2020年05月16日

クモが蜘蛛を食べる

オナガグモのメスがチュウガタシロカネグモを食べていた。自宅林にて。
オナガグモ捕食-5130155.jpg


オナガグモがクモ食いということを初めて知ったのは30年前で、場所は町田市の小野路。
事前にオナガグモの生態について知識もなかったので、目の前で繰り広げられる捕食シーンには驚いたものだ。

普段、オナガグモは体をピンと伸ばして一本の糸に静止しており、その姿は松葉と言われるほど、見事な隠蔽擬態である。
写真のように捕食行動をとらない限り、そこにいることすら気付かないことが多い、そんなクモだ。

メスの食事シーンを見た場所から少し離れたところに、メスより細い体のオスがいた。
オナガグモ♂-5140059.jpg

触肢が膨らんでいるのも、オスの特徴。
オナガグモは特徴のある形をした卵のうも作るので、印象に残りやすい。

以前にも書いたと思うが、観察会の現場でこのオナガグモを見てもらったときの、参加者の皆さんの反響も大きい。
具体的には、20〜30歳代の子育て世代のお母さん達を対象にした観察会で、このオナガグモを見てもらった時の話。
そもそも自然観察という視点で野歩きなどをした経験など、ほぼ無いに等しい方々ばかりだったので、見るもの全てが新鮮であったのは間違いない。
「どうして、どうやって、それが見つかるの!?」
「なんでこのクモ、ヒモみたいに細いの、ええ!どうして、信じられない!?」
「これ、生きているの!?ウソお!」

一応に驚き、ざわめき、感動、感激の嵐。
観察会を通じて私自身が学ぶことと言えば、そうした感動を改めて共有するということだろう。
普段、一人で進めている仕事では、読者の方々の顔を想像しようとできるだけ努めはするけど、それは難しい。
独りよがりに陥っているのでは、という危惧は必ずどこかに抱えている。

ススキの葉に食痕を残していたのは、クロコノマチョウの幼虫だった。庭先にて。
クロコノマ幼虫-1751.jpg

卵は数個以上がまとめて産卵されるので、通常なら兄弟が近くにいるはずだが、いくら近辺を探しても見つからなかった。

昨晩から激しい雨。
昼前後は特に土砂降りだった。夜になっても雨は止まず。
今日の写真は、数日前に撮影したものです。

posted by やまかます at 21:34| クモ