都城市 山之口町
今日の写真は、2016年3月29日に撮影したもので、一連の写真は『野鳥のレストラン』(少年写真新聞社:2022)にも掲載してある。
EOS-70D EF-s55-250mm f4-5.6 IS STM
ヤマザクラの枝先にぶら下がるようにしてはしきりと何かを啄んでいるヤマガラを運転中に見つけ、そっと停車した。山を下る車道だが、ここを訪れる人は普段ほとんどいない。車一台通るのがギリギリの降り専用路だったが、他の車に迷惑をかける心配はなかった。
ヤマガラの動きは速く、車から降りていたのでは間に合わないので、窓ガラスを全開にして体を乗り出すようにしてカメラを向けた。
いったい何を啄んでいるのだろうとシャッターを切りながらファインダーを覗いているうちに、枝先についたムネアカアワフキ幼虫巣を突いていることがわかった。貝殻のような幼虫巣は枝先の芽に近いところに付着している。ヤマガラはそこを狙っては足場の安定しない枝先を渡るようにして移動していたのだ。
硬いエゴノキの種子すら割り砕くヤマガラのことだ、ムネアカアワフキ幼虫巣の殻を割り砕くことなどは容易で、あっという間に、中の幼虫を引きづり出していた。
ちなみに、ムネアカアワフキ幼虫の姿や羽化直後の様子など、4年前のこちらに掲載している。
その4年前の羽化シーンは年度こそ違え、月日はまったく同じ、3月29日だった。
この3月末頃というのは羽化時期であって、ムネアカアワフキ幼虫は成熟してプリプリに肥えているのだろう。
ヤマガラは、幼虫が食べ頃となるこのタイミングを知ってか知らずか?
『野鳥のレストラン』に掲載した写真の撮影裏話のようなことを、また折を見て書いてみようと思う。
今日の午前中は、ちょっとした嵐のような雨と風だった。雨は昼前には止んだけれど、北西風は夕方までずっと吹き荒れていた。本日の撮影現場ではまったく成果ないままに終わった。
現場を切り上げると一旦街へと出て、夕食の食材を少し買ってから帰宅した。車という移動手段がないと困るけど、撮影現場までの移動時間が短い(数分〜20分以内)というのは、自然写真の仕事をしていてこれほど助かることは無い。
2023年02月19日
ヤマザクラとヤマガラとムネアカアワフキ
posted by やまかます at 21:04| しわざ