2022年10月01日
仮称、キンエノコロタマバエとは
OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U
キンエノコロの花。
イネ科の花のしくみは複雑でなかなか頭に入らないが、それでも色鮮やかなおしべとめしべ、はよく目立つ。
さて、昨日載せた記事のタマバエsp.を仮にキンエノコロタマバエと呼んでおこう。
(ちなみにもっと短い名称にしてエノコロを略そうかとも思ったがそれはそれで声には出しづらいので却下)
キンエノコロタマバエは、キンエノコロの果実から羽化するのだけど、ほかのエノコログサやアキノエノコログサではどうだろう。キンエノコロと並んで生えているアキノエノコログサはおおきな花穂で背丈もあるので観察し易いが、こちらでは成虫も羽化殻も今のところ見つかっていない。そしてエノコログサはうちの敷地内では生えておらず確認できていない。キンエノコロに限定されるのかどうかは興味深いところだが、今後の観察を待つしかない。もしもキンエノコロ限定でないことが判明すれば、エノコロタマバエという仮称のほうがふさわしいだろう。心の片隅ではキンエノコロタマバエという名称案に肩入れしたいところもないではない。
OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U
上写真の真ん中2個の果実がタマバエ蛹の入った果実で白く変色している。大きさは正常な果実とほとんど差がない、と言っていいだろう。
E-M1 MarkU MP-E65mm F2.8 1-5×マクロフォト FL-36R
白く変色した果実(虫こぶ)の中を割り開いてみた。でっぷり肥えたオレンジ色の蛹が窮屈そうに納まっている。
頭頂部はわずかに尖っているが、ノブドウミタマバエの蛹にあるような長くて尖った突起ほどではない。
ノブドウミタマバエの蛹は硬い果実内でトンネルを穿ち、果皮を突き破って外に体を乗り出す必要があるが、キンエノコロタマバエ(仮称)の場合、キンエノコログサの果実頂部に亀裂が入り易いようで、蛹はその隙間を押し広げるようにして体を乗り出している。羽化する際の乗り出し方は、お尻の先端部を残すだけで、ほぼ全身が外に突き出る格好になる。
午前6時22分
OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U
今朝も庭に出てすぐ羽化に立ち会えた。今回は蛹の腹側正面からカメラを向けてみた。
ここ連日、朝は濃い霧が立ち込めている。
写真のように果実から体を乗り出し直立姿勢をとってからしばらくは静止している時間があるので、羽化の始まりから撮影することも容易と言える。
60ミリマクロレンズは最大倍率で MFに固定し、フォーカス合わせはカメラの前後微動で調整する。
倍率が高いので小型三脚を使用。今朝になってはじめて三脚を持ち出したのだが、花穂が風で揺れないよう左手で押さえておく必要もあった。
OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U
キンエノコロタマバエ(仮称)のメス(左写真)と、オス(右写真)。
いづれも今朝羽化してから15分前後経た段階で、メスは長い産卵管を伸縮させ、オスは外部生殖器だろうか、開いたり閉じたりするような仕草を続けていた。昨日にも書いたように、雌雄の識別は触角の形状でもできる。
雌雄とも透き通った蛹便を何滴も排出するけれど、なかなかタイミングが合わず写り込まない。
午前7時01分
OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U
タマバエの羽化がすっかり完了したころ、すぐ傍に体色がそっくりのアカハネナガウンカがいた。
まさに似て非なるもので、本種はカメムシ目。
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posted by やまかます at 12:03| アブ・ハエ