


この場所から谷の向こう側に聳える常緑樹林は花期も終えて梅雨らしいしっとりとした雰囲気。
樹林_7453.JPG

寄り道をしながら三股町に戻ってみれば、にわかに晴れ間が出て来た。
延岡でも朝のうち小雨があった程度で、ずっと曇りだった。
出発前から雨を覚悟していたが拍子抜けするほど、雨に降られなかった。いや降っている時間帯もあったのだが、ことごとく活動停止中に重なったのは幸いだった。

うちの林に降りてみれば、クヌギの梢にベニオビヒゲナガ♀がいた。今季はこれで3度目の遭遇。(10日の前記事に登場したのはオス)
ベニオビヒゲナガA7532.JPG
たいへん神経質で少しでも危険を察知すると、プイッと姿を消してしまう。

本種はこうして葉裏に静止していることが多く、梢を見上げるようにして歩いていると黒い小さなシルエットが見つかる。
逆光になるのと暗いので肉眼では決して紅色の帯は見えないが、シルエットで本種とすぐにわかるようになる。


ハグロトンボ♀A7560.JPG
ハグロトンボを初めて見たのは小学1年生の頃だったと記憶している。
松山市内のまん中を流れる石手川の川縁だった。
当時は護岸もされておらず、岸辺は鬱蒼とした薮で川縁に降りる場所を探すのもやっと。日中でも薄暗くて不気味だった。
私は昆虫少年でもなかったが、ハグロトンボの幽玄な姿に衝撃を受け、見とれてしまったことだけはよく憶えている。ハグロトンボという和名を知ったのはずっと後のことだった。

posted by やまかます at 07:10| カメムシ

2018年05月08日

ぬけがらの輝き

先月はじめ、次々と羽化したニシキキンカメムシ。
5齢幼虫から成虫になった直後のぬけがらは、こちら
左矢印2
ニシキキン羽化直後殻A6326.JPG
すぐのぬけがらは羽化前の色彩輝きを保っていたが、
腹部背面中央にある朱色だけは、数時間後にはどの個体でも消えていった。


そしてほほ一ヶ月後の今日のぬけがら左矢印2
ニシキキン脱皮殻_Z5A6543.jpg
ライティングの違いや個体差もあるが、かなり色彩輝きを維持している。
posted by やまかます at 18:59| カメムシ