家のどの部屋に行っても、デーンと居座っている姿がある。ゴキブリやムカデの登場となると大騒ぎする家族が、なぜかアシダカグモに関しては「大きなクモがいたよ」などと平然としている。それも、不思議ではある。
今朝のこと食事を済ませて仕事部屋に戻ってみれば、床にアシダカグモがいた。それも大きな獲物を抱えていた。
なんと、獲物は同種のアシダカグモ。つまり共食いだった。しばらくして、獲物は捨てられていた。
「うん?もしかして、このメスの死骸は昨夜、私の背後にいたヤツではないだろうか」
食べていた方のメスは、大きさ、色、そして片側の脚が一本欠けている特徴からして、
昨夜のメスとは明らかに違うからだ。
ともかくも、うちの家ではアシダカグモが定員オーバーして、それゆえ共食いも止むを得ないという食料事情が発生しているのだろうか。
しかし、共食いというのは、家族の者には悪い印象を植え付ける。
できれば、ゴキブリやムカデを捕らえている姿を見て欲しい、と願う。
ヨモギの葉を綴じ合わせた中にあった、マミジロハエトリの卵のう。そっと中を覗いてみた。