2023年08月20日

闇のなかの演奏家

三股町

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    OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

昨夜の午後9時過ぎ。部屋の中までクツワムシの鳴き声が賑やかに聞こえてくる。ちょうど今頃がピークだろうかと思わせるほどの大音量だ。
庭のすぐそこでも鳴いているので誘われるように外に出てみた。
しかし近い鳴き声は茂みに阻まれてクツワムシの姿がどうやっても見えないし、見えたところで撮影は無理。
そこで、敷地から出て道路向こうの雑木林まで足を運んでみた。
やたらと数は多いけれど姿は見えず。ウロウロしているうちにやっと、至近距離まで寄れるオスが見つかった。
しかも、鮮やかな緑色型。
クマイチゴの葉舞台にズンと落ち着いて、カメラやストロボがすぐ間近に迫ってもまったく動じない。

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     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO FlashQ G20U

クツワムシやタイワンクツワムシの夜間撮影はずいぶんと行なってきたけれど、懸命に鳴いているオスのところにメスが寄ってくるとか、ましてや交尾とか、配偶行動に関わる生態を一切観察できていない。オスが鳴いている写真はもういいので、メスとの出会いに一度は立ち会ってみたいものだ。

夜の生きものを撮影するとき、表現意図によってストロボの使い方(照明)にはいろいろある。
宵闇の雰囲気を損なわずにを第一条件とするとき、カメラから離した位置からストロボ1灯を使うことが多い。
このとき、光が画面全体に回るのを抑え、虫の姿のみが浮き上がるよう、スポット光としている。
ストロボの発光部に小型ハニカムをつけてスポット光にできるので手軽だが、スポット光だからちょっとした向き加減で光の当たり方がかなり違ってくる。事前にモデリング発光で確認することも可能だが、今使っているFlashQ G20Uにはその機能がないので、実写しながら照射角度を詰めていくしかない。
フォーカスを合わせるための照明は、カメラリグにあるシューにLEDライトを装着できるように工作してある。
posted by やまかます at 20:29| バッタ