2022年02月12日

カラスの目

三股町

居間の窓は大きく広く、南面の林がよく見える。

このところカラスがなにやら採餌する様子を窓越しによく見かける。
クヌギやアカメガシワの、ウロや樹肌からなにかしら獲物を啄んでいる。なんだろう、と気にかけて見ているが獲物は小さ過ぎてすぐに飲み込まれてしまうので、なかなか正体が掴めない。

今日の昼過ぎにもクヌギに舞い降りた、ハシブトガラス
もうすでに何かを察知していたのだろう。枝に止まって一瞬上空を警戒した後すぐに、嘴を樹肌に突っ込み始めた。

ハシブトガラス-2123788.jpg
 OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

苔布団の下に嘴を差し込んだ。
ハシブトガラス-2123791.jpg
 OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

獲物は一飲みで消えていた。
ハシブトガラス-2123796.jpg
 OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

2017年に刊行した『はじめて見たよ!セミのなぞ』(少年写真新聞社)では、
「セミの天敵」というページで、ハシブトガラスがセミの幼虫を食べるシーンを載せている。
この時のカラスの撮影以来、カラスの行動には一層興味を抱くようになった。

2016年の夏、東京都代々木公園でこの採餌行動を初めて目の当たりにして、本当に驚いたのがつい先日のことのように思い起こすことができる。
その後、2019年の夏、大学時代の先輩でもある鳥類研究者のMさんに同行をお願いし、代々木公園でカラスの採餌行動をあらためて観察した。鳥類研究者の間でもセミの幼虫を食べる習性については知られていなかったのであるが、現場を一緒に見てもらったMさんも驚かれていた。カラスはとにかく、よく見ているのである。よく見て、そしてしっかり食糧となるものを識別しているようだ。その眼力は地面にあるかないかの数ミリ径の穴をも見落とさない。
posted by やまかます at 23:01| とり