しばらく前から、ツユクサの総苞内に宿る、ツユクサアブラムシを毎日のように見てきた。
インクブルーを纏ったツユクサアブラムシ、ひっそりとした小さなコロニーなど、わたし好みなのかもしれない。
毎朝、総苞をそっと開いていると、アブラムシに寄り添っている、円盤型の幼虫がいることに気づいた。
その姿はクヌギでよく見つかる、ヨツボシテントウの幼虫にそっくり。
はて?ヨツボシテントウに近似種のテントウムシって、なんだっけ?どこかで見たような記憶もあるような。
愛媛大学、昆虫学研究室の吉富博之准教授に伺ったところ、「モンクチビルテントウの幼虫」であろうとのご教示をいただいた。そして、本種は外来種であり、その故郷は台湾や中国、ベトナムのようだ。
なるほど、成虫の姿はヨツボシテントウとそっくりで、この情報を知らないとうっかり見誤ってしまいそうだ。
ご教示いただいた、吉富博之准教授に感謝いたします。
アブラムシには、アミメアリやヒメアリがよく通ってくるが、
モンクチビルテントウ幼虫に対しても、アブラムシと同じように振る舞い、決して攻撃したり、排除しようとはしない。
モンクチビルテントウはアブラムシのお尻にくらいつき、体液を吸う。つまり吸血するのだが、、、
なかなかチャンスに恵まれなかったが、ようやくのこと、その瞬間をしっかり観察できた(そもそも、幼虫の数が少ない)。
で、「え!?何それ!」が、わたしの第一声。
体液をすっかり吸われて、ぬけがら同然、萎んで白くなったアブラムシ。
ところが、しばらくすると、
萎んだ風船が膨らむが如く、アブラムシがまるで生き返ったように、元の姿に戻る!
「え!?なに、吸い戻し!」
体液をすっかり吸い上げたかと思えば、次には吐き戻し、これを延々と何度も繰り返すのであった。
「なに、これ!?どういうこと!? まさか遊んでいるわけではないよね」
吸血と吐き戻しという、ふしぎな行動を観察してから三日後、3頭の幼虫のうち一頭が蛹化した。
小さな、小さな、テントウムシのさなぎ。
モンクチビルテントウの幼虫は、様々な種類のアブラムシコロニーで見つかっているようだ。
今回、幼虫の飼育では、補充の容易い、クヌギトゲアブラムシを餌に与えてみたが、これもよく吸血していた。
ちょうどクヌギの新梢では、クヌギトゲアブラムシが大発生しており、今年生まれのスズメ若鳥たちが、毎朝、このアブラムシを啄んでいる。
E-M1 MarkU M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO 、 ZUIKO AUTO-MACRO 38mm f2.8 、 ZUIKO AUTO-MACRO 20mm f2
GODOX TT350 XPro O Nikon SB-30
2020年08月20日
モンクチビルテントウの食事作法とは?
posted by やまかます at 20:39| コウチュウ