
ハナミョウガの葉っぱが、山折りになっている。
これは、クロセセリ幼虫のしわざで、この裏側は蛹部屋となっている。そっと葉っぱをめくれば、クロセセリの白粉を纏ったゼリーのような薄緑色の蛹が鎮座しているはずだ。

期待を込めてめくってみた。 が、そこに蛹の姿は無く、白く敷き詰められた糸台座と張り糸が数本、残っているだけだった。糸台座には蛹のシルエットの名残りがくっきり。
考えられることは、何らかの天敵により蛹が食べられたか。去年の秋に蛹から成虫が羽化したあと、羽化殻(蛹殻)は脱落したか。あるいは、蛹室を拵えたけれど、幼虫は病気などで死んでしまい蛹化できず、死骸はとっくに脱落したか。
これまでにも、蛹があったのに冬の間に消失した、という事例をいくつも見ているので、やはり捕食者がいることはほぼ間違いないと思う。その捕食者とはいったい、何だろう?
トレイルカメラを蛹室の近くに設置して、現場の証拠動画をとらえることも一法だろう。

ヤマザクラの花吹雪が渓流に降り注いでいた。ヤマザクラは見上げてようやくチラッと、樹林天井の隙間に枝を伸ばしているのが見えた。
ずっと止むことのない花吹雪の下に立っていると、もういつ死んでもいいような、そんな気持ちもふと思いついたりする。


ミソサザイが賑やかに囀っていた。