2022年08月16日

コガネとナガコガネ

コガネグモのオス
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OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro FlashQ G20U

クヌギの梢にコガネグモのオスがいた。

メスに比べてたいへん小さな体で、一応は円網の形をした網に陣取ってはいるものの、糸と糸の間隔が大きくとても獲物をとらえるトラップの役割は果たせないように思える。そもそも、オスが獲物を捕らえている姿を一度も見たことがない。
オスは餌をどうやって手に入れているのか、それともほとんど食さないのか?

この時期だとそろそろメスの姿もめっきり減っており、卵のうの中では仔蜘蛛が孵化し始めているころでもある。
写真のオスはもうお役目を果たしたのだろうか?

先日、草刈りをしたときにまだお腹が大きいコガネグモのメスがいたので、それが気になって同じ場所に見に行った。

コガネグモのメス
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OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

しかし、あちこち歩き回って探したけれど腹の大きなメスは見つからず、かなりくたびれたメスがいた。
このメスはすでに何回かの産卵を終えているはずだ。もういつお迎えが来てもおかしくないと思える。

以前にも書いたことがあるが、15年も前のことだけど、萎びた体をやっとのことで支えているメスがいた。
このメスは産卵を5回以上も行ったことを確認できていたが、最後の卵のうは流石に小さくていかにも力を果たし尽くしたことを物語っていた。
すでに円網を張る力も残っていないメスは、私が見つめている前でゆっくりと脚の力が抜けると同時にポロリと地面に雪崩落ちていった。

「え!?オイ、大丈夫か?」

走り寄って拾い上げると体はダラリと脚を垂らしたままでピクリともしない。
一ヶ月以上も網の上で暮らしている姿を毎日のように観察し撮影していた私は、思わず合掌した。

長年、生き物の姿を撮影してきたけれど、この時ほど命の尊厳を感じたことはそう多くはないかも知れない。

コガネグモの季節がそろそろ終わりかけて、その一方では、明るい草地にナガコガネグモの成長した姿が目に付くようになってきた。

ナガコガネグモのメス
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OM-1 M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
posted by やまかます at 20:51| クモ