今朝、ススキの葉裏を覗いてみれば、ゴイシシジミの卵は孵化したあとだった。
ポッカリ穴が空いた卵の殻に、それでもなお、カンシャワタアブラムシ幼虫が執拗に攻撃を続けていた。

ゴイシシジミの孵化幼虫は、すでに自ら吐糸したテント巣に籠っていた。

ゴイシシジミ幼虫は、アブラムシを捕食するのだが、アブラムシがお尻から分泌する甘露も飲む。
昔、学研映画の仕事でアブラムシの教育映画の製作に関わったことがある。
兵隊アブラムシの映像を撮る、ということになって飼育したり、アブラムシを集めたりして、当時は16ミリフィルムで撮影をしていた。撮影はプロのカメラマンが行い、私はスタジオでセッティングを担当。
生き物の撮影ではとにかく待つ時間も長い。カメラマンの方が他の用事で張り付けないときなどには、ときたまだが私がカメラにかじりついて撮影のチャンスを狙ったこともあった。
ゴイシシジミ幼虫のテント巣をずっと狙っていたとき、おもむろに幼虫が外に頭を出した。なにが始まるのだろう?と緊張してカメラマンの方のかたわらでじっと見つめていると、ちょうどアブラムシがお尻を上げた。次の瞬間、アブラムシが搾り出した甘露を、ゴイシシジミ幼虫が口で受け止めて吸い込んだ。
「新開くん、アブラムシを食わないよ。汁を吸ったけどね」
バクバク、アブラムシを食べるシーンが狙いだったのだけど、私は初めて見ることができた甘露吸いの行動に、えらく感動して喜んだのは言うまでもない。
もう40年近く前の話になるけれど、、、、、、。
ツチイナゴの幼虫がちょうど脱皮を終えるところで、このあとお尻を引き抜いて上向きになった。
