出掛ける前に戸締りしていると、窓の外にオニグモの一種が獲物を抱えていた。
糸に絡められていたのは、ツマグロヒョウモンのメス。翅の様子からして、羽化してまだ日が浅いか、もしかしたら今日辺り羽化したばかりなのかもしれない。
過去には同じ場所で、クロスジギンヤンマが掛かっていたこともある。
まさに窓の外は「昆虫の通り道」。蜘蛛はそれをよく知っているらしい。
ヤママユは袋がけで屋外飼育ができるけれど、微小な種類はやはり屋内で飼育するしかない。
できるだけスペースを倹約し、自由に移動できること、と言う条件で拵えて使っているのが、
「飼育タワー」。別名「Tタワー」。
タワーは、飼育ケースや小道具の収納スペースと一体化している。
30年前、新婚時代に使っていた台所ワゴンに、キャンピング用折りたたみテーブルを合体させただけだが、
意外と重宝している。合体工作は、ドライバー一本と結束バンドだけで事足りる。
2枚のテーブルはそれぞれ折り畳むことができて、オフシーズンなどには部屋の隅に片付けることができる。
左のプラかごに入っている竹筒には全部、ニホンホホビロコメツキモドキの産卵痕が付いている。
半数には実際、ニホンホホビロコメツキモドキの幼虫や新成虫が入っているが、
あと半数には、実は蛾類の幼虫が入っている。
蛾類の幼虫がどうやって、この竹筒内に入ったのか?何を餌にして成長できたのか?など
謎だらけ。で、羽化した成虫がどうやって外に出るかだが、小さな脱出口が見つかっている。
その脱出口って、どうやって開けたの? と、ますます謎が深まる。
あんまり飼育は好まないのだけど、小さな昆虫の暮らしを観察するためには
飼育することも必要だ。累代飼育は極力やらない。