三股町
午前8時半
K子お婆ちゃんの畑の柿の木に、カワラヒワの群れが羽を休めていた。
「ほらほら、人がどんどん近寄るよ!みんな一斉に飛び立たなくてはね、そうでしょ?」とひとりごち、
カメラを構えて斜面を登り、ぐんぐんと柿の木に歩み寄るも、いっかなカワラヒワはのんびりと羽繕いなどしている。
もう目の前、という位置に立っても相変わらず。ここで大きなくしゃみでも出んかいなと叶わない望みに縋ってみる。
まだまばらなアブラナには、アブラムシもチラホラと少ないながら見つかる。
寒さには滅法強いナナホシテントウ、そろそろ活動が盛んになってきたようだ。
今日は夜になって雨が降り出した。
明日の午前中には止むようだ。
1993年というから、もう28年も昔のことで、当時私は34歳だった。
その年の10月、西表島と石垣島を訪れた。松山市の大先輩の虫屋さんお二人と同行したのだが、
そのうちのお一人がある昆虫同好会の冊子に採集記を投稿されていた。
久しぶりに記事を読み返してみると、書いた方の個性が滲み出ていた。当時撮影した写真はほぼぜんぶ未発表のまま。
ポジ写真は整理中で、かなりの枚数廃棄しているけど、南の島で撮影した写真を一寸眺め直してみよう。