
コナラの葉っぱで繁殖するクロトゲマダラアブラムシのコロニー。
庭の真ん中に植えてあるコナラとクヌギは、毎冬、屋根の高さを超えないよう剪定し幹も目線の高さで切り詰めている。
そのため、低い位置にも盛んに枝を張るので観察には都合がいい。
踏み台に上がってみると、昨日見つけたクロトゲマダラアブラムシのたくさんのコロニーがあった。

有翅虫には、メス(画面左)とオス(画面右)がいる。
体色と頭のプロポーションなどで、一眼で区別ができる。オスの有翅型は今のところきわめて少ない。
有翅型メスは卵胎生で幼虫を産み落とす。卵胎生を行うメスは有翅型と無翅型の両タイプがいる。
そして、オスと交尾する無翅型メスは有性世代で、冬が深まるにつれ、幹や枝に越冬卵を産みつける。

有翅メスが増えつつあり、翅芽が膨らんだ有翅メスの終齢幼虫(上写真淡い緑色)が目立つ。

踏み台に上がったおかげで、ハミスジエダシャク幼虫も見つかった。高い位置なので普段ならまず目に入らない。
樹高を切り詰めているせいで、萌芽が盛んになり過ぎて、枝と枝が交叉して複雑に絡まるほど繁茂する。そのため、適度に枝打ちをして風と光の通しを良くするなどの細やかな手入れも欠かせない。自然観察を継続して楽しむためには、それなりの労力も必要ということだ。落葉がひと段落したら、枝打ち草刈り、などの作業が年末年始に控えている。