2022年11月01日

グミの香り漂う諏訪崎

愛媛県 八幡浜市 

フェリー出航まで時間があったので、港を見下ろせる「諏訪崎」に寄ってみた。ここは海に突き出した3キロほどの半島。半島は常緑樹林に覆われている。
駐車場から半島の突端まで2キロほどの遊歩道が続く。

気温が低く曇天で、活動する虫の姿は予想通りまったく皆無。遊歩道の入り口には今どき珍しい、公衆電話ボックスがあって、その蛍光灯の灯りに飛来した、ウスバツバメエダシャクが2頭、ほかにもシャクガ類が2頭、アオマムシ1頭、それだけが居残っていた。

ウスキツバメエダシャク-1051917.jpg
   OM-1 M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8

遊歩道を歩き始めるとすぐ、ナワシログミの甘ったるい香りがしてきた。

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     OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

足下の路面にはウバメガシのドングリがばら撒いたように転がっていた。
パリンッと潰れる音、これを踏まずして進むのは難しい。

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      OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

アベマキ-1051925.jpg
    OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

薄暗いツバキ街道を進むとやがて、急峻な降り坂に差し掛かった。帰り道は難儀しそうだ、と躊躇したくもなりかけたが半島先端は見ておきたい。時間的には寄り道をしなければ往復ギリギリ間に合いそうだった。

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    OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO 

ゴツゴツした岩場の狭い道を降ると、半島突端に出た。
海原の上空を大きなミサゴが舞っていた。長い翼が特徴的で、海面近くに上がってくる魚を狙っている。しばらく旋回していたが、そのうち港の方へと去って行った。

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       OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

突端から引き返す登り坂はまさに心臓破り。200メートルほどだがこれがキツい。登り切った空き地にあるコンクリ製の長椅にしばらく座って休憩。しかし、あまり時間の余裕もないのでせいぜい2分程度で出発。

薄暗い遊歩道沿いの崖に、小さな白い花を見つけた。センブリだ。
花数は少ない。

センブリ-1051981.jpg

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     OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

ツバキに巻いてある樹木名のプレートをめくると、ミノムシの一種が身を寄せて潜んでいた。蓑に隠れているのに、さらに蓑ごと身を隠すとは、ずいぶんと用心深いためだろうか。
一つ宿題が増えたような気がする。

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     OM-1  M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

遊歩道を歩き終えて駐車場に戻った頃、ポツポツと雨が降り始めた。
駐車場からクネクネ道を下っていけば、10数分で八幡浜港に着いた。乗船手続きをする前に、港の魚市場に立ち寄り、今日は、活きのいいイサキとモンゴウイカを買った。

来た時(29日)、下船時にはうっかり気づかなかったのだが、フェリー乗り場が少し移転して建物がリニューアルしてひとまわりデカくなっていた。以前の建物は解体作業中だったが、昭和の名残がまた一つ消えてしまった。








posted by やまかます at 21:36| 草花