2019年08月05日

樹液レストラン

地元新聞社の取材で記者の方を伴い、カブトムシ、クワガタムシを探してみた。
場所は三股町内の公園。

カブトムシはすでに残骸が転がっているだけで、一足先にカラスに食べられてしまったようだ。
しかし、大きなヒラタクワガタ
クヌギの樹液に来ていた。彼らは隙間に身を潜める巧みな術を心得ている。
ヒラタクワガタIMG_6763.jpg


アラカシでは、シロスジカミキリのメスがいた。
樹液レストラン開業の裏方だ。
シロスジカミキリIMG_6755.jpg


アルコール発酵が進んでプンプン臭う、クヌギ樹液の根本にオオスズメバチがいた。
元気が無かったが、一目で、スズメバチネジレバネ♀の頭部が覗いているのがわかった。
あんまりおとなしいので、これをケースに入れて持ち帰ったところ、スズメバチは衰弱して死にかけていた。
と!目の前でスズメバチネジレバネの頭部からワラワラと小さな幼虫が出てきた。
とにかく小さい。動いているから幼虫だとかろうじてわかる。
スズメバチネジレバネIMG_0092.jpg

数百、いやそれ以上のかなりの数。
黒っぽい方が、頭部。
スズメバチネジレバネ幼虫IMG_0102.jpg


微小なふ化幼虫をもっと鮮明に表現するのは難しいが、少なくとも6脚あって素早く歩行すること、
お尻に長い二本の細いヒゲがあること、などの特徴が見てとれる。

ネジレバネの頭部をピンセットで引っ張り出してみたら、
体本体が破れ、そこからもふ化幼虫が溢れるように出てきた。
スズメバチネジレバネは、『体腔内卵胎生』という特殊な産卵形態である。

寄生されていたオオスズメバチは弱って結局死んでしまった。
本来なら樹液レストランの場で親の体から分散したふ化幼虫たちは、そこでオオスズメバチの飛来を待ち、
自ら選んだ運搬者に便乗する。
で、便乗したオオスズメバチが帰巣するや、巣内で多数養われているオオスズメバチ幼虫に寄生するようだ。
スズメバチネジレバネふ化幼虫(1齢)の寿命は、わずかに5日間。



参照文献:
前田泰生・木船悌嗣『ネジレバネの生態(1)〜(5)』
インセクタリュウム 1990.Vol.27:4月~8月号)

posted by やまかます at 21:17| Comment(2) | ハチ・アリ
この記事へのコメント
寄生された働き蜂は外役を止め女王バチ化して越冬し、越冬後は樹液レストラン等の共通の餌場に居座って産仔し、他巣の働き蜂に寄生する、と言う流れだったと思います。(すいません、文献が思い出せません。)
Posted by あくれりす at 2019年08月17日 00:41
コメントありがとうございます。

スズメバチネジレバネ1齢幼虫の寄生の仕方について、誤解を招く記述だったので、訂正いたしました。

ネジレバネに寄生されたオオスズメバチのワーカーが、「異常に凶暴になる」ということが岩田久二雄『昆虫を見つめて五十年(1)』に書かれています。その凶暴性が1齢幼虫をあちらこちらにばらまくのに役立つのだろうという推測もしています。

私が見つけたワーカーは小柄で衰弱していましたが、ネジレバネのふ化が間近に迫ったことが影響していたのか?などと想像したりしていますが、本当のところはわかりません。
樹液レストランという所定の場所に寄主を縛り付けることがネジレバネ♀の狙いなら、寄主をおとなしくさせるようなんらかの操作をしていた可能性もありますね。
スズメバチネジレバネに関する最新の文献を見ていないので、このあたりの生態の仔細を知りません。
Posted by しんかい at 2019年08月17日 06:31
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