2019年12月23日

抜け殻

霧の濃い朝。
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ジョロウグモの姿もまだあちこちに残っている。

自宅林では一番大きいクヌギも、昨日の風雨のためすっかり葉を落としていた(写真画面右)。
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仕事部屋のすぐ外にあるヒメユズリハの梢で、リンゴドクガの繭を見つけた。
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葉を二枚重ねた隙間で営繭していたが、本種の繭は二重構造。
繭壁は薄いため、このデリケートな繭を摘むときは慎重になる。

懐中電灯で照らして中を透かして見れば、蛹のシルエットを確認できた。

そして、ヒメユズリハの葉裏ではもう一つ、ミミズク幼虫の脱皮殻も見つかった。
こんなすぐ傍にあって今まで気付かなかったことが悔やまれる。
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で、これは明らかに、4齢幼虫の抜け殻であった。
先日、14日に載せた幼虫殻は、当初4齢としていたがこれは間違いで、3齢と訂正した。
抜け殻を並べて比較してみれば、大きさ、紋様の違いが如実であった。

5齢幼虫がいるか!?と近辺を探し回ったけれど、ついに見つからなかった。
探索中にハイイロリンガの空繭が見つかったのは、ちょっと意外だった。
食樹ヌルデの隣にあるネズミモチの葉裏にあった。

長靴の踵に亀裂ができて、2年ぶりに買い替えた。
長靴は自宅用に2足、出先用に一足、と使い分けているので一年以上は保つ。
今回、亀裂ができてオシャカとなったのは、自宅用の一足。
膝まである長めのものを選ぶが、価格は2000円以内と決めている。
車に積んである出先用のは、ちょい高めで3,000円代。ウェットスーツ素材で軽くて小さく丸めることが出来る。


posted by やまかます at 20:52| カメムシ

2019年12月22日

チョコバナナ!

今日はテレビ宮崎UMKの番組収録があった。
生憎の雨だったが、収録内容は室内の仕事場の様子や写真パネル、出版本を見ながらのお喋りだった。

ちょうどオオトビサシガメが室内にいたので、ニオイを嗅いでもらった。
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女性アナウンサーの方は、恐る恐る容器を鼻に近づけていたが

「あ!チョコバナナの香り!」

リアクショっは一転して、感激したご様子。

ディレクターの方は「腐ったバナナ」とか、「あんまし匂わない」とか個人差もあった。
私の鼻では、「典型的なバナナの良い香り」だったけど。
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番組は毎週土曜日正午〜の『土曜なのに、金ぶら』で、
放映予定は来年1月。

posted by やまかます at 19:52| カメムシ

2019年12月19日

ゼリー

先日、自宅林のクヌギ樹幹でクヌギカメムシの卵塊を見つけた。

卵を覆うゼリー状物質から、卵から3本づつ突き出ている呼吸突起がよくわかる。
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クヌギ朽ち木に様々なキノコが生えていて、そのキノコを食べているアカハバビロオオキノコムシ
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アカハバビロオオキノコムシと同じ倍率で撮影した、ユミアシゴミムシダマシ
でっかい!
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ヒイロタケ、傘の裏側に並んだ、管孔。

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posted by やまかます at 20:49| カメムシ

2019年12月16日

コナラのまだ残っている緑葉をうらがえしてみれば、体長3ミリほどのヨコバイの一種が次々と見つかった。
種名まではわからない。
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こんな小さな昆虫の撮影では、片手でカメラを構え、もう一方の片手で被写体のいる葉っぱを固定する必要がある。そうなるとカメラはできるだけ軽ければ軽いほどいい。

上写真は、E-M5 Mark2にズイコーマクロ38mmレンズと接写リングAUTO25を使用している。ストロボもFL-300Rという超小型で前傾するタイプ。発光部にディフュザーを被せれば、光もきれいに回る。

ただし、日陰など暗い場所では懐中電灯で照らさないと、フォーカス合わせが難しい。開放値ではなく絞り込み撮影になり、さらに露出倍数も高くなるためだ。それでもミラーレスカメラでは、日中光下であれば実絞り撮影ができるのだからこれは実に有難い。
前にも書いたが高倍率撮影ではミラーレスカメラを使う方が楽。


庭のキンカンの枝に、クロアゲハの蛹がついていた。
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茶色に変色していることから、すでに死んでいることがわかる。

いっぱい集めたイチイガシのドングリ。
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さて、これからが仕事です。

午後9時20分。今夜は久しぶりに、タイワンクツワムシが庭で鳴いている。
posted by やまかます at 21:23| カメムシ

2019年12月14日

温もりに誘われて

自宅林の観察路を歩いていると、目の前に飛び出した、タテハモドキ
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人の気配に敏感だが、それでもゆっくりゆっくり体を沈めるように(そう、熱い湯船に浸かる時のように)、
近寄れば大丈夫。 望遠レンズは必要ないよ。

暖まり過ぎたかな?  翅を閉じた。
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室温は20度を超え、湿度は45%。まさにポカポカ陽気だ。

池の辺りにあるイチイガシの梢を見上げてみれば、気になるシルエットがすぐに目に入った。
晴れているとこんなにも葉裏が明るく見易いのか、と改めて思う。
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最初はミミズクの3齢幼虫かと思った。しかし、撮影画像を拡大してみて様子が変だった。

「アレ?なんだ、抜け殻か」 体長は10ミリ。

という事は、4齢幼虫がどこかに潜んでいるはずだ。

抜け殻は口針を葉に差し込んで体を固定しているので、少々のことでは落っこちない。

イチイガシのドングリを拾い集めていたら、草むらに、アカギカメムシがいた。
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どこに潜んでいたのだろう?
この場所は集団がいたアカメガシワから10メートルと離れていない。
やはりどこか近場に潜んでいるのだろうか?
というか、越冬できるのかな?

クヌギの根元でクヌギカメムシ♀の首なし死骸がジリジリと動いていた。
アリ達も元気に仕事に励んでいた。
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あ、足場を失ってぶら下がっている。
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と、いうことは、
自宅林でも久々にクヌギカメムシが産卵しているのかもしれない。
気になって少し見て回ったがオスの姿も、卵塊も全く見当たらなかった。

ベニシジミ
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コバネイナゴ
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posted by やまかます at 19:23| カメムシ

2019年12月08日

これから本番?クヌギカメムシ

朝一番、窓の外は真っ白だった。
今冬、一番の冷え込みだったようで、室温は4度、屋外は零下だった。
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イチイガシのサツマヒメカマキリ幼虫は、昨日と同じ場所にいたが(午前10時48分)、
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日射しが入る頃には葉表に移動していた。
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これが最後の見納めとなり、夕方覗いた時には見つけることができなかった。
別の梢と移動したかもしれないし、あるいはイチイガシから離れたかもしれない。

都城市、神柱公園では、クヌギカメムシの交尾カップルが4組以上いて、徘徊するオスの姿も多かった。
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交尾カップルでは、いづれかが死んでいることもあった。さすがに見かねてそっと引き離してやった。
そして拾い集めた死骸がこちら。
下写真の左隅2頭がメス。オスは全体に色鮮やかで特に脚がオレンジ色。

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メスの姿が多いのに卵塊の数は数個しかなく、どうやら産卵ピークはこれからではないか、と思えた。
もっとも高所で産卵していることも考えられるが。


神柱神社境内のユズでは、ナガサキアゲハ幼虫が食事中だった
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posted by やまかます at 21:09| カメムシ

2019年12月03日

都城市のクヌギカメムシ

午前9時、うちの林のムラサキツバメ越冬集団を見に行く途中、足下にアカタテハが佇んでいた。
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うん?
こんな翅を拡げたままで、こんな場所で、一夜を過ごしたとは考え難い。

そっと触れてみるも全く反応が無い。やはり死んでいるようだった。
その後、昼過ぎにもまだこのままの姿勢だった。
なぜ翅を開いたままで死んでいたのだろう?

そう言えば、アカメガシワのアカギカメムシ集団はすっかり消滅していた。
どこへ行ったのだろう。

都城市中心部にある、神柱公園で、クヌギカメムシの様子を見ておいた。
クヌギ大木の幹表面をトコトコと歩く、オスの姿がちらほら。
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交尾カップルも1組だがいた。根本周辺には死骸も結構あった。

そして産卵中のメスも4頭ほど確認できた。かなり高所でも産んでいるようだ。
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午後3時過ぎ、仕事部屋の西向きの窓がガタガタと立て続けに3回、音を立てて揺れた。
桜島の噴火による、空振だ。

窓から外を覗くと、遠くに桜島から立ち昇る噴煙が見えた。

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posted by やまかます at 20:34| カメムシ

2019年11月17日

旅立ち

アカメガシワに群れていたアカギカメムシは、日に日に数が減っている。
今日は気温も高かったせいで、集団から離れていく個体が多かった。

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集団から離れて上へと登ると、あしを踏ん張ってから排泄するものがいて、カメムシでは飛ぶ前によくこれを行う。
残念ながら飛び立っていく瞬間は一度も見ていないが、今日も明らかに個体数が減っていた。

集団から離れて、さていったい今度はどこに落ち着くのだろうか。
その際、また集合するのだろうか。

花に来ている蝶の姿が多く、ツマグロヒョウモンのメスたちは地面で盛んに産卵していた。

キタテハ
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タテハモドキ
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キタキチョウ

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(撮影機材:EOS-80D EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM スピードライト430EX III-RT )
posted by やまかます at 21:09| カメムシ

2019年11月06日

アカギカメムシ、集う

所用で街中に出たついでに、先日見つけたゴボウの花茎を見に行ってみた。
ゴボウの花はずっと昔に見たことがあるが、この機会にしっかりと見ておきたかった。
ところが、、、、

なんとちょうど収穫作業が終わるところで、ゴボウ畑は一面、黒土だけ。
トラックの荷台にはゴボウの束が山積みになっていた。
あと1日早く行っておけば、と悔やまれた。帰りがてら遠回りをして他のゴボウ畑がないか探してみたが、
まあこういう時に限って、見つかるものではない。

帰宅後、林に降りてみた。
林の観察路を下りながら何となく予感がしたのは、嘘でも誇張でも無い。

ふと、アカメガシワを見上げれば、葉裏に一頭のアカギカメムシがいた。
「このアカメガシワは、かつてアカギカメムシが繁殖したことがある一本。
もしかして他にもいる? 今年も繁殖した?」

梢を舐めるように見ていくと、団子状態になった集団がいた。これが一番数が多い集団。
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この集団では少なくとも4カップルが交尾している。

こちらでは、3組の交尾ペア。
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規模は様々だが、同じアカメガシワに数組の集団が見つかった。

アカメガシワの隣にあるイヌビワにもカップルがいた。
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左下がオスで、見つけた時は、メスにマウントして求愛していた。

自宅林内で過去に繁殖が確認できたアカメガシワの雌株は3本。
気になったので他の2本も含めて、全部のアカメガシワを見て回ったが新たな集団は見つからなかった。

さて、このあと寒さが増し、落葉する前には越冬場所へと移動することだろう。
どこに移動するのかそれが知りたい。

posted by やまかます at 20:35| カメムシ

2019年10月19日

見落とし、すれ違い

朝から蒸し暑く、季節が逆戻りしたような日射しに思わず居間のカーテンを閉めた。
けれどさすがに、もうアブラゼミは鳴かない。

林に降りてふと地面を見れば、セミヤドリガの繭が白く際立っていた。
羽化殻が飛び出しているから、無事に羽化したようだ。
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シンジュサン幼虫たちがついているニガキの根元には、クヌギカメムシがいた。
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春の羽化時期と晩秋の産卵期、以外ではあまりお目にかからない本種だが、
長い夏をどこでどうやって過ごしているのだろうか?とはずっと疑問の一つだ。

林を下りきって谷津田に出たところで、アカギカメムシがいた。
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うちの林で繁殖したものか?それとも移動途中で立ち寄っただけだろうか?

オオカマキリハゼノキ
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ジョロウグモ
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posted by やまかます at 20:47| カメムシ

2019年10月05日

赤いタンコブ

「コン、コン、コン〜」

夕方になって、杭を打ち込む音が、下の谷津田から聴こえた。三日前のこと。

「なんだろう?」

と、しばらくして、あたり中に響き渡るラジオの音。

「え?なんで」

「夜通し、これって、勘弁してよ〜!」とつぶやいてすぐ、
理由がわかった。

「ああ、イノシシ対策だね。前はよく吠える犬をつないでいたこともあったけど、
今年はラジオになったわけだ。」

今は稲刈りの最盛期。

夜、仕事部屋の外灯にミミズクが来ていた。見たいときに見れる虫でもない。
これは有り難い。


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赤いダニは多分、有難くないのでは?
ミミズク♀-2193.jpg


色々な図鑑や専門書には、「ミミズクは成虫越冬」と記載してあるものが散見される。
しかし実際、冬に見つかるのは、4齢幼虫ばかり。
産卵は飼育下ではあるけれど、6月だった。
普通種とは言え、生活史の仔細は謎が多く、そこにも惹かれるものがある。

posted by やまかます at 22:35| カメムシ

2019年10月02日

窓のカメムシ

昨日は寝室の網戸に。
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今日は仕事部屋の簾に。
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一日中、ぼおーっと、している。キマダラカメムシ
朝から断続的に雨が降り続けて、気温は少々低め。の、せいかな?

今では関東圏まで、すっかりお馴染みのカメムシになってしまったが、
私が初めて出会ったのは14年前の、2005年7月24日。
場所は熊本県大津町、街中の街路樹だった。

ダイコクコガネの撮影で、東京から阿蘇山に通っていた頃だ。
住むなら九州かな、と少しづつ気持ちが動き始めた頃だったと思う。
当時、九州内ではすでに分布を広げていたらしい。それを知らなかったので、かなり衝撃的だった。
いつかは長崎に、長崎の出島に行かねばと、憧れていたカメムシ。

先日、延岡の愛宕山で。
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ギンツバメ科の、ハガタフタオ
posted by やまかます at 21:05| カメムシ

2019年09月17日

ホソヘリカメムシ

ナツフジの豆果には、ホソヘリカメムシが多数集まっている。
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交尾カップルも少なくない。画面上の体が大きい方が、メス。

そのホソヘリカメムシだが、
先週、犬の餌入れに集まっていた。
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こうして見ると、でっかいアリンコのようだが、アリンコではない。
アメンボのようでもあるが、アメンボ、でもない。

普段はドッグフードだが、この日は目玉焼きの皿にこびりついた黄身を少々混ぜていて(サービス)、
その舐め残りがわずかに見える。熱心に吸っているのは、まさにその場所だ。
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アリは毎日、ドッグフードにすぐたかって来るけれど、この日はアリも黄身の成分に惹かれたようだ。

ちなみに、夏場は食欲が低調なのだろう、犬のチョロはすぐに餌を食べず、あっという間にアリがたかって真っ黒になる。
けれどしばらくすると、そのドッグフードをペロリと食べきっている。アリをどうやって排除しているのか?それとも一緒に食べているのか?その現場を見届けるチャンスがなかなか巡ってこない。

さて、今日は午前中、JR三股駅のギャラリーで、写真展の設営作業を行なった。
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点数は38点で、プリントサイズはA1とA0。大サイズにこだわった。

会場にいる予定は、23日の昼前後と、27日最終日午後4時〜。撤収開始は午後5時頃。

28日の午前中、去年と同じく町内で講演と観察会のダブル開催がある。
講演会場は、三股町役場のすぐそばにある「情報交流センター〜あつまい」2F。午前10時〜。
観察会場所は「みまたエコフィールド」で、講演後バスにて移動。終了は正午です。

それはともかく、気持ちが良いくらい、駅前のロータリーも街中も、人の姿が一人として見当たらない。
静かだ。
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駅を降りたお二方と青年がお一人。午後4時まで会場にいて、来場者は3名だった。
新聞の取材は3社。記者の方を加えれば、6名になる。
posted by やまかます at 21:47| カメムシ

2019年09月16日

アブラムシ、壊滅

先週、9日に見たススキのカンシャワタムシ、コロニーだが。

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全部では無いにしろ、3箇所ほどのコロニーが壊滅していた。
おそらく、ハキオビヒラタアブ幼虫に暴食されたのだろう。
こういうシーンは過去にも何度も見てきた。
ベットリとついた黒い固まりは、ヒラタアブ幼虫の排泄物だ。

アブラムシが姿を消したススキ葉裏を見ていくと。ゴイシシジミの卵や孵化殻も数個残っていた。
もちろん、アブラムシがいなくなったその場所で、ゴイシシジミは餓死するしかない。
他の生存しているアブラムシコロニーへ何とか辿り着ければ別だが。

しつこく探していると、ゴイシシジミの幼虫が1頭だけ見つかった。
手を切らないよう、ススキの葉をそっとめくるのも厄介ではある。こういう時は手袋があればいい。

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アリが何度もやって来るが、ゴイシ幼虫には全く無関心のようだ。

庭のチガヤには、ツマグロスケバがいた。お腹がパンパン。
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道路を挟んで向かいにあるクリの木から、栗の実がこぼれ落ちている。
路面に落ちたものは車に轢かれて無残にも潰れてしまう。ので、
そうなる前に救出している。とか言って、栗ご飯を楽しみにしているわけ。

草地に落ちたイガに、キノコが生えていた。
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栗のキノコ-1697.jpg



夕方、1時間半ほど、庭の草刈り作業をした。
丸刃のチップが飛んで切れ味悪いけど、節約のためギリギリまで使い切る。
その分、体力もガソリンも余分に消耗するので、果たして節約になるの?とあとで疑問に思った。
posted by やまかます at 20:35| カメムシ

2019年09月09日

カンシャワタムシとゴイシシジミ

ススキの葉裏に白い粉を吹いたようなアブラムシが数え切れないほど群れている。

カンシャワタムシの、コロニーだ。

さて、そこでさっそく探しものは見つかった。

ゴイシシジミの卵である。写真画面中央上部にある、円柱形の物体だ。薬の錠剤にも似ている。

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葉っぱや花を食べて育つイモムシのイメージとはかけ離れた、
完全肉食のチョウである、ゴイシシジミ。

卵を取り巻く無数のアブラムシたちが食料源だ。

普通種でありながら、居場所や出現時期にはたいへんムラがあり、
いざ探すとなるとなかなか出会えない、そういう側面もある。ちょい不思議なシジミチョウなのだ。

いる時期に、いる場所に立てば、なんだこんな所にもいるじゃないか、と気抜けするようなチョウでもある。

2個目に見つけた卵には、カンシャワタムシの1齢幼虫がくらいついていた。
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これは、自分たちコロニーの天敵であるゴイシシジミの卵を、猛威をふるう前に排除、あるいは潰しておこう、という防衛行動なのである。

ただこの行為は虚しく、成果は上がらないけれど。

だいぶ昔のことだが、拙著『珍虫の愛虫記』(1999、北宋社)に「ゴイシシジミと兵隊アブラムシ」というエッセイを書いたことがある。

posted by やまかます at 21:38| カメムシ

2019年09月08日

集団生活

サトキマダラヒカゲの1齢幼虫たち。
食事は必ずササの葉先からと決まっている。

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食べた葉の緑色が体全体に透けて見える。
兄弟はこうして集団で過ごしているが、3齢後半頃から次第に分散し、単独生活に移行する。

幼虫生育期間は1ヶ月以上かかるので、蛹化するのは10月に入ってから、ということになり、
蛹は休眠してそのまま越冬するようだが、一部は幼虫越冬の可能性もあるそうだ。

キササゲで育っている、クサギカメムシ
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脱皮直後の4齢幼虫。
この派手な姿は脱皮直後のわずかな時間でしかない。

いつもの「ねぐら通り」ではミヤマカラスアゲハの♀。
ミヤマカラス♀-0558.jpg


うちの林のカラスザンショウで一番大木の幹で、モンキアゲハ終齢幼虫が目線ほどの高さにいた。
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蛹化場所を求めて、高所の梢から降りて来たのだろう。

過去にもこのカラスザンショウの根元付近で、モンキアゲハやミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハの蛹が見つかっている。
この幼虫がこれから蛹化すれば、年内に羽化するか、あるいは越冬蛹になるだろうか。
モンキアゲハ蛹が休眠、非休眠のどちらになるかは不整であるようだが、
こうして長旅に出ている姿から、越冬蛹になるような気もする。


posted by やまかます at 20:58| カメムシ

2019年08月31日

カメムシの集まる木、キササゲ

道路を挟んだ向かい側で大きく成長した、キササゲ
今の時期は、ひょろ長い果実がホウキのごとくぶら下がっている。

そろそろ賑わっている頃かな。午後になって雨も止んだので覗いてみた。
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写真はクサギカメムシの3齢幼虫。
クサギカメムシとチャバネアオカメムシの幼虫が多数、散らばっていた。
新成虫もそこそこいる。
キササゲの梢は、まるで、カメムシの楽園になったようだ。
キササゲの果実は、カメムシ幼虫たちにとって大事な栄養源。
こんな美味しいご馳走を見落とすわけがない。

チャバネアオカメムシの4齢と5齢(画面左)。
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こちらはチャバネアオカメムシの卵塊。
チャバネアオカメムシ卵-7302.jpg


卵上部を取り巻く、まるでミルククラウンのようなそれは、受精孔突起(micropylar projection)。

昨日、見つけたオオトリノフンダマシの卵のう。今日になって、もう一個増えていた。
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産卵から卵のうが完成するまでを一度は見てみたいものだ。夜だね。

イシガケチョウの終齢幼虫。
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アカメガシワの葉裏には、ツマグロオオヨコバイクサヒバリ♂が仲良く並んでいた。
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posted by やまかます at 20:24| カメムシ

2019年08月27日

右、左、右、左、右、、、、、

クワの葉にいたツマグロオオヨコバイの幼虫が、脚を踏ん張ったまま、
体を右に左に、と揺すぶる。
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ツマグロオオヨコバイはちょうど今頃が羽化の時期だ。年1化。
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羽化の撮影をしたのは15年も昔のこと。
羽化時刻は早朝4時〜6時が多かったが、そう思って油断していると夕方頃に羽化した個体もあった。
打ち合わせの仕事で都内に出掛け、まさか羽化してはないだろうと。
ところが帰宅して見ればすでに羽化済み。
連日早朝待機の疲れが溜まっている体が、さらにいきなりズンと重く感じたのも懐かしい。

夕方の犬の散歩から戻る途中、ススキで卵のうを抱えた♀クモがいた。
はて?初めて見るクモだ。
普段よく見かけるササグモに似ているが、
このクモはシマササグモ
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南方系のクモで、九州でも南部に多いそうだ。

道の反対側には、ナガコガネグモの小柄なオスがいた。
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網は粗末で足場程度。そう言えば、オスが獲物を捕らえている場面を見たことがない。

posted by やまかます at 21:14| カメムシ

2019年08月26日

四国カメムシ

一週間ぶりに帰宅してみれば、ヤママユのメスが羽化していた。
昨夜辺り羽化したようだ。山吹色。

さて、四国昆虫巡りで出会ったカメムシ目はと言えば。

石鎚山、瓶ヶ森林道のアカフハネナガウンカ。22日。
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本種は山地性で、シラキの葉裏で見つかるそうだが、写真はササの葉の裏にいた。
よく見れば、赤い口吻が葉脈に突き立てられており、おそらく吸汁していたのだろう。
ヒメキマダラヒカゲの卵塊でもないかとササの葉をめくっていたのが幸いした。
この後、I子さんが産卵行動を目撃、撮影したらしい。
けれど改めてその場所を案内してもらったが、本人にすらわからなくなった。
一旦移動してしまうと、さっきまで見ていたはずのポイントを見失う、ということはよくある。

高知県南国市のニシキキンカメムシ幼虫。24日。
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この時期は4、5齢がホストのツゲから分散し始めたところで、集団形成は弱い。
10月以降だと樹上での集団密度が高くなり、やがて厳冬期に入ると地面の落葉下に潜り込む。

愛媛県、皿ヶ嶺、風穴のトホシカメムシ幼虫。25日。

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ナナカマドに幼虫が多く、みな5齢だった。
成虫も一頭だけいた。
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2年前、埼玉県飯能市では9月下旬に5齢と羽化直後の新成虫が多かった。

ナナカマドでは、ツノアカツノカメムシ、もいた。
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コブシの実にはアカスジキンカメムシが数頭来ており、全てメスだった。
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サクラでは、ナシカメムシの交尾カップルが2組。
クヌギカメムシ科のナシカメムシが産卵するのは9月以降だ。
そして越冬は2齢幼虫というステージ。
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25日、同日。午後5時20分。
松山市南高井町、実家のドアノブで、チャバネアオカメムシが産卵していた。

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こんな不安定な、しかもホストから遠く離れた場所で、何故ゆえに?

思うに、ドアノブ周辺にはクロガケジグモのボロ網が張り巡らされていることから、
チャバネアオカメムシの♀の脚はこのボロ網に絡まれていたのではないだろうか。
もがいて、もがき暴れているうちに観念して産卵するに至ったのではないだろうか。
クモの網糸に掛かって、そこで産卵してしまうということはこれまでにも数回観察している。

ふ化幼虫達にとっては迷惑な話だが、苦し紛れに最後の力を振り絞った母虫の執念とも言えるだろうか。

撮影後、家に入るためドアノブをそっと握って回したら、
チャバネアオカメムシはサッと飛び立って行った。
うん? 

今朝は早めに明浜町の嫁さんの実家を発ち、
八幡浜港の市場に寄ってみた。
水揚げの多かったタコと(ちょい高め)、タチウオ、朝獲れエビを買った。
エビもタコもサッと塩茹で、実に美味い!

小雨の中、臼杵港から宮崎まで一気に戻った。




posted by やまかます at 22:19| カメムシ

2019年08月25日

皿ヶ嶺 上林「風穴」

四国昆虫巡り、最終日のフィールドは愛媛県、皿ヶ嶺の風穴。

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池にはミズカマキリの姿があり、水面近くを低くパトロール飛翔するタカネトンボの姿もあった。

フシグロセンノウ
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そして、エゾゼミ
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メスで、ヤマモミジの幹で吸汁していたが、いくら近づいても平気で落ち着いていた。

期待通り、カメムシ類の姿も多かった。こちらはのちほど、紹介します。

午後7時半、松山市内で夕食を済ませてから、西予市明浜町に移動。
卯之町のコンビニ外壁にカヤキリ♀が来ていた。
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このあと放つときに、大きなアゴで噛み付かれてしまった。
仕方が無い。強く摘んだからね。
posted by やまかます at 23:59| カメムシ

2019年08月09日

みんな幼虫

午後4時過ぎ、仕事部屋のすぐ外で、カヤキリの大きな声が。
気になって外に出てみた。デスクワークの中休み。

いたいた、ススキの茂みに。けれど手前の葉っぱが被って撮影できない。
そっと位置変えしたらサッと逃げられてしまった。
また鳴き出すまでじっと待っていたら、目の前にエビイロカメムシの終齢幼虫がいた。
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午後6時半、犬の散歩。駐車場を出るところで足元からショウリョウバッタ終齢幼虫が飛び出した。褐色型。
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褐色型の幼虫が羽化したら、やはり褐色型の成虫になるんだろうね。
え!?ほんと?

昨日見つけたキンモウアナバチの掘りかけ巣穴は、無残にもトラクターが踏み潰した後だった。
畑への出入口だったから。むき出しの地面ってなかなか無いから、キンモウアナバチも巣作りには苦労しているのだろう。
その場所には小さな崖もあって、スジボソコシブトハナバチがねぐら場所を探していたけど、
結局他へと去ってしまった。近場の崖も見たけど、ねぐらとしては条件が悪く、やっぱりハナバチの姿は見かけなかった。

帰り掛け、小さなヒサカキにホタルガの終齢幼虫が一頭、ポツンと。
ほんとに一頭だけ。
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東京の清瀬市では空堀川の遊歩道に沿ってヒサカキの生垣が続き、それはもう大繁殖して所々、丸坊主になるくらいだった。
それに比べて今住んでいるこの三股町近辺ではとても数が少ないように感じる。ヒサカキ、そのものはあちこちに多いけれど、何か違うんだろう。成虫もあんまし見ない。

先週あたりからツクツクボウシが鳴き始め、クロコノマチョウも秋型が増えてきて、一昨日はクサヒバリが鳴いていた。ジワジワと夏の終わりが近づいている。暑いけど。

posted by やまかます at 20:30| カメムシ

2019年08月06日

台風一過

台風8号は宮崎県を直撃したが、三股町ではさほどの強風もなく、雨もそれほどでは無かった。
台風に備えてあれこれ準備したけれど、肩透かしに終わったのは幸いだった。
昼前から陽射しも出た。

午後6時過ぎ。
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谷津田の耕作放棄地にはセイタカアワダチソウ群落に混じって、アカメガシワまで大きく育っている。
その一本では細い幹に樹液が出ていて、先月から様々な昆虫が訪れている。
今日はノコギリクワガタのペアと、シロテンハナムグリ

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うちの林ではアブラゼミが例年よりか多い。
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今がとりわけピークだろう。

昨日のクヌギ樹液では、ヒラタクワガタと一緒に、小さなネブトクワガタも見つかっていた。
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あまり多くはないが、可愛いクワガタムシだ。



posted by やまかます at 21:21| カメムシ

2019年07月29日

イヌビワ天井

イヌビワは水平に枝を伸ばし大ぶりの葉を繁らせるので、樹下から見上げると一枚の天井のよう。

梅雨の頃から今の時期、盛んに羽化しているのはアオバハゴロモ
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さらにイヌビワ天井を見ていけば、
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アミダテントウ

そして、
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ヒゲナガサシガメ

庭の草原では、ショウリョウバッタの♀終齢幼虫。
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オスの羽化は撮影できたが、メスは失敗続き。
posted by やまかます at 20:54| カメムシ

2019年07月15日

アカギカメムシ

先月、6月5日にアカギカメムシ交尾カップルを見た場所を再び訪れた。
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梅雨の中休みの晴れ間の下、先月カップルがいた隣のアカメガシワに幼虫群がすぐに見つかった。
3齢だろう。
親の姿は探してみたが見つからなかった。


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トイレの窓の外の庇で営巣を始めていたキイロスズメバチは、昨日から姿を消した。
この場所での巣作りはいかにも急拵えで作りが雑だったこともあり、途中で放棄するだろうと予想は付いていた。

さて、先週の木曜日に光回線の信号が遮断してしまったが、今日、業者が来て修理工事が完了した。
修理工事が予定より二日前倒しになったのは幸いだった。
で、故障の原因は電柱にある光クロージャーという端子の箱に柿の木の枝が伸長してぶつかったためとの説明を受けた。
光信号は電柱の光クロージャーの手前までは来ていたのだが、ここで遮断されていた。
光ファイバーは曲げには弱い。箱が圧迫されてケーブル内の信号伝送に支障が発生したようだ。
不具合が屋外だったため、この場合の修理費用は要らなかった。
屋内に原因があると修理出張費用やら工事負担金などで1万円を超えるような額をあらかじめ聞いていたので、ホッと胸をなでおろした。

光回線が遮断したあと、パソコンのWi-Fi接続をオンにしたままで仕事をしていたら、アプリケーションの動作がやたらと遅く、起動にもかなりの時間が掛かっていた。接続できないときは設定をオフにしておかないと、こういう不具合が生じる。
posted by やまかます at 19:55| カメムシ

2019年07月06日

ベニツチカメムシ育つ

ネムノキの花もそろそろ終盤に。

この時期になるとベニツチカメムシの幼虫たちが地面で採餌する姿が目立ってくる。

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メス親は子育てを終え、自らの命も終焉となる。

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鹿児島県曽於市にて。
posted by やまかます at 23:50| カメムシ

2019年07月03日

雨宿り

家の外壁にクロモンサシガメが佇んでいた。主に地面で暮らすカメムシで、一時避難だろうか。
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玄関前の鉢植えのスミレには、脱皮直後のツマグロヒョウモン幼虫がいた。
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鉢植えは庇の一番奥深い家壁際にあるので、ここなら雨に当たることも無いだろう。
最初植えていた植物が何だったか忘れたが、いつの間にかスミレが大きく育っていた。

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お隣の都城市に続いて、三股町でも「避難指示」が発令された。
長時間の雨で川という川はどこも溢れんばかりに濁流となっている。

「避難しろ」と言われても近くの公民館はうちよりか標高が低い位置にあり、自宅にいた方がまだ安心かと思う。
むしろ気掛かりなのは周囲のスギ林で、強風はないものの地盤が緩んでの倒木が心配。

まったく手入れされてない放置林では倒木が発生しやすく、被害としては電線を引き倒しての停電。
停電になると今進めている仕事はほぼまったく手がつけられない。もちろん日常生活へのダメージも大きい。
以前、隣の杉林からうちの林の観察路に倒木があって、これを片付けるのは自分でやるしかなかった。
かなりの時間と労力を要するので勘弁してほしい。

まあそれにしてもよく降る雨だ。昨日までとは違って、今日はほとんど休みなく降り続けている。
夕方から次第に雨脚が強まり始め、風まで吹き荒れ始めた。こりゃあ、まるで台風並みだなあ!

posted by やまかます at 19:40| カメムシ

2019年06月23日

オオトビサシガメのふ化

庭で見つけたオオトビサシガメのメスは、お腹が大きかった。
しばらく飼育していたら、数日後には産卵した。

産卵してからほぼ2週間目の今日。午前6時半に卵塊を覗いてみれば、ワラワラとふ化の真っ最中!
「しまったあ〜!」
ふ化開始推定時刻は、午前6時00分〜15分の頃かと思う。

最初の一陣に続いて、第二陣がふ化し始めたので、なんとか最初から撮影ができた。
「ありがとう〜!」

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剣山のような卵の蓋を頭で押し上げ、それを被ったままふ化が進行する。
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ふ化後、しばらくするとオレンジの単色から次第に色づいてくる。

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触角の長さは体長のほぼ2倍。腹部はえらく小さく、とてもアンバランスな体型だが、これで無事に成長できるのかと、先行きが心配になってくる。

撮影後、犬の散歩に出るとすぐ、ボタンクサギの葉上を
アトボシアオゴミムシが忙しく歩き回っていた。
何かを探しているような、そんな雰囲気。
ずっと動いていたこともあって、眼にピントが合うことは一度も無かった。


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posted by やまかます at 18:27| カメムシ

2019年06月15日

嵐の朝

昨夜から早朝にかけて雷雨が永く続き、ついには漏電遮断スイッチが「バチンッ!!」と作動して停電となった。

まだ布団の中だったから停電になってもすぐには困らないが、うちの場合は井戸水だからトイレの水洗が使えなくなる。雷の閃光がギンギンガンガン眩しく、ストロボ光を浴びせられる昆虫の立場になったような気がした。
午前6時頃にはようやく雷も落ち着いたので、漏電遮断スイッチを戻して電気が復旧した。

午前中いっぱい小雨が断続的に降り、強風が吹き荒れた。まるで台風一過の如し。

セミスジコブヒゲカミキリの様子を見に行ってみれば、メスの姿が無くオスだけになっていた。
近くにメスがいないものか探していると、イヌビワの葉裏に、ミナミマエグロハネナガウンカがいた。


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庭のアジサイにはアオハナムグリが来ていた。
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土中の蛹部屋から出てきて日が浅いのだろう、体に泥がついている。
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同じく庭のササに、ヒメカギバアオシャクの成虫がいた。
冬場、幼虫を見ることは多いけれど、意外と成虫には出会っていない。
ササの葉っぱに溶け込むような姿に、ハッとした。


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まるで白チョークで描いた絵柄の如し。
posted by やまかます at 21:50| カメムシ

2019年06月07日

アカギカメムシ

「シロ子、で〜す!」
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「キナ男、で〜す!」
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posted by やまかます at 21:57| カメムシ

2019年06月05日

日南海岸

虫の「しわざ」を探しに日南市の海岸へ出向いた。

虚空蔵島の階段手すりを掴んだ途端、手に柔らかい感触があった。

「うん!?」

ステンレス製の手すりの反対側に素早く身を隠したのは、サツマヒメカマキリのメスだった。
ピョンと地面に飛び降りた。すぐに姿を追わないと見失ってしまう。


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海岸を北上して、猪崎鼻公園の遊歩道を歩いてみた。
アカメガシワの葉上で交尾中のカップルは、アカギカメムシ

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画面下側の黄土色の方がオスで、メスはまるで脱色したかのように真っ白。
止まっていたアカメガシワは雄株だったが、すぐ隣に雌株が並んでいた。


猪崎鼻公園で「しわざ」探しに1時間ほど費やして成果が上がったので、
山間の北郷町に移動した。

ここのハゼノキでは、エサキモンキツノカメムシのメスが抱卵していた。6頭確認できたが、交尾中のカップルもいた。


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ハゼノキでの繁殖は初めて見た。

地面に多数の糞と抜け殻、そして死骸もあった、その頭上の梢には、
クスサンの幼虫がいっぱいついていた。
食樹のモミジバフウ(アメリカフウ)、イチョウ、ハルニレ、が肩を並べていて、
これではクスサンの天国。
一番暴食されていたのは、モミジバフウだった。すでに完成した繭もあり、これから繭作り、というのもいた。
食樹の下に立っていると、雨のごとく糞がパラパラと音を立てて落ちて来た。


posted by やまかます at 21:14| カメムシ

2019年05月12日

延岡、昆虫観察

午後から県北、延岡市のフィールドに移動。
着いてすぐ見上げたイロハカエデの葉裏に、ヒゲナガサシガメ


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行儀よく静止しているその格好に注目したい。脚の踏ん張り方が面白い。
枝ごと引き寄せてもじっと動かない。
どうやら彼らは、日が暮れてから活発に動くようだ。夜の灯りにもよく来る。

イロハカエデでは別の虫の観察と撮影が目的だったが、そちらも予想以上の成果があった。

路肩のアジサイにサツマヒメカマキリの終齢幼虫がいた。
幼虫越冬で、もうじき羽化して成虫になる、初夏のカマキリだ。


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大きなコナラの梢から風に流されるようにして、アカシジミが目の前にやって来た。
今朝方羽化したばかり、と思われるしっとりとした翅。
止まったサクラの枝を右手でそっと引き寄せ、左手に構えたカメラを向けようとした刹那、
またもや風が来て、アカシジミはそのまま剥ぎ取られるようにして、姿を消してしまった。


3時間ほどの観察、撮影を終えて、延岡植物園に立ち寄ってみた。
時間はわずかだったが、ここでも予定通りの撮影ができた。
日曜日とあって家族連れの来園者が多かった。
駐車場にかき氷のテキ屋さんがいたのにはびっくりだが、夏日で商売繁盛のようだった。

ボロボロノキでは、ベニツチカメムシのカップル(左がメス)

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ちょうど配偶行動の盛んな時期です。

遊歩道沿いにあったネズミモチの実生が丸坊主になっていた。
でっかい、イボタガの終齢幼虫がいて、ギュンっと威嚇ポーズをとった。


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posted by やまかます at 20:07| カメムシ

2019年04月16日

目覚めたカメムシ

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ここ数日、しつこく観察しているノイバラで、アカサシガメにばったり。
今春はこれが2回目の遭遇。


続いて、シロヘリカメムシが颯爽と登場。
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どちらのカメムシも少々、色あせてはいるが、無事に冬を乗り切ったのである。
これから新しい世代を育むことだろう。


庭のツツジには、キアゲハの♂が訪れていた。よほど腹ペコと見えて、何度も何度も花に頭を突っ込んでいた。
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昨日、ムネアカアワフキの産卵を観察した同じサクラで、初めて見るDiptera.が気になっていた。
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金緑色のメタリックな輝きと言い、止まりかたと言い、、、。

で、今日になって再び同じ葉っぱを見上げてみれば、そこにまだいた!
けれどこれはおかしいと、よ〜く眺めてみれば、すでに死んでいる。
どうやら病菌に冒されたようだ。

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アンタ、誰だい!?
posted by やまかます at 21:33| カメムシ

2019年04月15日

産卵

昨年11月に三股町内で見つけておいた、ミカドアゲハの越冬蛹が羽化していた。

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まだ飛べないのかな? と、触角に触れてみたら、一瞬にして青空へ吸い込まれるように飛び立って行った。

庭のツワブキについた滴をしきりと吸っていた、コミスジ。羽化したてなのだろう、ピカピカの翅。
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コデマリには、トゲヒゲトラカミキリ
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アブラナでは、ヒメナガメのカップル。

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近くのあぜ道には、シオヤトンボが多数。
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昆虫たちの顔ぶれも、次第に賑わって来たが、しかし何と言っても今日の成果では、
ムネアカアワフキの産卵行動を観察できたことに尽きる。


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しきりと歩き回る様子から、これは何かあるな!としばらく食らいついてみた。
すると、サクラの葉裏に留まり、葉脈に産卵管を突き立てたのであった。
産卵管を抜いて立ち去った後、すぐに葉脈をルーペで調べてみたが、産卵痕はわからなかった。

posted by やまかます at 20:02| カメムシ

2019年04月13日

水面

表面張力に捕われて漂う、トビムシの一種。

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トビムシがもがいて生じる波動に反応してやって来る、ケシカタビロアメンボ

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しかしどうやら、トビムシがなにか忌避物質でも出すのか、口吻を伸ばして触れるだけですぐに離れていく。
けれど学習能力がないのか、忘れ易いのか、何度も同じことを繰り返していた。


水面に軟着陸した蛾は美味しいかな?
おそらく、ウスイロカザリバかと思う。暴れているときに翅の模様が見えていた。


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アメンボはスイスイと水面を滑るけれど、こちら、イトアメンボの仲間は、
ヒョイヒョイと歩きます。


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今日の写真の舞台は、庭に埋め込んである人工池。
昨日、撮影。

posted by やまかます at 19:37| カメムシ

2019年04月09日

タケウチトゲアワフキ、羽化ラッシュ

午前9時02分。ヘラノキの細枝に張り付いた幼虫巣から、タケウチトゲアワフキ幼虫がお尻をくねらせながら姿を現した。

硬い貝殻のようなシェルターから身を晒し出すのだから、いかにも危険極まりない。
鳥に見つかったら、あっという間に胃袋に消えてしまうだろう。
クネクネとお尻を振るのも、自殺行為に見えてならない。
まあ、カメラを構えている私が傍にいるから大丈夫ではあるけど。


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泡のシェルターに包まれて登場するのは、ムネアカアワフキと一緒だ。
脚で踏ん張って定位した後、羽化が始まるまでわずか5分。

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撮影していたヘラノキでは、他にも4頭が羽化していた。
新成虫の姿も多く、こんなに早くから、というのはいかにも南九州の平地、という土地柄でもあるだろう。

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うちから車で15分、というこのタケウチトゲ観察ポイントは日南市のメリアンさんに教えていただいた。
私が宮崎に移転した当初は、右も左もわからないまま右往左往していたが、
やはり地元の方からの的確な情報はありがたい。


posted by やまかます at 20:00| カメムシ

2019年03月29日

ムネアカアワフキ、羽化

数株しか無いナルコユリだが、ほんの二日間、目を離しているうちに若茎が立ち上がっていた。

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画面奥にある株は開きかけた若葉が何者かにガッツリ、かじられていた。まあ多分、虫のしわざだろう。

昨日、羽化直後の2個体を見たので、朝から庭のサクラをチラチラ覗いていたら、まるで雨が上がるのを待ちかねていたかのように、、、、
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貝殻のような幼虫巣から外に出るのは、まさにこの瞬間だけだろうけれど、
ムネアカアワフキ幼虫は泡の座布団の上で、ゆっくり羽化を始めた。


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羽化の様子はセミに似ているが、翅が伸びきってからお尻を抜いて起き上がるという点で大きな違いがあることを初めて知った。
お尻を抜くタイミングは、翅が伸びきり、垂直に立てていたところから水平に畳んだ瞬間。

今朝は羽化シーンを頭から2回、続けて撮影できた。際どいタイミングだったので本当にラッキーだった。
posted by やまかます at 21:10| カメムシ

2019年03月22日

小さなタマムシ、赤いアメンボ

そろそろ出ているかな? クマイチゴの若葉の前で立ち止まってみた。
いました。そこにもあそこにも。

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クマイチゴの若葉を食べていた。
そっとお顔を拝見。


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小さなタマムシの名前は、シロオビナカボソタマムシ

林にある小さな溜池には、コセアカアメンボのカップルがいた。
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見ているうちに捕まえた獲物はユスリカの一種。羽化してすぐに捕まっていた。

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コセアカアメンボは林に囲まれた流れの緩い川や水溜まりなどを好む。
昨日は玄関前に置いてある水連鉢でも、一頭だけだが泳いでいた。


アメンボ類は越冬地から飛翔して、水溜まりなどにやって来る。
けれど彼らが空を舞う姿は滅多に見られない。庭の上空を私の頭をかすめるように飛び去ったのを一度だけ、一瞬だけど、見たことがあるだけ。
アメンボが飛び立つところを是非見てみたいものだ。

ヤブムラサキの若葉では、イチモンジカメノコハムシの姿が増えて、小さな丸い食痕が目立つようになった。

ゴマ粒より小さい、アカクチホソクチゾウムシも数が増えていたが、ヤブムラサキとどういう関係なのかよくわからない。

ヒゴトゲハムシも昨日と同じ、2頭がいて食事中だった。
ヤブムラサキやムラサキシキブが食樹ということは、いづれ幼虫のマインが葉っぱで見つかるということだろう。
どんなマインだろうか?
posted by やまかます at 20:21| カメムシ

2019年03月02日

朽木アパート観察会

あいにくの曇り空で気温もかなり低めだったが、予定通り観察会を行なった。
場所は、都城市志和地(しわち)。
参加者は小学1年生〜4年生の約30名。

流石に活動している虫はほとんど目につかなかったが、アカハネムシの一種がチョコンといてくれた(写真ブレてます)。

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クヌギの小木には、冬芽に紛らわしい、トビイロツノゼミ
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クリオオアブラムシの大卵塊はすでに孵化していた。
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朽木の中にいる虫の観察では、アカハネムシ類の幼虫・蛹、ユミアシゴミムシダマシ成虫・幼虫、ヤマトデオキノコムシ、コクワガタ幼虫、キマワリ幼虫、オオフタモンウバタマコメツキ、
ヒラタカメムシの一種。

カワラタケでは、アカハバビロオオキノコの成虫・幼虫、

他にヤブキリ初令幼虫、トリバガの一種、ナナホシテントウ、トホシクビボソハムシ、など。


クワガタムシ、カブトムシの幼虫の飼育の仕方も容器や餌の準備、詰め方など、実地で説明した。

冬に逆戻りしたような寒さだったけど、子供達は元気に虫探しを楽しんでくれた。

昨日の写真だが、都城市、関尾ノ滝のヤツデでは、
アオモンツノカメムシの孵化が始まっていた。

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こちらは孵化間近の卵塊。
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posted by やまかます at 22:11| カメムシ

2019年02月12日

台場クヌギの剪定をしたので、落とした枝を見ておいた。

見つかった虫は、コミミズク幼虫だけだった。

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うっすらと判る眼のおかげで、虫と気付く。まさに眼は口ほどに物を言う。
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コミミズク幼虫のついた枝は水差しにして、クヌギ小木の幹に触れるように立て掛けておいた。
いづれ枝の異変に気付いた幼虫が脱離した場合、無事に移動できることを期待して。
posted by やまかます at 23:05| カメムシ

2019年01月08日

杉林の越冬ねぐら

薄暗い林内は倒木が乱れていて、歩くのも苦労する。
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毎年、台風が通過するたびに根こそぎ倒れる杉が後を絶たない上、ここを管理整備する者もいない。植えたはいいが放ったらかしの杉林がほとんどだ。
こんな光景は近代になってからのことだろう。森を林を粗末にするなんて、昔はあり得なかったはずだ。

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立ち枯れの杉が一本。樹皮がめくれて、ボロボロ落ちている。残った樹皮を控えめに剥がしてみると、
オオトビサシガメのペアが冬越し中。

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放ったらかしの杉林、我が家のすぐ近くに迫っているゆえ、倒木被害は充分あり得る。
自分の身は自分で守る。となれば、打つ手は無いなあ。


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posted by やまかます at 21:45| カメムシ