ガマズミの花上を舞う、ジュウシチホシハナムグリ♂

今日も数頭のジュウシチホシハナムグリが来ていた。
黒色型オスメスの交尾カップルを見ていたちょうどその時、ブオオオオオオ〜ン!と羽音が舞い降りてきたかと思えば、
オオスズメバチ女王が一瞬にしてこのカップルを大顎で咥えとり、そのままクリの高い梢まで持ち去って行った。
葉蔭で姿は見えなかったが、ハナムグリを噛み砕くパチパチという音が聞こえた。
巣に持ち帰る前に肉団子に加工していたのだろう。
待っていれば再びオオスズメバチが戻って来るとは思えたが、意識して待つとなるとそれなりの覚悟が要る。
偶然とはいえまさに絶妙なタイミングであったわけだ。
ふと足元を見れば、ホソミオツネントンボのメスが舞い上がってはまた同じ場所に戻る、を繰り返していた。
よほどお気に入りの止まり場なのか、まるで糸で繋がっているかのように何度も何度もきっかり戻ってくるので、
思い切り近寄って撮影できた。

昨年、庭のエノキは裏年でほとんど結実しなかったが、今年はたくさんの果実をつけている。
そこへ毎日のように飛来しては賑やかに枝から枝へと飛び跳ねているのが、カワラヒワの親子だ。
巣立ちビナはもう親と同じくらいまで成長しており自分でも餌をとれるのだが、親にせがんでは時々餌をもらっていた。

カワラヒワが次々と啄んでいるのは、エノキの果実ではなく(まだ青い)、葉っぱについている虫コブである。
虫コブはとんがり帽子のような形をした、エノキハトガリタマフシ。
これを葉っぱからもぎ取り、嘴の中で器用に転がしながら割り開いて、中にいるタマバエの幼虫を啄んでいる。
もっとも虫コブを人が指の爪を立てて割ろうにも、これが硬くてそうそう簡単にはいかない。
カワラヒワの嘴はまるで缶切りのように強力だし、繊細さもあって(舌も使っているのだろう)中にいる幼虫を取りこぼしもしない。見事に幼虫を丸呑みする瞬間が写真でもよく判る。

