庭のシロツメクサの葉をひたすらめくる。
しゃがんだ姿勢が続くので結構くたびれるが、これも仕事。
いい加減飽きてしまうところだが、目的があるので何かに取り憑かれたように手を休めない。
どうしても知りたいことがあって、それを見届けない限り仕事にならないからだ。
先日からこの「シロツメクサめくり」を日課としているが、それでも目的の観察は一応は達成できた。
できたけれど、同じ観察をもう一度と願っても、これがかなり厄介。
追観察は思う様にはいかないが、そのうち別の課題が見つかってしまい、この作業を断つことが出来なくなった。
まあ、昆虫観察、自然観察というのは、そういうことだ。
ある生き物の暮らしの細目をできるだけ把握したい、自分の目で確かめたい、と願っても
それがすぐ目の前の草むらで営まれていながらも、あっさりと願いが叶うことは少ない。
だから、お目当の現場にバッタリ行き当たると、これはかなり嬉しい。
自分にとっては、宝くじに当たるよりか、嬉しい。
もっとも、私は宝くじをこれまで一度も買ったことがないのだけど。
さて、一昨日のこと、めくったそこに、
「うん!?」
これはどうやら、ハイイロフクロホコリ、という粘菌の子実体らしい。
この粘菌は地面からはい上がってくるという。
こちらはシロツメクサの茎に貼り付いていた。
下部ほど茶色だが、上の方では徐々に灰色になっている。
昨日、お隣の果樹園で、クリの樹液に集まっていた、サトキマダラヒカゲたち。
樹液に夢中のはずだが警戒心が強く、近づけば一斉に飛び去ってしまう。
もちろんそれは予測していたので、ひとまずギリギリの安全圏から撮影。
昨夜から降り始めた雨は夕方までひとしきり降り続けた。
あるゾウムシのスタジオ撮影で、深夜、数時間おきに起きては撮影待機。
結局、撮影が叶ったのは本日の正午過ぎだった。
ゾウムシの作業は延々と続いたが(8時間)、それを見ていると、私の待機疲れなどは大したことでは無いのだろうと思えた。