三股町
5月25日、ノブドウの葉裏で孵化したスズメガ類の幼虫。
3齢まで飼育してから庭のノブドウに放して経過を観察してきた。順調に育って4齢になったところまで確認できていたが、その後になって姿を見失ってしまった。
てっきり、これは天敵に捕食されたかもしれないと諦めていた。
ところが今日になって、未練がましくノブドウに近寄ってみれば、葉っぱに食痕が増えており丸ごと葉っぱが消失していたりする。
オヤ?これはもしかして、と半信半疑でノブドウの蔓を持ち上げてみれば、ずっしり重量感たっぷりのデッカい幼虫が現れた(写真画面の矢印先)。
ああ!なんでこれまで見落としてしまったのだろう、しつこく探していたはずなんだけど。
ま、それはともかく、、、、、
すっかり成熟した幼虫は、明らかにブドウスズメ。体長は9センチ程度。
頭をすぼめて、独特な威嚇姿勢をとっている。
ところで「ブドウスズメ」という和名は、その昔には「クロクモスズメ」と呼ばれていた(『日本産スズメガ科幼虫図譜』松浦寛子(2004))。
成虫の黒雲と呼ぶにふさわしい翅の紋様からそう命名されていたようだ。ところが、なぜか和名が変更されてしまった。
ノブドウなどブドウ科を食べるスズメガ類は数種類いるので、「ブドウスズメ」はあんましふさわしい名前ではない、という松浦さんの意見に、私も賛同したい。一旦決まっていた和名をなぜ、変える必要があったのだろうか?
昆虫の和名はしばしば、変更されることが多い。その事情、理由はいろいろあるだろう。
前にも書いたが、例えば「アリスアブ」が「アリノスアブ」になった。個人的には大いに違和感がある。
あるいは「ウスバシロチョウ」がアゲハチョウ科なんだからと「ウスバアゲハ」に変更された(提唱された?)。「ウスバアゲハ」の和名はしかし反感も多かったせいか定着はしがたく、児童書などではわざわざ両方の和名を併記するというややこしい遺恨を残してしまった。和名は学術的な命名ではないので、あまし重視されない反動からこのような改編も頻発するのだろうか?
もっとも「和名なんかどうでも良いんだよ。世界に通用する学名がちゃんとあるんだからね。
いじりたい人がいてもそれはそれで良いんじゃないの」と、私の大先輩は平然とおっしゃっていた。そ、かな。
2021年06月16日
ノブドウで成長した、スズメガ幼虫の正体とは
posted by やまかます at 19:56| ガ