
目の前にクロコノマチョウが舞い降りてきた。午後5時過ぎ。
越冬開けのメスで、翅はだいぶ傷んでいる。
ネザサの上にピタリと止まったのでこれは産卵するかも、と思った瞬間、
クルリと体を反転させ葉裏にぶら下がる格好になった。ほんの一呼吸おいてお尻の先を曲げた。
産卵が始まれば警戒心も薄らぐ。そっとしゃがみながら接近。
今回の産卵数は2個だった。

午後1時過ぎ。今日は朝からよく晴れて陽射しもキツイ。
林を一巡して、キアシナガバチ女王の様子を見ておこうとカラスザンショウに近寄ってみれば、
二箇所ある初期巣のちょうど中間地点、ヤブムラサキの小枝にシンジュサンがぶら下がっていた。


ここに繭があったことは知っていたが、去年の古い空繭だろうと思い込んでいた。
例年、カラスザンショウで幼虫が育ち、冬になると根本近辺では繭が見つかっているが、
ここで繭から羽化した成虫を見るのは今日が初めてだ。

午後6時過ぎ

シンジュサンのメス。羽化したのは昨夜のことだろう。
本種の羽化時期としては早い。メスということは、夜になるとここでこのままコーリングを始め、
夜空を舞うオスを誘うはずだ。