2019年07月18日

ムナブトヒメスカシバ

気分転換と運動を兼ねて外に出てみると、とんでもなく蒸し暑い。
朝から雨だったので家の窓は全部締め切っていたが、カラッとした室内との湿度差が大きい。
おまけに雲間から急に陽射しも出て、路面から蒸気が上がってくる。

先日から顔馴染みとなったコガネグモの網には、ウスバキトンボが掛かっていた。
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お腹が減っていないのか、少し糸を掛けただけで獲物に手をつけた様子がまったくない。

コガネグモの巣網から少し離れた草むらで、弱々しく舞うスカシバがいた。ヒメアトスカシバより小さい、
ムナブトヒメスカシバのメスだ。

ムナブトヒメスカシバ♀IMG_3854.jpg

前脚をアンテナのように突き上げた独特なポーズ。
本種の幼虫はノイバラや園芸のバラの茎内で成長するようだ。

フワリと飛び立ってもすぐ近くに着地する。
小さいから少しでも寄ろうとすると、フワリ。それを繰り返しているうちに、
どんどん足場の悪い藪に踏み込むことになる。
短パンにサンダル、という軽装のまま撮影を優先した。

先日、仕事部屋の勝手口にマムシがいたこともあって、サンダル履きで無闇と草薮に入るのは止そうと自分で決めたばかり。短パン姿もマダニ対策に反する。
住居がフィールドの中にあるような暮らしにドップリ浸かっていると、フィールドに出る、という気構えが欠落しがちだ。
わずかな時間といえども面倒がらずに長ズボン、長靴を着用しようと反省。特に今の時期は。



posted by やまかます at 20:42|

2019年07月05日

逆さま

昨夜、ライトに飛来していたウコンエダシャクの♂。

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頭を下向きにした方が落ち着くようだ。

路上で死んでいたコヤマトンボ
アミメアリの群にびっしり覆われていた。


コヤマトンボIMG_8757.jpg


屋根の庇に設置してある巣箱(5箇所)は、スズメたちの争奪戦で賑やかだ。
梅雨休みの間に、雨どいの集水器(じょうご)に網の蓋を被せておいた。
集水器は7箇所。網は園芸用のトリカルネットを裁断して加工し、網板を被せるだけでは無く、横の隙間も塞げるように工夫した。
巣箱からあぶれたカップルが集水器に営巣してしまうのでこれを未然に防ぐ網蓋だ。
posted by やまかます at 20:52|

2019年07月04日

クチバスズメの運命

昨夜の大雨から一転、穏やかな朝を迎え昼頃には晴れ間も出てきた。

近所の草むらを覗いてみれば、羽化不全のクチバスズメ♀がいた。

クチバスズメIMG_8639.jpg


どのようなトラブルに見舞われたのだろうか?
大雨が関係しているのだろうか?まるで溶けてしまったような、、、ともかく翅がほとんど伸びていない。
これではもちろん飛ぶことができない。
メスの周辺には卵が多数散らばっていた。

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このメスの所にオスが飛来して交尾が成立した可能性も無くはない。
けれどもし、卵がふ化したとしても、食樹のクヌギまでは4メートル以上離れている。
翅を失ったメスは、本来ならクヌギの梢に移動して産卵するところだが、すでに歩くだけ歩いたのかもしれない。
苦し紛れに産めるだけ産んだ、そういう事ではないだろうか。

このあと1時間ほどして再び、訪れてみれば、何と。

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ヤブキリ♂の餌食となっていた。すでに頭部はすっかり消失している。
卵をたっぷり抱えたクチバスズメが、もがいてもがいて、できる限り広い範囲に卵を産んだわけとは、
こういった事態も体が知っていた、ということか。


明後日の観察会の下見で、日南市の山中に出掛けた。

林道沿いで羽化途中のヒメハルゼミを発見。午後3時39分。
羽化殻はよく見ていたが、羽化シーンの観察は初めて。

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posted by やまかます at 20:33|

2019年07月02日

今朝のコシロスジアオシャク、3年前のアトキスジクルマコヤガ

昨夜は昆虫の飛来数が多かったようだ。仕事部屋の外灯だけど。

大きさで言えば、カブトムシ♀が一番、次いでミヤマカミキリ♂。三番手がサツマコフキコガネ。
四番手がノコギリクワガタ♀。

蛾類は小型の種類がそこそこ。中でも目を引いたのはアオシャク亜科。同種が数頭来ていた。
アオシャク類は似ているものが多いが、
おそらくコシロスジアオシャク、かと思う。


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本種の食草はセンニンソウ、ボタンヅル。
小学館NEO図鑑『イモムシとケムシ』(2018)に幼虫写真が載っている。


さて、唐突だが3年前の3月中頃、うちの林で撮影した、
アトキスジクルマコヤガ


アトキスジクルマコヤガ4月17日-2.jpg



羽化して間もない綺麗な姿だったが、「まるで霜降り肉」というのが第一印象だった。
けれど名前調べはずっと後回しになって、やっと今日になって特定できた。
幼虫は枯れ葉を食べるようだが、講談社の『日本産蛾類生態図鑑』(1987)に解説と一枚だけ幼虫写真が載っている。
枯れ葉喰いでは、どこをどう探せばいいのか?幼虫を見つけるのは偶然でしかないかもしれない。


(使用機材:EOS-5D MarkV EF100mm f2.8Macro
posted by やまかます at 20:34|

2019年06月29日

モンウスギヌカギバとフキトリバ

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モンウスギヌカギバはこのところ連夜灯りに飛来する。
そうなると「撮っておくれ」と言われているような気がして、ついついスタジオの特等席に入ってもらう。


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それにしても傷一つ無い、綺麗なはね。

先日載せた、フキトリバの蛹が羽化した。

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開張は20ミリ程度。

自宅庭にはフキがたくさん生えているけど、これまでフキトリバ幼虫が見つかったことはない。
写真の個体は都城市青井岳の近くの沢に生えていたフキで見つけた。
その場所はトゲオトンボが生息しているような環境で、終日、日陰で涼しい。


〜機材のお話し〜
絞り動作不良で修理もできず、使用を断念したシグマ50ミリマクロレンズ。

ちょっと不安だったが、同機種の中古レンズを購入した。
「非常に良い」という説明書きだったが、まさに文字通りいや新品同様と言っても差し支えない。
マウントの擦り傷も全くなく、もちろんレンズ内のゴミなど皆無。鏡筒外面に刻印された数値や文字もくっきり。
で、肝心の写りも申し分無し!

中古レンズには当たり外れもあるから、安いからといって迂闊には手が出せない。
以前、新品同様の望遠ズームレンズを買ったものの、フォーカスがわずかに外れるという曲者だったことがある。
すぐに手放したのは言うまでもない。もしかしたらそのレンズは、そうやって人から人へと次々と売り渡っていたのではあるまいか?人気の高いレンズだけに、、、。
けれどシグマ50ミリマクロレンズについては主力レンズでもあるので、
敢えて冒険をした。
メーカーの修理サポートがないから、不安解消のためにできれば予備をもう一本、、、、、、、いやいや、次は無いと思うべし。
posted by やまかます at 11:54|

2019年06月26日

ハチマガイスカシバ

姿はハチに似てハチにあらず。

和名は、ハチマガイスカシバ

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昨夜から今朝にかけて雨がかなり降ったが、その中、仕事部屋の外灯に飛来したようだ。少しくたびれている。

ハチマガイスカシバは毎年、うちの敷地内で繁殖しており、コウモリガ幼虫巣の蓋部分に産卵することも観察している。で、どうやらコウモリガ幼虫巣の何がしかを糧にして成長するものと推測している。
卵と幼虫も確認したが、幼虫の飼育には失敗した。
(新開孝(2018)『インセクタ みやざき』No.6;36-37p.宮崎昆虫調査研究会調査報告書)


エノキにいた、ナナフシ

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さて、ナナフシの写真はトリミング無しで、EF-S35ミリマクロ+EOS80D で撮影した。
倍率はこのレンズでのほぼ最高倍率。内蔵ストロボをストレートに当てている。

EF-S35ミリマクロは、レンズが小さく等倍でもレンズ長が変わらないこと。
レンズ先端にLED照明が内蔵されていて、特に夜間撮影では補助ライトが要らないので、この上なく便利。
しかし、このレンズはAPS-Cカメラ専用なのでフルサイズカメラには使えない。
それで、フルサイズカメラではシグマの50ミリマクロレンズを使っていた。このレンズは倍率が高くなるにつれ
鏡筒が伸びてしまうのが短所といえば短所だが、立体感のある描写は大変気に入っていた。

ところが今月に入ってから突然、絞りの動作不良が頻発して(開放のままで露出オーバーになる)、仕事には使えなくなっていた。
シグマに相談したところ、製造終了して年月も経ているため修理サポートはできないとのこと。
私は標準マクロレンズの使用頻度が高いので困ってしまったのだが、等倍撮影が可能な標準マクロレンズを
他のメーカーで探してみたものの意外と無い。
キャノンの新シリーズレンズ、RF35ミリマクロはフルサイズ仕様だが、ハーフマクロで等倍撮影はできない(このレンズは新発売のフルサイズミラーレス機でしか使えない、はず)。
シグマは現行では70ミリマクロレンズを出してはいるが、20ミリの違いは大きい。
仕方なくEF-S35ミリマクロをメインに使うようになったのだが、フルサイズカメラへのこだわりがあって、
なんとかならないものかと思い続けていた。

ふと思いついて(なんでもっと早く気付かなかったか!)、
「接点復活剤」をレンズ側の信号接点に塗ってみた。

すると期待通り、絞り作動が安定して、何度テスト撮影しても、今のところ不具合は出ていない。
作動不良の原因が接点にあるのかどうかはまだ判然とはしないが、
このまましばらく使ってみよう。

※ 翌日、本番撮影に使ったところ、絞りの作動不良が再発してしまった。
露光オーバーになり、しかもシャターを切った後、絞り羽根が開放に戻らない。
接点の通電不良といった単純なトラブルではない、、、とは薄々、わかってはいたのだが、まさに藁をも掴む心理。


posted by やまかます at 21:12|

2019年06月22日

マダラニジュウシトリバ

クヌギの剪定をしていたら、マダラニジュウシトリバが目の前にいた。
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翅広げて13ミリ程度だから小さくもなく、大きくもない。
本種はスイカズラの蕾で幼虫が育つ。


畑で夕食用のジャガイモも掘り出していた嫁さんの足元からケラが出てきた。「なに!?この虫」
すぐさま私が拾い上げて「これが、ケラだよ。ほらモグラにそっくりでしょ」

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シャベルのような前脚の搔きわける力は強く、グイグイ指の間に潜り込む。
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手のひらから、あっという間に手の甲に出てきた。
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アヤオビハナノミ、かな?
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なぜか大人しい。いつもはチョコマカ動いてなかなか寄らせてもらえない。
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posted by やまかます at 21:27|

2019年06月21日

さなぎ

ハゼノキにいたクロモンカギバ幼虫は、
そろそろかなと覗いてみれば、やはり蛹になっていた。

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2頭のうち一頭は行方不明だが、葉表、葉先にキッチリ収まる姿にしばし見惚れる。

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フキトリバの幼虫が今朝方、蛹化していた。


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写真画面下が頭部になる。体長は約9ミリ。

オリンパスの新しい画像処理アプリケーション、OLYMPUS Workspaceが先日公開された。
さっそく使ってみると、処理速度も速く使い勝手も良い。
フォーカスブラケットで撮影した写真を深度合成する機能もあって、フォトショップよりも操作が簡単で随分と楽になった。
posted by やまかます at 21:57|

2019年06月20日

捕食圧

網掛け飼育していたヤママユの繭を回収した。
3個の繭のうち、一個は大きな穴が空いていた。

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網を片付けていたら、そこにコロギスの♂がいた。
「ははあ〜ん、アンタ、食べたね!」


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3年前頃から、庭のクヌギとコナラでヤママユやウスタビガの放飼が出来なくなった。
以前は3齢まで室内で飼育したものを外に出して、そのまま成長する姿を観察できたし、
特に繭を紡いでしまえば何の心配も無かったけれど、そうもいかなくなった。
今回のように繭もかじられてしまうし、あるいはそっくり消失することがほとんど。
幼虫も網越しに食べられてしまう。

どうやら、庭に植えたクヌギやコナラが成長し、今では屋根の高さまで大きくなり、
そうなると様々な昆虫も集まるようになり、当然ながら捕食圧も高まったと考えるのが妥当であろう。

数年前なら、ウスタビガの繭がいくつも並び、メスが羽化するとそこへ雄が飛来して交尾する、という
そんな配偶行動まで観察できたのだが、もうそのような観察は期待できなくなった。

ある意味、こうなってみて、本来の自然の姿になった、とも言えるかもしれない。

午後5時半頃、近所の杉林からヒグラシの鳴き声を聞きながら、屋根の防錆塗装を行なった。
ニイニイゼミは16日の昼過ぎに初鳴きを聞いている。

posted by やまかます at 21:03|

2019年06月17日

鳥の糞ダマシ

ハゼノキの食痕そばに、鳥の糞ダマシ。
小さい体で随分と食べたね。
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葉っぱを触ると、クルンと丸くなって、ますます糞に成り切る。
このクロモンカギバ幼虫、同じハゼノキに2頭いた。

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クヌギ林の縁の下草には、ウスベニスジヒメシャク

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posted by やまかます at 20:31|

2019年06月11日

夜のお客さん

朝一番、仕事部屋の外灯に飛来した昆虫のチェックを日課にしているが、やって来る虫は少ない。今朝の顔ぶれは、、、。

ノコギリクワガタ

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アカハラゴマダラヒトリ
アカハラゴマダラヒトリ6月11日2019-10.jpg

ゴマケンモン
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セダカシャチホコ
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ドウガネブイブイ
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サツマコフキコガネ
本種が出始めると例年梅雨入りとなる。
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オオウスベニトガリノメイガ
オオウスベニトガリメイガ6月11日2019-5.jpg

ギンスズメモドキヘビトンボ
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ツマジロシャチホコ
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アカマエアオリンガ
アカマエアオリンガ6月11日2019.jpg


夜の灯りに飛来する昆虫が種類、数とも少ない理由は色々あるだろうが、
うちの周辺はほとんどが耕作地と杉植林に覆われていること、それが原因として考えられる。
自然林がまとまってある場所からはかなり距離がある。
posted by やまかます at 20:07|

2019年06月04日

目玉模様

先月の23日、柿の木にたくさんいたオオゴマダラエダシャク若齢幼虫たちがその後どうなったか、見に行ってみた。隣の果樹園だが。

あんなにたくさんいたのに、食痕はあんまし残っていない。
二本のカキでわずか3頭しか見つからなかった(終齢と亜終齢)。まあ見落としがあるとしてもとにかく少ない。


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雨は朝から降ったり止んだり。庭のヒメジョオンにツバメシジミのメスが来ていた。
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さて、私が使っているカメラバッグは、主に3タイプ。
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機材を目一杯詰め込んだ重量は、画面左から順に、@5.5キロ、A9キロ、B3.4キロ。
機材の内容は、@:APS-Cカメラ2台(Canon)、A:フルサイズカメラ2台(Canon)、B:マイクロフォーサーズ1台(OLYMPUS)。
@〜Bとも、マクロ、望遠ズーム、広角ズーム、ストロボ類を備え、ほぼ同等の画角域をカバーできる。カメラは撮影条件次第で、@とAにはもう一台追加することもある。三脚も加わると結構な重量だが、三脚は目的次第で省略することが多い。

この3つのカメラバッグの使い分けは、下見や観察が主目的であったり、現場での歩きが長い場合には、@を。
現場での歩きは少なめ、あるいは近場であったり、狙いを絞り込んでじっくり撮影に専念できる場合等は、Aを。
冬場あるいは講演、観察会などの小旅行のお供には、Bを。

と目的に合わせて使い分けている。Aの9キロを担いで何時間も歩くような事は、もはや体力的に無理。

Bの小型カメラバッグはインナーが外れるので、インナーごと画面左の軽いリュックに入れ替えて背負うこともある。
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posted by やまかます at 21:57|

2019年05月26日

ポチ

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スジベニコケガが水滴を吸っていた。

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灯火に飛来した居残りだが、スジベニコケガがこうして吸水する姿は初めて見た。

posted by やまかます at 22:07|

2019年05月22日

ウコンエダシャク

夜、玄関の灯りに来ていた、ウコンエダシャクのメス

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本種には5年前の2014年7月、佐賀県の神埼市で出会っている。

さらに遡れば、2004年の夏、大分県宇佐八幡神社で出会っているが、本種を撮影したのはその時が初めてだったと思う。いづれもメスだった。

メスしか出会っていないの?と気になったが、
よくよく調べてみれば、2012年6月に愛媛県松山市でオスも撮影していた。すっかり忘れていた。

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オスは前翅に透明な窓があって、そこを使って発音する、らしいが、その音をまだ聞いたことが無い。
posted by やまかます at 22:34|

2019年05月19日

竹筒ゆりかご、ふたたび

メダケの枯れ茎の暗闇のなかで、じっと過ごしている幼虫。

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以前にも書いたが、ニホンホホビロコメツキモドキの産卵痕が付いた枯れ茎の中に、
おそらく蛾類と思われる幼虫や蛹殻が見つかり、冬からずっと飼育している。
飼育と言っても給餌の必要もなく、ただ転がしているだけで、たまに中の様子を窺うだけ。

今日、久々に点検してみれば、一頭(写真上)を除いて他は全部カビが生えて中の幼虫は消失していた。

さて、幼虫がいる場所には糸で紡いだテントがあって、
その中央の台風の目のようなところは枯れ茎の内壁につながっている。
おそらく蛹の体を支えるために糸トンネルが必要なのだろう。

で、糸トンネルが繋がっている硬くて厚い竹の壁には、すでに出口の準備がしてある。
ここまで準備しているからには、蛹になる日も近いのでは?と思いたくなる。


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竹筒の外側からルーペを使って見ても全くわからないが、内側から強い光を当ててみれば、
壁が透けて薄くなっているのがわかる。ほんのわずかな沁み程度だが貫通している部分すらある。

つまり、事前に竹壁を内側から削って薄皮だけを残した脱出口を準備しているのであり、
そこは蛹の頭部を突き当てるだけで容易に破れる、ということだろう。
こうした作業を、暗闇の中でコツコツと行う幼虫の姿を一度は見てみたいものだ。
このやり方は、ニホンホホビロコメツキモドキと同じであるところが興味深い。
もっともニホンホホビロコメツキモドキが作る脱出口はなぜか、几帳面な正方形であるが。

たった一頭となってしまったが、何としても成虫の姿を見届けたい!本当に蛾類なの?
成虫が羽化する日を待つとして、大事な竹筒ゆりかごを観察容器に収納した。
羽化した成虫が迷子にならないように。


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竹筒ゆりかごの長さは、27センチ。
これを収める容器は焼酎ワンカップを5個連結して作った。
中の換気を良くするために、両端の蓋はガーゼに替えておこう。




posted by やまかます at 21:09|

2019年05月07日

ムギバタケ、脱皮して終齢となる

昨日から脱皮休眠に入っていたヒメヤママユの幼虫。

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今朝は脱皮の瞬間を撮影しようと気には掛けていたが、室内で作業しているうちに見落としてしまった。

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脱皮して、これで終齢(5齢)になった。

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これからは、ウンと食べまくりますよ!

庭のコマユミには大きな尺取り虫がいた。
あれ!? 

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正体がわからない、初めて見るイモムシだ。

このところ姿をよく見るのが、タケノホソクロバ
ちょうど成虫の発生ピークのようだ。

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同じマダラガ科で、キスジホソマダラも庭で見かけるようになった。

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posted by やまかます at 20:59|

2019年05月01日

羽化した、ヒメクロホウジャク

昨年の11月30日、アカネに産み落とされたヒメクロホウジャクの卵。

その後、12月11日にふ化してから蛹化したのは、年を跨いで2月2日であった。
冬枯れの中、食草のアカネを切らさずになんとか飼育を維持できた。


乾燥し過ぎないよう気を配りながら室内で保管していた蛹が、今朝になって羽化した。


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ヒメクロホウジャクの訪花は、ここ最近では撮影する機会がなかったが、
20数年前、愛媛の松山市で撮影した写真があった(下写真:原版はポジ)。
実家の庭のヒャクニチソウやキバナコスモスなどによく来ていたのも懐かしい想い出となった。


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posted by やまかます at 14:54|

2019年04月26日

ムギバタケ

先日見つけたヒメヤママユが、脱皮を終えていた。

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そうか、終齢になったか。
ムギバタケに、なったか。

しばらく経ってまたサクラを見上げてみれば、捻転運動をしていた。
まあラジオ体操みたいなもんだろうか。


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ヒメヤママユ幼虫を「ムギバタケ」と名付けたのは、
『昆虫放談』の著者、小山内龍。

本書を読み返すと、蝶に夢中になり始めた中学生、夢中になりすぎて勉強嫌いになった高校生、
の頃を想い出す。
あ〜懐かしい。


陽が高くなるにつれ、庭のシランに入れ替わり立ち替わり、虫たちがやって来た。

ハラビロトンボ

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モンキアゲハ♀
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仕事部屋の扉を開けた途端、頭上から大きなムカデが落ちて来た。これで二度目。
で、外壁を見ると、これまた大きなムカデがお食事中。

ここのところ蒸し暑い日も続いたせいか、ムカデがやたらとお出ましになる。



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餌食になっているのは同種のムカデで、一回り以上小さい。
ムカデは体前部の脚で獲物を抱え込むようにして相手の動きを封じる。
そのため獲物の姿がよく見えないことが多い。
大顎で獲物の体を砕きながら生き血を啜る。
posted by やまかます at 21:22|

2019年04月06日

ブラりん!

今朝あらためてコナラの前に立った。

「何で見落とすかな?」

目線の高さにヤママユの卵殻があった。全部で8個も。

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ヤママユの卵なら、2メートル離れていても必ず見つける自信がある。にも関わらず、
すぐ目の前の卵を見落としていたわけだ。

同じコナラの梢には、ナナフシの孵化幼虫もいた。

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前脚だけで、宙ぶらりんのままずっとこのままの、シロモンフサヤガ

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風にまかせて振り子のように揺れている。
どう見ても、枯葉にしか見えない。

本種の幼虫は以前、延岡市の愛宕山で出会ったことがある。


ムネアカアワフキのメスは、今朝になってオスと交尾していた。
そこに別のオス(画面右端)がやって来たが、特に争い事もなく、後からやって来たオスは立ち去った。

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ムネアカアワフキの繁殖期を迎えた。
posted by やまかます at 22:04|

2019年02月20日

山かま やまかます

久しぶりに裏山の桝安森林公園(都城市)を訪れてみた。

昨年秋だったか、伐採作業(杉植林の)が入っていて頂上には行けなかった。
伐採作業はまだ続いているようだが、今日は頂上まで行けた。
林道沿いの広い範囲の山肌が全伐されており、明るくなって環境が激変していたのには驚いた。

頂上付近にはクヌギ林があるが、ここは4、5年前に一度伐採され萌芽更新した。

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林の縁の崖にはアリジゴクの巣穴が多く、アカクビサシガメの幼虫が見つかる場所だったが、崖がえぐるように掘り返されて大きな穴となっていた。もはやアリジゴクもサシガメも棲める環境では無い。
崖のすぐそばに都城市が建てた看板の注意書きには、「ここで土を採らないでください。」とあったので、そういうことかとガックリ。


お目当の虫は見つからなかったが、コナラの梢にウスタビガの繭(山叺)があった。
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メスが入っていた繭と思うが残念ながら卵は付いていなかった。

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このところ暖かい日が続いたせいか、コナラの芽吹きもチラホラと。
ハコネウツギの芽吹きも始まっていた。

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posted by やまかます at 21:04|

2019年02月10日

早春蛾

昨日から寒くなったが、今朝、トビモンオオエダシャクのオスが庭にいた。
昨夜、仕事部屋の灯りに飛来したのだろう。

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こんな柄のセーターが欲しくなるね。

あぜ道の枯れ草には、コガネグモ類の幼体がいた。
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犬の散歩途中でふと目に入ったのだが、最初はゴミ?かと。
しかし、立ち止まってよ〜く見れば、、、

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巣網から離れて休憩中のようだ。

「ユズの枝で、アゲハの蛹が逆さになってるよ」と嫁さん。

「アゲハ?ほんと?」と庭に出てみれば、宙ぶらりんになっていた蛹はアゲハではなく、
ナガサキアゲハだった。
「あれ、こんなところに付いていた?見落としていたねえ」

蛹は2メートルちょいの高さにあった。

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さっそくミシン糸で帯糸を掛けておいた。ユズの棘や葉っぱが邪魔で、ちょっと手間取ったけど。
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posted by やまかます at 22:30|

2019年02月08日

ヒメクロホウジャクの蛹

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松浦寛子さんの『日本産スズメガ科幼虫図譜』によれば、ヒメクロホウジャクの「蛹は上半分が黄緑色で美しい」とある。
同書の彩色画を見た私はレモン色の蛹を是非見てみたいと思ったけど、
残念ながら飼育の結果は三頭とも褐色型となった。
幼虫の体色にはピンク型と緑色型があるように、蛹色にも2型があるのかもしれないが、スズメガ科の他種では蛹色の多型って、聞いたことも見たこともない。いや、ほんとはあるの?

ピンク型の終齢幼虫にはかなり強烈な印象を受けたが、蛹色の他に本種の周年経過についても謎めいている。
で、どうやら本種はホシホウジャクやクロホウジャクと同じように、
冬で一旦サイクルが途切れた後、春になって海外から侵入した個体群によって第一世代が始まるのではないか、と推測されているようだ(『日本の鱗翅類』東海大学出版会2011)。
越冬する成虫が観察されるとも他の文献にあったが、実際のところどの程度、見られるのだろうか?
それも気になる。

今回飼育した蛹も私がアカネをなんとかかき集めて強引に育てたのであり、本来なら成長できずに途中で死んでいたはずだ。海外侵入説が正しいのなら、冬を目前に死に絶えてしまうのも納得できる。

今日は2時間ほど山仕事をした。
伐採したコナラの後片付けだ。枝を抱えられるだけ抱えては、ちまちま運ぶ。
自分はクロナガアリ、とつぶやきながら。

そういえば、昨日、観察会の下見に訪れた都城市の志和地で、クロナガアリが盛んに種子を運んでいた。
真冬にアリの行列という光景には違和感があったが、そのすぐ隣ではナナホシテントウが3匹日光浴しており、そこだけ切り取れば、まさに小春日和であった。
posted by やまかます at 23:11|

2019年02月07日

関東フィールド歩き〜その3〜

2月1日は快晴。この日はかつて住んでいた東京都、清瀬市野塩の中里緑地保全地を歩いてみた。

抜けるような青空は心地よいけれど、前日の代々木公園の時と同じく気温はかなり低め。
一緒に歩いたのは絵本作家のIさん。
午前中、空掘川沿いのヒサカキでホタルガの越冬幼虫を探してみたが見つからず。
クワコの越冬卵を探していたら、桑の枝にアメリカザリガニの頭部が刺さっていた。モズの「はやにえ」だ。
秋津駅北口近くにあるカフェギャラリーで昼食をとりつつ、虫のお話し。
ゆったりランチの後は雑木林へ。
保全地だから仕方がないのだろうが、遊歩道のロープ柵が強固になり歩けるコースの制約も厳しくなっていた。
自然観察歩きには一層、窮屈になったなあと感じた。

Iさんがロープ柵に佇んでいる冬尺蛾のメスを見つけた。
写真は2頭目。

フユシャク♀1日-7287.jpg

午後4時過ぎ、強風に煽られながらも懸命に飛翔する冬尺蛾のオスがいた。
「うん!このオスはやけに興奮しているなあ。近くにメスがいるんじゃない!」

林の縁にある金網柵を舐めるように見ていくと、やはり無翅のメスがいた。
メスは性フェロモンを放ってコーリングしているのだろう。
飛んだり歩いたり、オスはどうやらメスを目指していることが窺えたが、風が邪魔をしてなかなか辿り着けない。
Iさんと私は「頑張れ!」だの「あともう少し!何やってんだよお」などと声援を送りつつ
この結末を見逃すことはできない、とじっと見守り続けた。
散策する人が不思議そうな顔をしては次々と通り過ぎる。だが誰も冬尺蛾の存在すら知らないだろう。

かつて、繭上でコーリングするウスタビガのメスの傍まで飛来したオスが、あと数センチという距離まで到達しておきながら、急に吹き荒れた風に流されて交尾に至らなかった、ということがあった。

その苦い観察経験を思い起こして心配にはなったけれど、結局、冬尺蛾のオスはメスにたどり着いて交尾が成立した。
交尾が成就して落ち着いたカップルの姿から、本種がクロバネフユシャクとわかった。

クロバネフユシャク-7306.jpg

写真の背景に見えるのは明治薬科大学。
この日は受験日だったようだ。観察を終えて駅に向かうと、狭い歩道には受験生の長蛇の列が続いていた。

posted by やまかます at 00:14|

2019年02月04日

関東フィールド巡り〜その1〜

先月、29日〜今月1日の四日間、関東のフィールドを歩いた。
夜は打ち合わせと新年会。5泊六日の日程に隙間なくスケジュールを詰め込んだ。

初日は、秩父市方面に総勢7名が参加。

午前中、狙いのヤンマタケがあっさり見つかり、びっくり。
冬虫夏草の壺を案内してくれたアベさんに感謝!
私も宮崎で結構探していたんだけど、成果なくずっと憧れていたヤンマタケ。

午後から奥深い渓谷の日陰に入ったのでかなり冷えた。滝には氷柱が、淀みには氷が張っていた。
山の斜面に佇むニホンカモシカを車窓から確認。河原に降りてみると、ニホンカモシカの糞もあった。

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同行の写真家、スズキさんが苔マットの下に見つけた、ミヤマツノカメムシ。
ミヤマツノ-7192.jpg

石をめくれば、コブハサミムシがたくさんいて、交尾や抱卵も観れた。

飯能市に下って、夜は一名加わっての総勢8名で新年会。
新年会のあと、飯能第一ホテルに投宿。このホテルは2004年8月に「むしムサの会」で一度泊まったことがあるので、実に15年ぶりということになる。
「むしムサの会」というのは、虫とムササビの観察を行う集まりだった。

posted by やまかます at 23:06|

2019年02月02日

蛹化

しばらく家を空けている間も、ヒメクロホウジャクたちは前蛹のままで、
今日、昼過ぎに帰宅後しばらくしてから、1頭が蛹化した。
まるで私を待っていました、とばかり。

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蛹の体色がしっかりと色付くにはもう少し時間が掛かるようだ。

林に降りて、産卵痕のついたメダケとホテイチクの枯れ茎を割ってみた。
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ニホンホホビロコメツキモドキのメスが入っていた。ほぼ標準サイズ。
顔はもちろん歪んでいます。

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追記)産卵痕のある枯れ竹を割っていると、ニホンホホビロコメツキモドキではなく、蛾類の蛹殻や幼虫が入っているものがあり、気になった。蛹殻はどれも糸で綴ったハンモック内にあり宙に浮いている。ハンモックは竹の内壁に穿たれた極小の脱出口につながっており、ここから羽化成虫が出て行ったことは間違いないだろう。
しかし、この蛾類幼虫はいかにしてニホンホホビロコメツキモドキの幼虫室に侵入したのだろう?
そして餌は何であったろう?
かなり前からこの蛾類幼虫には気付いていたのだが、そろそろこの宿題にも取り組まねば。
posted by やまかます at 22:34|

2019年01月26日

冬本番

朝から冷たい北風が吹き荒れ、日差しがあっても体感気温はすこぶる低い。
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飼育していたヒメクロホウジャク幼虫は三頭とも蛹部屋に落ち着いた。
吐いた糸はわずかで、蛹部屋と言ってもあっさりしている。

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この様子だと、明後日からの遠出に彼等を連れて行くことになりそうだ。
できればそれは避けたいのだが。
posted by やまかます at 21:43|

2019年01月19日

間に合った!食草アカネ

今朝になって、ヒメクロホウジャク幼虫の食草がほぼ食べ尽くされていた。
わずかに残っていたアカネの葉を補充できたが。それでいよいよ最後。

しかし、今日は所用で宮崎市の清武町に出かけたので少し探してみたら、あった!ありました。
迷って入った林道沿いに。
元気なアカネの株が、しかもたくさん。
やはり三股町より宮崎市の方が暖かいようだ。

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3頭とも鮮やかなピンク色になった。熟齢となったから、これだけ餌があれば充分だろう。

少しだけ歩いた、加江田渓谷。
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陽射しがあってムラサキシジミとムラサキツバメがたくさん、舞っていた。

ホウライチクの筍には、タケツノアブラムシのコロニーが一杯。
兵隊アブラムシもたくさんいて、息を吹きかけると一斉に前脚を上げて振る。

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ホウライチクは主に海岸寄りに生えており、ここ加江田渓谷も海に近い。
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私の住む三股町は内陸だから、ホウライチクは極めて少ない。
posted by やまかます at 22:18|

2019年01月16日

ヒメクロホウジャク幼虫、終齢になる

隣の栗林に落ちていた、テンの糞。
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食べた果実は何だったろう?
つきとめておきたい。


アカネはもう残っていない、と諦めかけていたが、しつこく探していたら見落としがあった。
助かった!
で、ヒメクロホウジャク幼虫3頭は次々と脱皮して、終齢となった。
3頭とも褐色型に変身。

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となると、ますます食欲旺盛になる。家の周辺だけで、アカネ探しはどこまで続けられるだろうか。
posted by やまかます at 22:35|

2019年01月11日

窓際飼育

ヒメクロホウジャク幼虫の食草は、アカネ。

アカネは多年性植物。今の時期、地上部は枯れてしまう。
近所でなんとか残っている葉を集めてきたが、もうこれでおしまい。
弱々しい茎を折らないよう、腫れ物を扱うように大事に摘み取ってきた、希少な食糧。

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ここまで色褪せては栄養も乏しいだろう。
成長が遅いのは気温のせいだけではないはず。

先日脱皮してから急に食べる量が増えたので、ケースを二つに増設した。
海苔の容器を逆さにして、天井は通気が良くなるように網蓋とした。
晴れた日だと容器の内壁に水滴がつくほど高湿になるので、それを避けるためである。
アカネの水揚げは良好。

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さて、どこかでアカネを探さねば。

一方、ユズの葉を食べてゆるゆると育ったナガサキアゲハ幼虫は今夜になって、蛹化した。やっと!
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炊事していた嫁さんが蛹化の場面をリアルタイムで見ていたようだ。

「なんで今頃、蛹になるの?大丈夫なの?」

まあ、当然の疑問かと思う。
posted by やまかます at 23:05|

2019年01月09日

シンジュサン繭

カラスザンショウの根元辺りを探ってみた。

昨年見つかっているので今年もあるだろうとの狙い通り。
枯葉そっくりだから、その気になって見つめないとね。

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裏返してみると、はっきり繭だとわかる。もちろん、シンジュサンの繭だ。
分厚い糸壁はかなり硬い。繭の中では蛹が冬越し中。

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少し高い位置にもう一個あったが、ケヤキの枯葉に見事に化けていた。

昨年、12月17日に終齢となったナガサキアゲハ幼虫が昨日、ようやくのこと前蛹となった。
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南向きの窓辺で飼育しているのは他に、ヒメクロホウジャクとつい先日見つけたばかりのベニシジミ、2種の幼虫。
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ヒメクロホウジャクは昨年11月30日に産卵されたのだから、なんとも成長が遅い。
4頭いたが、1頭だけは途中で死んでしまった。
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そもそも、食草のアカネがほとんど枯れてしまっている。なんとか緑葉を見つけては給餌してきたが、そろそろ限界かもしれない。


ナガサキアゲハもヒメクロホウジャクも、自然下ではとっくに凍え死んでいたことだろう。
両種とも産卵のタイミングが遅すぎたのであろう。

ヒメクロホウジャク幼虫の尾角の色が黒くないのが気に掛かる。脱皮してまだ時間が浅いためだろうか?


posted by やまかます at 22:24|

2018年12月11日

Hatchingふ化

先月30日に見つけた、ヒメクロホウジャクの卵が昨日から今日にかけて孵化した。

幼虫の顏が透けて見え始めると、ふ化は近い。
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硬そうだけど、おいしいのかな? 
ふ化後しばらくして、卵の殻はぜんぶ食べちゃう。

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お尻の角がご自慢です。
アカネの若葉をさっそくいただきました!

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けれど、もう12月も半ば。だいじょうぶかな?

それと、謎のたまごの方はついにふ化しなかった。
なんでだろう?
posted by やまかます at 23:19|

2018年12月05日

ふ化間近

ここ数年でクヌギカメムシ受難の現場を見る頻度が、あきらかに増えた(都城市神柱公園)。
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ヨコヅナサシガメ幼虫群は、自分たちのすまいに出入りするあらゆる昆虫を獲物としている。
この補食圧がクヌギカメムシの繁殖にどれだけの影響を及ぼしているのだろうか?

それはともかく、先日すでに交尾を確認したにも関わらず、クヌギカメムシの産卵行動や卵塊がまったく見られない。
目線の高さでは3頭が補食されていて、他にも死骸が2頭あった。

「おかしいな?どうしたんだい」とクヌギの高所を眺めていると、体を樹肌に密着させて産卵しているメスが何頭かいた。5メートル以上の高さだ。
もっとも、高い場所だからといって安全とは限らないが。


神柱公園にある4本のクヌギ大木を見て回ると、ヒメクダマキモドキの♀幼虫がいた。
後脚2本とも失っているのは何かアクシデントがあったのだろう。

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このあと順調に羽化して成虫になったとしても、今の時期にも生き残っているオスがいるだろうか?見かけるのはメスばかりだ。
番相手のオスに遭遇できる可能性は低いように思える。


さて、アカネで見つかった謎の卵(先月30日に発見)に、ふ化の前兆が現れた。
全体に紫色を帯びて、幼虫の頭部や体毛が透けて見える。


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ちなみに、この卵の直径は1ミリ以下で、肉眼ではほぼ見落としてしまう。
posted by やまかます at 20:14|

2018年12月02日

アカエグリバ、ふたたび

サルトリイバラの枯れ葉は、今にも落ちてしまいそうだが、
昨日見つけたアカエグリバはまだそこにいてくれた。

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きっと今日が見納めになるだろう。

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posted by やまかます at 22:14|

2018年12月01日

アカエグリバ

朝から、ビーぶ、ビーぶ、ビ〜、と豚の鳴き声が賑やか。
聞き耳を立ててみると向かいの丘の薮中からだ。

「あ! イノシシが罠に掛かったな」

鳴き声は豚そっくりだ。

昼過ぎになって「パアーン!!」という発砲音が聞こえた。
自宅林から見下ろすと、谷津田の農道に軽トラが1台停まっている。

罠に掛かったイノシシの止めをさすのに鉄砲を使うこともあると、先日、寄り合いの席上で聞いた。
しかし通常はナイフを使用するという。そういう場面をテレビで見たこともある。

少し間をあけて二発目が鳴り響いた。結構大音響だ。

軽トラの荷台に載せられたイノシシは小柄で、おそらくまだ幼獣だろう。
二発の発砲音がいかにも不釣り合いに感じた。

さて、サルトリイバラの枯れ葉を眺めていたら、目が合ってしまった。

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アカエグリバだ。
ちゃんと枯れ葉を選んでいるかのようにも見える。


posted by やまかます at 20:59|

2018年11月30日

アカネとヒメクロホウジャク

キアゲハ幼虫の行方を追い地面を眺めていると、
スイスイと視界に入ってはまた出て行く、ヒメクロホウジャクがいた。

「何かにこだわっているな、なにかを探しているな」と、見てすぐ判る飛び方だった。

狙いを定めてピタリと縋り付いたのは、アカネの若葉だった。


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うっかり見落としていたけど、狭い範囲にアカネが繁茂していた。
ヒメクロホウジャクが気付かせてくれたわけだ。
グイとお腹を直角に曲げて産卵すること、2回。さっそくその葉っぱをめくってみれば、、、

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アゲハチョウの卵をほんの少し押し潰したような卵が、キラリ。

若葉を次々とめくってみれば、3個目も見つかった。レモン色の蛹を撮影したいのでもう少し卵を追加しておきたい。
産卵シーンの撮影はたっぷり時間を掛けないと、タイミングが難しい。今年は無理かもね。

ところでヒメクロホウジャクとは別の卵も同じアカネの葉裏で見つかった。


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一回り小さいし模様もあるけど、これは誰の卵だろう?


6日前に載せたナガサキアゲハ幼虫を回収した。
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今の時期に若齢ではちょっと心配。ユズの葉をモリモリ食べ始めた。

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posted by やまかます at 22:29|

2018年11月19日

雨上がり

今日のキアゲハ5人兄弟。
とにかく食べて寝るだけ。

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兄弟たちを乗せたシラネセンキュウは、わが家のすぐ傍にある。
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雨水を纏った、ヤマトカギバ幼虫。
だんだんと寝床が狭くなる。

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リンゴドクガ幼虫の体毛に、雨滴。
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雨止んだら、さっそくお食事を。
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今日もツワブキ食堂でアブラムシをチューチュー、ワカバグモ

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ここは、イイなあ〜!
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posted by やまかます at 22:23|

2018年10月17日

蝶かご

ねぐらについたチョウには、畑の畦道で出会える。

葉裏で逆さになるのは、キタテハ

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葉表に佇むのは、タテハモドキ
種類によって寝姿にもそれぞれの個性がある。

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先日、採集したヤママユのメス。

採卵籠に入れてクヌギの梢にぶら下げておいたら、産卵してくれた。
採卵かごは、竹で編んだもので縦横15センチほど。長野の安曇野では「蝶かご」と呼んでいる。
今ではもうこの籠を編む人がいないとか。

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posted by やまかます at 18:32|

2018年10月16日

イモムシのパンチ、ぱんち、パンチ

庭のクヌギにクチバスズメ終齢幼虫がデンと構えていた。

尻尾をね、チョイとつまんでみたとさ。
みたくなるよね。え!?ならない?


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すると、怒ったとよ!! 口をおっぴろげて。


でもって、こんどはガツンと!きたよ。
速かったよ


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ちょっとだけど、チクリと痛かったとよ。
ほんとにちょっと、だけどね。

アブナイから、真似しないでね!




posted by やまかます at 20:15|

2018年10月07日

溶け込む虫、溶け込まない虫

うちの林にも欲しい、ネムノキ。

実生の一本や二本は生えているだろうと期待していたが、過去11年間まったく見つからない。

一番ご近所のお宅の庭にはネムノキの大木がある。道路沿いなのでよく見えるし、手で触れることもできる。
羨ましいなあ、と今朝も見上げていたら、目線よりもずっと上にいたのが、カキバトモエの幼虫
地衣類などにそっくりな姿。


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視線を落していくともっと下にもう一頭いた。
昼間休んでいるときは、こうして必ず頭部を上にして幹表面にいる。

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分断色であるため、隠蔽効果は抜群だ。最初からいるだろうと頭にあるけれど、やはり目にすると嬉しい。

うちの林のクサギでは、シュレーゲルアオガエルがじっとしていた。
じっとしていれば安心、なのだろうか?
カエルはまあ、皆おとなしい。


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葉っぱの色にうまく溶け込んでいる。

クヌギの幹で目立つ、コクワガタ

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コクワガタは主に夜間活動するし、平べったい体を活かして昼間は樹皮の隙間などにうまく身を潜めている。
じつはこの場所には台風で折れた枝葉が被さっていたのだが、私がどかしたのだ。


〜閑話休題〜

今年に入ってから、戦争小説を読み続けている。

作家は戦争体験がなく、2000年以降に発表されたものばかり。
熊谷達也『群青に沈め』から始まり、福井晴敏『終戦のローレライ』、島尾敏雄『魚雷艇学生』、、、、他にも数冊。
そして今日、読み終えたのが建倉圭介『デッドライン』(角川書店)。
読書は主に就寝前、もしくは病院の待合室か、航空機内、フェリー船内、など定番の隙間時間帯だが
『デッドライン』は三分の一読み進んだあたりから、ついつい昼間の撮影待機中にも読みふけってしまった。
ジャップ、バナナ、黄色い猿、と侮蔑、差別される日系二世の主人公が、アメリカ、ニューメキシコ州のサンタフェから日本の広島をめざす冒険小説。前半はとくに人種問題に関わる描写が濃い。

posted by やまかます at 20:23|

2018年10月02日

ヤナギの落とし物


今日は新聞社の取材が入ったので、フィールドに出る時間が中途半端になった。

そこでウチスズメ幼虫を探しに、再び早水公園へ。
ここでも台風被害でシダレヤナギが一本、根こそぎ倒れていた。
路面にはセンダンの実がたくさん落ちていて、まるで炒り銀杏。日本酒を一杯やりたくなった。

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こちらは、キハダの実。
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食痕の多いシダレヤナギの梢をしつこく探すも、ウチスズメ幼虫は見つからず。
どうも調子良くない。駐車場に引き上げようと歩き出してすぐ、目の前の棒杭の上を、
コムラサキの幼虫が歩いていた。

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おお!なるほど、台風のせいでヤナギから振り落とされたわけだ。
地面から上へ上へと辿り歩いた結果、棒杭の頂上で行き止まりとなり右往左往していたのだろう。

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ならば、他にも同様の犠牲者がいるはず、と隣の棒杭を見れば、

いました!それもお目当てのウチスズメ幼虫が。

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EOS-6D
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD+マクロツインライトMT-26EX-RT
posted by やまかます at 20:52|