2022年01月25日

天蚕と山叺の卵

三股町

午前8時
今日も朝から曇り。今にも雨が落ちてきそうな一日になった。
朝と夕-1250088.jpg
 OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO MC-14

林床のあちこちに、カラスザンショウの落果が多い。
鳥たちにとっては貴重な食糧の一つだ。
カラスザンショウ果実-2258926.jpg
 OM-D E-M1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

傘を並べたような、ヒメウズの葉。

ヒメウズ-2258920.jpg
 OM-D E-M1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO

さて、ある方から、ヤママユ(天蚕)ウスタビガ(山叺)の卵の識別法についてのお尋ねがあったので、
両種の卵を並べて比較してみた。写真左がウスタビガ、右がヤママユ。

ウスタビガヤママユ卵-.jpg
 OM-D E-M5 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro 深度合成

ウスタビガの卵は写真のようにメスの繭上で見つかることが多いけれど、もちろん食樹の枝にも産んである。
両種の卵は一見して、大きさ、形の違いが分かる。ウスタビガは楕円形で俵型、ヤママユは丸型。
まあこのように並べてみれば歴然とはするが、野外の枝先で実際に見つけたときは、経験がある程度ないと迷うかもしれない、、、かな?

卵の表面には黒い模様がどちらにもあるが、これは産卵時に卵を包むように分泌される液体が乾いたものだ。
液体は最初、無色透明だが空気に触れているうちに黒く変色し、粘着性が次第に強まり、卵を枝や繭にガッチリと固着させる。
この産卵液とも言える糊状物質は、卵表面を覆う濃さの違いからか、見た目の黒っぽさの違いになって見える。
やけに黒い卵があったり、逆に白っぽい卵もあるわけはそういうことだと思う。

ウスタビガ卵殻表面の黒い固形物を一部、水で濡らしながら柄付き針の先で丁寧にこさげ落としてみた。

まずは、落とす前。

ウスタビガ卵-02.jpg
 EOS-M5 MP-E65mmF2.8 1-5×マクロフォト 深度合成

こさげ落とした後。
針先で傷がついてしまった。

(※ 「こさげ落とす」「こさげる」という言葉使いは、愛媛の方言の一つで「こすり落とす」という意味です。
体に染み付いていた方言が無意識のうちに出てしまいました。自分で久しぶりに使ったかと思います。)
ウスタビガ洗浄卵-01.jpg
 EOS-M5 MP-E65mmF2.8 1-5×マクロフォト 深度合成

卵の表面には無数の微細な窪みが並んでおり、その窪みに入り込んだ糊状物質まで除去するには、別の手段が必要になる。

天蚕(ヤママユ)飼育では、採卵したあと、卵の表面についた糊状物質を、高度さらし粉(次亜塩素酸カルシウム)を使ってほぼ完全に除去洗浄している。病原菌などから卵を守るためで、洗浄した後の卵はほぼ純白になる。


午後5時前になって、ようやく日の光を拝むことができた。
明日は晴れるようだ。
朝と夕-1250108.jpg
 OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO MC-14
posted by やまかます at 20:19|