2020年02月29日

シロダモハコブフシ

自宅林に数本あるシロダモはどれも小木で、一番大きな木でも樹高はせいぜい4〜5メートル。

シロダモの葉には、毎年イボイボの虫こぶが多数つく。
虫こぶの名前は「シロダモハコブフシ」。
虫こぶを作った「しわざのヌシ」は、シロダモタマバエだ。

シロダモハコブフシ-8588.jpg


葉表に飛び出た虫こぶの高さは3ミリほどで、葉裏側では陥没したところに半球型の底部が見える。
シロダモハコブフシ下-8591.jpg


さて、今の時期、虫こぶの中はどうなっているかと言えば、シロダモタマバエの幼虫とサナギが入っている。
幼虫は1年で成長するものと2年かけて成長するものがいるからだ。
成虫が羽化するのは、3月末〜4月にかけて。

それとは別に、寄生蜂も2種知られていて、これらの幼虫も入っている。
だから虫こぶ内の幼虫の同定には注意が必要だ。
寄生蜂は、コガネコバチとシロダモタマバエコマユバチ。

寄生率はかなり高く、虫こぶの四分の三が寄生されていることもあるそうだ。
(参考文献:『虫こぶはひみつのかくれが?』湯川淳一 文、松岡達英 絵;福音館書店 たくさんのふしぎ傑作集(1998))

実際、うちの林のシロダモハコブフシのいくつかを割り開いてみると、寄生蜂の蛹が次々と出てきた。
幼虫も入っているがタマバエか寄生蜂のどちらなのかよくわからない。

シロダモタマバエの蛹と並べてみた。
写真左が寄生蜂の蛹。
シロダモタマバエ蛹と寄生蜂蛹-.jpg


この寄生蜂の蛹は、かなり長い触角をしていることから、シロダモタマバエコマユバチ、ではないだろうか?
羽化を待って確認したい。

寄生蜂蛹の大きさには差があるが、これは雌雄の違いだろうか。それとも栄養条件によるものか。
シロダモタマバエコマユバチ蛹-1.jpg

ちなみにタマバエ、寄生蜂とも、蛹は虫こぶの中で、頭を下向きにした逆さの姿勢で収まっている。

虫こぶを触ってみればわかることだが、葉表に飛び出ているこぶの壁は厚く、かなり硬い。
ところが葉裏の底部は薄くて、しかも内側から圧力をかけると、マンホールのように蓋が開く仕組みになっている。
タマバエ蛹の頭頂には鋭い突起があり、体を捻るようにして押し当てれば、強力な圧が掛かって蓋が開く、という仕組みだ。
脱出口が開くとそこから半身を乗り出してから、羽化する。

一方、寄生蜂は羽化した成虫が口で穴を穿って出る。さすがに蓋が開く仕組みまではプログラムされていないのだろう。けれど虫こぶ底部の壁が薄くて、脱出に適しているという情報はしっかり頭に入っている、ということだろう。
寄生蜂が羽化した虫こぶの脱出口は、ふちがギザギザになっていることでタマバエの脱出口とは区別できる。


ところで、コロナウィルス感染拡大が社会に及ぼす影響はどんどん加速する一方。
で、本来なら今頃は南の島に滞在しているはずだったが、出発の前々日に急遽、中止と決まった。
今回は個人的な旅行ではないので仕方が無い。まさかこのような形で自分の身の上にも影響が及ぶとは思いもしなかった。

posted by やまかます at 17:46| しわざ