
町内に用事で出掛けたついでに、毎年恒例、「サナギ詣で」と称して早馬神社に立ち寄ってみた。
お目当てのサナギはすぐに見つかったが、サナギ探しの途中、ヒメクダマキドモキ♂にザトウムシの一種がくらいついているのが目に入った。
まだ生きているようにも見えるがヒメクダマキモドキはすでに死んでいた。森の掃除屋さんの呼び名通り、ザトウムシはミミズなど小動物の死骸にたかる。
近づいてよく見ると、ザトウムシの口器がリズミカルに動いているのがわかった。この建築物の日陰側の壁にはザトウムシが何頭か屯していたが、彼らの嗅覚はかなり優れているようだ。


今日見つかったアオスジアゲハの越冬蛹は、プレハブの物置小屋に4体(緑色型3、褐色型1)。
燈籠に1体(褐色型)。全部で5体のうち3体が緑色型、2体が褐色型、だった。

これまでの観察経験では、褐色型はきわめて少ない。一時は褐色型の蛹を躍起になって探した時期もあり、また本の仕事で写真が必要になったときは、飼育して淡い色だがなんとか褐色型の蛹を撮影したこともあった。
今日はしかしあっさりと、褐色型を2体も同時に見つけられて、素直に嬉しかった。

アオスジアゲハ蛹の体色は、蛹化場所に落ち着いて帯糸を形成する前のタイミングに、体に受ける光の量(照度比)などに影響を受けるようだ(平賀壮太『蝶・サナギの謎』(トンボ出版・2007年)。
蛹化場所に落ち着く時間帯が明るい日中であることから、太陽光の影響を大きく受けるわけで、アゲハのように蛹化場所の材質にも影響を受けるのとはメカニズムが違うようだ。
今日見つけた褐色型の蛹2体は、物置小屋の北側と燈籠の傘の下側で、どちらも終日薄暗い条件だった。

こちら宙ぶらりんになった蛹殻は一昨年蛹化した蛹で、しばらく観察していたが今年の春に羽化はできなかったものと思う。腹部には寄生者が脱出したであろう穴が空いていた。