実生の一本や二本は生えているだろうと期待していたが、過去11年間まったく見つからない。
一番ご近所のお宅の庭にはネムノキの大木がある。道路沿いなのでよく見えるし、手で触れることもできる。
羨ましいなあ、と今朝も見上げていたら、目線よりもずっと上にいたのが、カキバトモエの幼虫。
地衣類などにそっくりな姿。
視線を落していくともっと下にもう一頭いた。
昼間休んでいるときは、こうして必ず頭部を上にして幹表面にいる。
分断色であるため、隠蔽効果は抜群だ。最初からいるだろうと頭にあるけれど、やはり目にすると嬉しい。
うちの林のクサギでは、シュレーゲルアオガエルがじっとしていた。
じっとしていれば安心、なのだろうか?
カエルはまあ、皆おとなしい。
葉っぱの色にうまく溶け込んでいる。
クヌギの幹で目立つ、コクワガタ。
コクワガタは主に夜間活動するし、平べったい体を活かして昼間は樹皮の隙間などにうまく身を潜めている。
じつはこの場所には台風で折れた枝葉が被さっていたのだが、私がどかしたのだ。
〜閑話休題〜
今年に入ってから、戦争小説を読み続けている。
作家は戦争体験がなく、2000年以降に発表されたものばかり。
熊谷達也『群青に沈め』から始まり、福井晴敏『終戦のローレライ』、島尾敏雄『魚雷艇学生』、、、、他にも数冊。
そして今日、読み終えたのが建倉圭介『デッドライン』(角川書店)。
読書は主に就寝前、もしくは病院の待合室か、航空機内、フェリー船内、など定番の隙間時間帯だが
『デッドライン』は三分の一読み進んだあたりから、ついつい昼間の撮影待機中にも読みふけってしまった。
ジャップ、バナナ、黄色い猿、と侮蔑、差別される日系二世の主人公が、アメリカ、ニューメキシコ州のサンタフェから日本の広島をめざす冒険小説。前半はとくに人種問題に関わる描写が濃い。
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