2021年08月28日

昆虫観察会

三股町

観察会は午前10時〜だったので、少し早めに現地に入り、もう一度観察コースを歩いておいた。

折り返し地点の広場にある大きなアラカシの葉裏で、モンウスギヌカギバを発見。
観察会本番で参加者の皆さんに見てもらうと、その反応は様々だった。
おそらく皆さん、生まれて初めて見る生きものには違いないだろう。
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今回の参加者は、小学4年〜6年生の男女生徒30名と、数組だけお母さん、お父さんも参加。

アカメガシワの下で、樹液が出ている様子や、コウモリガ幼虫巣の仕組み、そして地面に落ちているカブトムシの死骸(2オス)の死因についてなど、少し詳しくお話をした。アカメガシワの樹液がクワガタやカブトムシなど、様々な昆虫の集まる酒場になっていることは、案外、知られていないようだ。お話しをしている最中に、タイミング良くヒメスズメバチが飛来してくれた。
昨日、同じ場所で下見の時にはいた、ノコギリクワガタのメス。
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ハグロトンボは捕虫網で捕まえて、光が当たる角度で翅が綺麗に輝くことを見てもらった。まじまじとトンボを見る機会が少ないのか、体の特徴について色々な声が上がって面白かった。

クズの花もちょうど咲き始めていて、「天ぷらにして食べると美味しいよ」と解説している最中、
コミスジが飛来してスイスイと上空を舞い始めた。
「え!?これは蛾じゃないんですか?」という声もあった。
これもタイミング良い登場で、コミスジはクズの葉に産卵し、葉っぱが幼虫の餌になる、という話をしたけれど、
お話だけではあまり心に残らなかったかもしれない。

道端に転がっていたヤマザクラの朽木は柔らかく、手でほぐしてわり開くと、クワガタムシ幼虫の糞トンネルが出てきた。
「これはクワガタムシ幼虫のうんちなんだよ」との説明に、
「気持ち悪い!」「汚い!」との反応があった。
「え?これが汚いって言ってたら、何にもさわれないよ。人間のウンチとは全く別物、ほら臭いもしない」
とさらに割り砕くと、コクワガタの幼虫が出てきた。
これには「わあ!」「おお!」という歓声しきり。

崖のキノコには意外と興味を持ってくれたけど、イグチの仲間であることを知っている男の子もいて驚いた。
「大きなアカヤマドリ、もあるよね」と。

サクラの幹では、アブラゼミがハラビロカマキリに捕まり鳴き叫ぶ瞬間に出会い、参加者の皆さんが釘付けになった。
「捕まえてセミを放してやろうよ」という声もあったけど、すでに頭を齧られているところ。
ここでも、カマキリの食事事情やアブラゼミの名前の由来など、しばらく観察しながらお話をした。
その途中、目線の高さを舞うタマムシが現れ、しかもこちらへと近寄って来た。
立ち枯れのサクラが多いので、産卵に来たメスであろう。死骸を拾った子もいた。
「死んでもこんなに綺麗なんだ!」との声。

観察コースの最後に、ツバキ葉上にいるヒラタミミズク幼虫を見てもらった。
ヒントを出してから探してもらい、女の子がやっと見つけてくれた。事前に用意してあった、幼虫と成虫の拡大写真も見てもらった。
観察コースの別の場所では今日も見つからなかった。どこといって似たようなポイントだらけでもあり、やはり探すのは難しい。幼虫はあまり移動しないだろうから、いればその付近で、繁殖、産卵したのだろう。

35度越えという猛暑の中、1時間45分程度の観察歩きは無事に終了。
コースのほとんどは日陰だったので、少しは歩き易かったとは思う。
出発点に戻ったところで、コース最初の方で見つけてあった、しわざの「ホワイトリップ」について、種明かしをした。
「ホワイトリップ」は意外とお母さん方の興味を惹くようだ。
観察歩きでは時間が経つのが早い。ほぼ予定通り、正午前には解散となった。


昨日、自宅林のアカメガシワで幼虫を保護していたアカギカメムシのメスは姿が無く、幼虫もすっかり消えていた。
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3個以外は全て無事に孵化しており、一個だけ1齢幼虫の脱皮殻が残っていることから、おそらく幼虫たちは2齢となって分散したのだと思う。孵化幼虫はわずか2、3日で2齢になったようだ。
余程、高所の果実へと移動したのか、あれだけ多数(約2,000頭前後)いたはずの幼虫たちの姿を全く確認できていない。
そのうち、脱皮殻が落ちてくることを期待したい。


〜使用機材〜
OM-D E-M1 MarkV
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO MC-20
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
マクロフラッシュ STF-8
posted by やまかます at 21:13| 観察会