2019年06月12日

落ち葉の繭

イロハカエデの根元付近の落ち葉で見つけた、「しわざ」。
これは繭だろう。

6月12日2019-4.jpg


黒い輪っかの長径は8ミリ、短径6ミリ。
この繭の特徴は網状であること、そして二重構造になっていること。
外側の荒い網は黒い輪っかを土台にして、中の繭を覆っている。

こんな凝った仕組みの繭を作ったのは、一体誰だろう?

繭であるなら、内部に蛹の抜け殻が残っているはずだが、残念ながら中は空っぽだった。
それもそのはず、繭の側面に破れたような穴が空いており、これは何らかの外敵に食い破られた可能性が考えられ、
そうだとすると中の蛹は食べられて消失したのかもしれない。
そう断じる理由は、他に見つかった同種の繭では繭の片側にスッキリとした大きな穴が空いているものがあり、明らかに繭を作った主が羽脱した痕跡に見えるからだ。
けれどその繭でも中身は空っぽだった。

最初に紹介した写真は自宅に持ち帰ってから深度合成撮影をしたもので、
時間経過とともに乾燥している。
現地で見つけた時の状況はこちら。
黒い輪っかは湿った粘土状で厚みがある。
6月12日2019-2.jpg

大きさがわかりやすい写真はこちら。

6月12日2019.jpg


網状の繭が崩れてしまったものがこちら。
6月12日2019-3.jpg


この繭は、狭い範囲の落ち葉から3個、見つかっている。

3個の繭に共通している点は、

@ カシ類の葉っぱの表側にあること。
A主脈を中心軸にして、葉柄に近い位置にあること。



落ち葉の種類は圧倒的にカシ類(ほぼアラカシ)が大半を占めているので、3個が偶然に同種の葉っぱに集中したとも考えられる。
また繭が形成されたタイミングだが、樹上の生葉であったのか、それとも落ち葉であったのか、も気になる。
樹上で形成されたのなら樹種が共通していること、その位置が同じ条件に揃っている理由にも繋がるのではないか。しかし、繭の状況から、落葉するまでずっと長い間、葉上にあったようには思われない。そう感じるだけで根拠はないが。

黒い粘土状の輪っかは、繭のヌシが排泄、あるいは排出した物質であろう。

さて、この繭にはすこし心当たりがあって、学研の『日本産幼虫図鑑』(2005)を開いてみた。

ニレクワガタハバチの葉上(食樹ハルニレ)に紡がれる網目状の繭は以前、撮影したことがある。

スクリーンショット 2019-06-13 05.41.13.png

ハルニレ にあったその繭の写真は、2013年5月2日に撮影したもの。ブログ『ひむか昆虫記』には、

「シータテハ幼虫のすぐ傍には、いっぱい繭が見つかった。 繭の形状はクスサンのものとよく似ていて、網目状である。ただし小さい。 長径8ミリ程度。」

で、学研の幼虫図鑑の記載には、「越冬の際の繭は土中の浅いところに作られ、2層からなり、表層は網状に内層は密に紡がれる。繭内で前蛹になって越冬する」とある。

繭の構造についての記載は簡単だが、形状はぴったし符合する。
ニレクワガタハバチは、年4化。どうやら越冬時だけは繭の構造が念入りになるらしい。

もしかしたら、繭の正体は本種?
けれど確か、繭が見つかった周辺に、ハルニレはなかったはずだが、、、、????
posted by やまかます at 22:20| Comment(0) | しわざ
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