2023年01月31日

蛹の運命とは

三股町

午前7時14分
アオスジアゲハ越冬蛹-1062070.jpg
霧島山      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

昨日とは打って変わって、雲一つなく大気はどこまでも澄んでいた。

アオスジアゲハ越冬蛹-1317627.jpg
      OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

先日(1月18日)神社で見つけたアオスジアゲハ越冬蛹を再び見ておいた。
前の記事では褐色型とは書いたが、褐色と緑色の中間型といえる。

私は蛹色について緑色型と褐色型と大雑把に捉えていたが、

『蝶・サナギの謎』平賀壮太著(トンボ出版:2007)によれば、
アオスジアゲハ蛹の体色には、明黄緑色、淡緑色、灰緑色、赤褐色、の4色型があるとされる。
その4色型に照らしてみると、上写真の蛹は、赤褐色型と淡緑色の中間型とも言えるだろうか。
なお、同書によれば、体色を決める条件は、太陽光の明るさに影響を受け、その色彩決定時期は、脱糞後、帯糸を作るまでの時間帯(前蛹になる手前)ということだ。したがって、蛹化場所の材質の違いなどの影響を強く受けるナミアゲハとは色彩決定の仕組みが異なるという。

アオスジアゲハ越冬蛹-1317629.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

神社の手水場の庇や手水石、灯籠など人工物を舐めるように探ってみると、崩れた蛹殻や帯糸、台座糸などがいくつか見つかった。無事に羽化できた蛹、寄生されて死んだ蛹など、アオスジアゲハ蛹の辿った履歴が手に取るように読み取れる。

アオスジアゲハ越冬蛹-1317636.jpg
     OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

日中は気温が上がって、庭ではアブラナを訪れるニホンミツバチの姿が多く見られた。今日はあえて、超望遠レンズを使ってみた。

ニホンミツバチ-1000401.jpg
       OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO

昨日は空振りに終わったオオミノガのオス幼虫探しだが、、、。
今朝のこと新たに多数の蓑を発見できて、中を調べてみると、今度はオス幼虫を7頭、メスを1頭、確認できた。
このことで、これまで迷走していた、オオミノガ幼虫の雌雄の違い、判別法が整理できてしっかり理解できたと思う。

さて、、、、、、、、、

私のこれまでの仕事のなかで、蛾の暮らしをテーマにした写真絵本は、7冊。

『ヤママユガ観察事典』(偕成社:1998年)
『どこにいるの?シャクトリムシ』(ポプラ社:2007年)
「いのちのカプセル まゆ』(ポプラ社:2008年)
『イモムシ』(ポプラ社:2013年)
『うまれたよ!カイコ』(岩崎書店:2013年)
『ぜんぶわかる!カイコ』(ポプラ社:2015年)
『ヤママユが紡ぐ緑の宝物〜里山のヤママユ』(小学館クリエイティブ:2017年)

今夏、新たに蛾のテーマを取り上げた写真絵本を刊行予定で作業を進めており、それで8冊目になる。

最初の『ヤママユガ観察事典』を出す以前から、児童書で扱われる「蛾」のテーマ本が少なく、あっても種類が偏っていることがずっと気に掛かっていた。ヤママユという野蚕を取り上げたことは一つの快挙だったと自分では思っているけれど、それは始まりに過ぎない。やはり地道な作業をずっと継続していくしかないと思う。
来年以降、さらに9冊目、10冊目までの計画は練っている。だけれど、実現できるかどうかはそのときまでわからない、と言葉を添えることが多くなった自分の年齢だ。
posted by やまかます at 20:14| しわざ