

原型を留めないほどボロボロになったクヌギの朽木。素手で簡単に割り開くことができて、すぐにコクワガタ幼虫のトンネル巣が現れた。白腐れの朽木は人の目にも美味しそうに見えるし、手に感触が優しい。剥き出しにしたトンネル巣を苦労して埋め戻しておいた。

少し離れた場所には、メス新成虫が篭っていた。
このクヌギ朽木は台風時の強風で根本から倒れたもので、倒れてから10年近く経っている。
我が家に近い位置にあったけれど、斜面にあったため家屋とは逆の方角に倒れて大事には至らなかった。
根が全く張っておらずスッポリ地面から抜けて横倒しになった。倒れた後は太い枝を切り離し解体したが、幹は太かった。
1メートルほどに寸断したものの根っこ近くのは転がすのも一苦労するほど重量があった。
こんなのがいつになったら朽ちるのだろうか、などと思っていたが、数年経てキノコに覆われ、樹皮が次第に剥がれ始め、と朽木化が進行する様子を眺めてきた年月は今に思えばあっという間にも感じる。今日みたいに手でボロボロ崩していけば、もう地面には木屑がわずかに残るだけで、あの太かった幹の姿は消えて無くなる。クヌギの命の果て、を我が家の林ではもう何度も見てきた。