2021年05月31日

サクラにしわざ_2

三股町

昨日の日没風景(午後6時52分)。

と、いうのも今日の日没時は曇り。日中はよく晴れて夏日だったのに、夕方から急に雲が湧いてきた。
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さて、、、、、
『虫のしわざ観察ガイド』(文一総合出版)、『虫のしわざ図鑑』(少年写真新聞社)の両書とも、載せようと頑張ったものの、成虫や幼虫など、しわざの主の撮影ができず掲載を断念した種類がかなりある。
セモンジンガサハムシもその一つ。
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セモンジンガサハムシ成虫が残す食痕のしわざは、特にリンボクの葉っぱでは派手でとても目立つ。いやもう無茶苦茶、目立つ。誰もが「なんだこれは!?」と一目でそう感じるはずだ。
最初に食痕を見た時これは是非「虫のしわざ」本に載せようと張り切った。できるなら、成虫だけでなく、幼虫のしわざも合わせて載せる予定だった。しかし、幼虫の撮影がどうしてもできないまま見送ることになってしまった。つまりボツになったわけだ。

昨日にも書いたように、セモンジンガサハムシの卵と幼虫が、仕事部屋のすぐ外のサクラで見つかった。まあそんなものだろう。探して探して見つからないものが、ある日、ひょっこり目の前に現れる、ということは過去に何度も経験している。
成虫の食痕は、リンボクの葉に比べて、サクラの葉ではややおとなしい感がある。集まる成虫の数や好みの違いもあるのだろうか?
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一番上の矢印先は、卵。二番目は成虫の食痕。
食痕は葉裏から食べ進み、薄皮一枚残しているのが特徴。点々と散らばっている。
三番目の丸い穴は、これを私は「枯れ抜け」と呼んでいるが、虫のしわざではないと思う。
サクラの葉を見ていると、丸く茶色に変色した部分がよく見つかる。この丸い部分の周囲に亀裂が入り、最後には変色した(枯れた)部分が抜け落ち、丸穴が残る。
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どうしてこのような抜け落ちが生じるのか、その理由を知りたいものだ。

仕事部屋を出てすぐのサクラは樹高3メートルほどの小木だが、虫や生きものたちとの密な出会いの場として重宝する。
今日は久しぶりに、シロアナアキゾウムシを見ることができた。以前に見たこともあるが近いところの記憶は曖昧で、むしろ20数年前に新潟県の山中で見つけた記憶がすぐに浮かんだりする。
本種の姿も鳥の糞擬態だろう。
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ふと目線を下げると、フキの葉上で、カナヘビが微睡んでいた。
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涼やかな風を受けて、なんとも心地よさそう。
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posted by やまかます at 20:50| しわざ

2021年05月30日

サクラとヒメジョオンに、しわざ

三股町

お荷物を背負っていたギボシヒメグモ♀親は、昨日の午後から忽然と姿を消してしまった。そして、今朝のこと子グモたちも1匹を残して皆、消えていた。
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親グモによる見守りと給餌は終了し、子グモ達は独り立ちできるまで成長した、ということだろうか。寄生バチと思われる幼虫の影響は如何程だったのだろうか?メス親は無事なんだろうか?経過観察ができず、なんともスッキリしない。

〜サクラにしわざ〜
分散したであろうギボシヒメグモの子グモやメス親を探しているうちに、セモンジンガサハムシの卵がいくつか見つかった。全て葉裏である。
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薄っぺらい長楕円形の卵は、茶色の幕で覆われており、その表面には糞がのせてある。糞の量は様々。
そして、うっかり見落としそうな小さな幼虫もいた。どうやら脱皮直後のようだ。
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葉裏でじっと落ち着いているのはメスだろうか。先週だったか、交尾カップルがいた。
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〜ヒメジョオンにしわざ〜
庭のヒメジョオンの何本かが、根本から倒れていた。花も葉っぱも萎れてないので、茎が折れただけなのだろうか?
「イタズラしたのは、誰だい!」と、根本を覗き込んでみれば、白いクズの塊があって、そこで折れている。
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これは、コウモリガ幼虫のしわざだ。茎を割り開いてみれば、空洞内に幼虫がいた。
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コウモリガは飛翔しながら多数の卵を空中散布することで知られている。地上で卵から孵化した幼虫は、あらゆる草本植物の茎内に潜り込み、そこである程度まで成長してから、大きな樹木へと引っ越しをする。
必ずしも木本植物に移動するとは限らず、大きくなる草本植物ならそこで蛹まで成長を遂げることもある。例えば、オオイタドリとカラムシとか。カラムシには人の背丈よりも大きくなる株もあって、その姿はまるで小木のようだ。

自宅フィールドにて、今日の虫達。
ヒゲコメツキ
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先日、すぐ下の谷津田のヨシでメスを見つけたばかりだが、今日はオスに出会えた。
ヒメカメノコテントウ
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セイタカアワワダチソウヒゲナガアブラムシのコロニーに来ていた。
モノサシトンボ
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駐車場、カーポート横のエノキにて休憩中。林内にはかなり密度が高くいて、たまに庭にもやってくる。
posted by やまかます at 17:57| しわざ

2021年05月29日

毛先がキュー(球)

三股町

仕事部屋のすぐ北側のクヌギ並木。道路にはみ出た枝を剪定しておいた。
クヌギの葉めくりで最初に見つかったのは、ネジロキノカワガの幼虫。脱皮直後のようで抜け殻も一緒にある。
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ネジロキノカワガ幼虫から目線を上げると、そこにはキマダラカメメムシの1齢幼虫群がいた。しっかり色付いている。
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黒いエッグバスター(卵殻破砕器)は、仮面舞踏会で被る仮面のようでもある。
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クヌギ並木から西の草地に出ると、ナキイナゴの鳴き声で賑わっていた。他の雄が鳴くと、それに対抗するかのように鳴き始める。人影にはとても敏感で、すぐ葉陰に隠れてしまう。「だるまさんがころんだ」の心境でそっと立ち回る。
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うしろ脚を翅に擦る動作は、シャッター速度を1/30くらいまで落とすとようやくブレて写る。もっと動感を出したいところだが、あまり遅くすると体全体がブレてしまう。

クヌギに戻ってさらに見上げていると、久しぶりにゴマダラオトシブミに会えた。うちの林では黒化型が多いけれど、標準型?だった。
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キアゲハの姿もこのところ多く見かける。
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午後5時半〜、西側法面の草刈り作業を30分ほどで片付けておいた。カヤネズミの繁殖を妨げないように配慮しながら行った。

posted by やまかます at 20:30|

2021年05月28日

スパイダーミルク

三股町

庭のサクラに放飼したオオミズアオ幼虫は、最初の脱皮をして2齢となり始めた。
分散したこともあるが、見つかる幼虫の数は激減している。当然、天敵の餌食になったものもいるだろう。
その桜の葉裏で先日見つけたのが、ギボシヒメグモの親子である。
本種はメス親が子グモに吐きもどし(スパイダーミルク)による給餌をすることで知られている。
数年前、偶然にもその瞬間を撮影することができて、それ以来、ギボシヒメグモの観察には気を配っている。
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親子の群れは、肉眼では何かゴミが付いているの?くらいしか見えないが、慣れてくると遠目でもすぐにわかるようになる。
今朝も枝を引き寄せてメス親を撮影してみると、お荷物を背負っていることに初めて気付いた。
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これはもしかして寄生バチの幼虫だろうか?

ほぼ終日、曇り空だったが、束の間の陽射しの下、玄関前のサツキミヤマカラスアゲハのオスがやって来た。この後、時間をおいて吸蜜に来ていたが、その時はキアゲハも一緒になった。
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サツキの雄蘂と雌蕊。
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雄蕊をよく見てみると、花粉が溢れ出し、粘着糸で垂れていた。まるで納豆のように糸を引いている。
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posted by やまかます at 19:47| クモ

2021年05月27日

ルイスコメツキモドキ

三股町

午前3時過ぎ激しい雨音で目が醒め、仕事部屋で撮影待機中の虫の様子を見ておいた。予定では午前8時頃に脱皮するはずだからまだ早いのはわかっていたが、眠れないほど雨音がずっと続いた。

さて、午前10時過ぎにようやく雨が上がって庭に出てみれば、小さなルイスコメツキモドキがいた。どれほど小さいかと言えば、体長はわずか8ミリ。
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グッと拡大して撮影してみた。
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本種は例年、この時期に見かけるけれど数は少ない。特に探してもいないので見つからないだけかもしれないが、、、。
2009年5月の過去記事(ひむか昆虫記)が初めての登場かと思う↓
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午後7時23分。
夕焼けに浮かぶ霧島山のシルエット。
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posted by やまかます at 19:56| コウチュウ

2021年05月26日

たまご

三股町

コナラの葉をめくってみると、色々な虫が見つかる。裏の世界のちょっとした探検だ。
輪っか模様が特徴のこれは、ギンシャチホコの卵だろう。ここ数年、ギンシャチホコ幼虫にお目にかかれる機会が少なかったので、是非にでも孵化して欲しい。
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こちらもシャチホコガ科と思われる卵。なんだろう?
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ススキについていた、これもシャチホコガ科、卵のオンパレード。
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モンキチョウが目の前で産卵していた。産んだ場所はスズメノエンドウの葉っぱ。
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今朝になって、一昨日のスズメガ類(ノブドウに産卵)の卵が孵化していた。
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posted by やまかます at 18:08|

2021年05月25日

吸い戻し

三股町

ヤマアジサイの葉上で、オオチャバネセリが「吸い戻し(reimbibing)」を何度も繰り返していた。
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写真はお尻から水滴を垂らしているところ。
糞はおそらくスズメが落としたものだろう。このところ、巣場所を巡って諍いが続いており、番い数組が追われ追いかけをこの場所の上空で繰り返している。
オオチャバネセセリが吐き出す水滴は止まることがない。いつまで続けるのだろうと気になった。水分補給もまた必要になるだろうか。

ナナホシテントウが抱えているのは、テントウハラボソコマユバチの繭。
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繭を紡いだ幼虫はナナホシテントウの体内に寄生していたもので、幼虫が外に出てくるまで、テントウムシは何事もなかったかのように普通に振る舞っていた。でんぐり返ってもまだ脚を動かしていたが、いづれナナホシの命は絶える。

オオミズアオの幼虫たちは、庭のサクラで食欲旺盛の日々を送っている。まだステージは1齢。
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posted by やまかます at 20:06| チョウ

2021年05月24日

マスカット色の卵

三股町

小雨ながら夕方まで降り続けた。梅雨とは言え気温は16度前後と低く、終日肌寒い。コーヒーはホットで飲みたい、そんな1日だった。
午後3時。雨が止んだ外に出てみれば、大人の手のひらサイズはあるノブドウの葉に、2ミリ程度の卵が見つかった。
葉表のど真ん中にあったのでよく目立つ。
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写真はほぼ5倍の拡大率で撮影。卵の形状からして、スズメガ類だろう。
ノブドウを食すとすれば卵の大きさからしても、クルマスズメかブドウスズメのどちらかだろうか?
飼育して正体を確かめる楽しみができた。まあ、とにかく待つとしよう。

庭の草地では、ようやくショウリョウバッタの1齢幼虫の姿を確認できた。
ショウリョウバッタの孵化時期は、例えばオオカマキリと比べるとほぼ3週間から1ヶ月は遅れる。
孵化した直後の姿は皆、褐色をしているが、孵化後、二、三日を経ると、褐色型と緑色型に別れる。
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もっとも、1齢期の体色がそのまま成虫まで引き継がれるのかどうか?については確認ができていない。


posted by やまかます at 20:35|

2021年05月23日

クヌギの樹液亭

三股町

濃い霧の朝だった。
そして、梅雨の中休み。陽射しがキツいけれど、日陰は風もあって心地良い。
ツバメの番いが二組、我が家にやって来た。営巣場所を探しており、うっかり玄関を開け放っていると部屋まで入ってしまって、外に出すのに一苦労した。スズメも巣場所を求めてあちこちを覗き込んでおり、こちらも一度だけ部屋に入ってしまった。スズメは巣箱をかけてやれば、騒ぎも収まるのだけど、かと言って巣箱はもうこれ以上増やせない。
ツバメは巣材を咥えて何度も飼育室に出入りしていた。飼育室は半屋外なので、営巣場所としてはちょうど良いはずだ。昨年はスズメが営巣した。ツバメには是非とも営巣してほしいが、さてどうなるだろうか。過去14年間、一度も営巣していないのだから、そこが気になる。

さて、庭の西にあるクヌギの剪定をした。冬の頃からずっと樹液が出ているのだけど、そこに覆い被さっている枝葉を整理した。
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すると、ヒラタクワガタのオスがいた。大きさは中型。九州ではノコギリクワガタと並んで、昼間でも活動している。
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冬から観察している庭のコガネグモは、そろそろ亜成体かその一つ手前のステージだろうか。かくれ帯が一箇所足りない。
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午後6時。霧島山。明日からまた雨になりそうだ。
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やり残していた観察路の草刈り作業を1時間半ばかりやっておいた。暑さが堪えるようになってきた。

posted by やまかます at 18:23| コウチュウ

2021年05月22日

クワエダシャクと庭の賑わい

三股町

越冬幼虫は毎冬見ているシャクトリムシだが、成虫には意外と出会えていなかった、クワエダシャク
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特徴ある姿をしており、これなら見間違えることはないだろう。

朝から時折、雨がぱらつき気温は低め。そのせいか、庭の人工池では午後になってからヤブヤンマが羽化していた。
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うちの敷地では初めてお目見えのシロスジカミキリ
ちょいとおチビちゃんだ。
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2月に日南市の海岸林で見つけたネブトクワガタの幼虫。少し持ち帰って飼育していたが、今朝になって繭玉を確認できた。
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繭というよりこれは蛹部屋なのだが、形は繭そのもの。いづれ蛹になった姿も見てみたい。

朝からずっと曇っていたが、夕方、6時頃になってようやく陽射しが差し込んできた。これは久しぶりに絶好のチャンスとなった。待機すること1時間。なんとか撮影できたのは、オオミノガ♂の飛び立ち。明日も晴れるようだ。


posted by やまかます at 21:44|

2021年05月21日

ミミズク♀

三股町

ミミズクのメスを庭で発見。
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メスに比べて、オスにはほとんど出会えていない。なぜだろう?
先月、都城市の公園で見つけ飼育していた幼虫は、つい先日になって死んでしまった。順調にいけば今頃は成虫になっていたはずだ。今日のメスも今月に入って羽化した、新成虫だと思う。ミミズクの飼育は、カシ類の水差しで容易なのだが、今回の死因についてはよくわからない。今朝のミミズクが交尾済みであることを期待したい。
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先週の10日夜に産卵したオオミズアオが、今朝になって一斉に孵化した。
孵化幼虫は一頭ずつ面相筆を使ってサクラに放した。孵化幼虫を見るのは久しぶりのこと。
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posted by やまかます at 20:54| カメムシ

2021年05月20日

蝶のレストラン

三股町

庭のユズが2年ぶりに開花して、今は小さな果実が育っている。
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30センチほどの苗木を植えたのはたしか、13年ほど前かと思う。そのビワはすっかり大きくなって、仕事部屋の屋根を超えている。果実が色付きそろそろ食べ頃かなと、昨夜のこと見てみれば、ヒメジャノメが来ていた。
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今朝は今朝でまた来ている。他のお客さんの顔ぶれも増えていた。
どの果実も鳥に突かれたり、割れたりしているが、2個だけ無事なのがあったので初めて食べてみた。
果汁たっぷりで、実に美味い!!やはり、早めに袋がけしておくべきだった。
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サトキマダラヒカゲクヌギの樹液でも、オオスズメバチと肩を並べていた。
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玄関前のノアザミには、羽化したばかりと思われる新鮮なアカタテハが来ていた。
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posted by やまかます at 19:15| チョウ

2021年05月19日

メタルカラー

三股町

クヌギ朽木は、昨年の秋に伐採したもので、今では様々なキノコで覆われている。
スエヒロタケの隙間で交尾していた、ナガニジゴミムシダマシ
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朽木置き場のすぐ隣のノアザミ花上では、今にもコガネムシが飛び立ちそう。雨に濡れた花弁から水飛沫が。
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ツヤツヤ、テカテカの虫体は自然光で撮影するのが無難。特に曇り空の下では。もしストロボを使う場合は、面積の大きい柔らかい光源が必須だが、画面が眠くならないような一工夫も要る。

ノアザミからふと目線を上げた先のイチイガシの葉裏に、ゲンジボタルのメスが休んでいた。下の谷津田で発生しているゲンジボタルだろう。ゲンジボタルはたまにうちの庭を舞うこともある。ヘイケボタルも仕事部屋の外まで来たことがあるが、ヒメボタルは杉林が皆伐されてから、全く姿を見ていない。ヒメボタルが発生していた杉林は、ちょうど我が家の林の向かい側だった。今はササ藪となり、そこにアカメガシワやクサギ、カラスザンショウがポツポツと生えている。

posted by やまかます at 19:51| コウチュウ

2021年05月18日

雨上がり

三股町

玄関前のノアザミに来ていたメスグロヒョウモンのオスは、おそらく昨日と同じ個体なのだろう。
警戒心は強く、こちらが片足をちょいとずらしただけでも、プイっと飛び立ってしまう。
けれどすぐに戻ってくるし、よほど空腹のようでストローを忙しく動かしていた。これなら背面から翅を広げた姿が撮影できるだろうと、岩になった心境でカメラを構えてみた。
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このところ、庭を舞うチョウの中で一番多いのが、スジグロシロチョウ
プランターに植えてある二十日大根に盛んに産卵しており、すでに幼虫数頭も育っている。卵は過剰に産卵されているので、いづれ餌不足に陥るだろう。
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イヌビワで日光浴をしていた、カラスアゲハ♀。このあと、俊敏に飛び立ちカラスザンショウの高い梢に姿を消していった。
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アカメガシワの樹液は、サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、オオスズメバチ女王、などで賑わっていたが、コクワガタもいた。樹洞の隙間に潜り込んだので、ちょいと外に出てもらった。
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自宅林観察路の草刈り作業の続きを1時間ほど行った。草やササが生え伸びる勢いは、梅雨に入ってからさらに加速している。刈り取る労力も半端ではないが、それに加えて刈り草の片付けはもっと大変。しばらくは刈りっぱなしで放置しておくしかない。



posted by やまかます at 19:44| チョウ

2021年05月17日

かぐや姫、ふたたび

三股町

雨が止んでから片付けるつもりの竹柵。今年もエンドウ豆は豊作だった。
その竹にしがみつく姿が見えたので、ニホンホホビロコメツキモドキかな?と近づいてみれば、
ハイイロヤハズカミキリ、だった。
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前脚と中脚を揃えてしがみつく姿勢は、ニホンホホビロコメツキモドキと同じ。

昼過ぎまで雨風が強かったが、午後3時過ぎには空が明るくなった。その寸暇を惜しむように、ノアザミメスグロヒョウモンのオスが来ていた。
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posted by やまかます at 19:40| コウチュウ

2021年05月16日

ホバリング

三股町

昼過ぎまで、時折小雨がぱらつき蒸し暑かった。外の湿気を避けてずっと窓は閉め切っていたが、午後4時頃から青空も少しだけ覗き始め、爽やかな風が吹き始めたので一気に窓を開け放った。しかし、今年の梅雨は長くなりそうな気配。
玄関前のノアザミで、空中吸蜜をしていたのは、ホシホウジャク
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サクラの幹を抱えるように止まっていたのは、タケカレハ
幼虫は比較的よく見かけるけど、成虫にはなかなかお目にかかれない。
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posted by やまかます at 19:26|

2021年05月15日

繭なし、繭あり

三股町

クマイチゴの熟した果実が目立ってきた。近所のお散歩叔母さんが、田んぼの向こうでこっそりつまみ食いしている姿に思わずニッコリ。
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クマイチゴの葉を食べるシロオビナカボソタマムシの姿も多い。今がピークだろうか。
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アカメガシワの朽木倒木の樹皮をめくると、アリの幼虫部屋だった。アリの種名は調査中。
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アリには繭を紡いで蛹になるものと、繭を省略する種類があるということを改めて知った。
繭を紡ぐ、例えばクロヤマアリなどは、蛹から羽化した新成虫は自分で繭を破ることができないので、ワーカーなどに外から破ってもらうようだ。そんな手間が要るなら、いっそ繭を省略してしまおう、巣内はワーカーが守っているし、ということだろうか。

posted by やまかます at 17:39| ハチ・アリ

2021年05月14日

神樹蚕

三股町

冬の間に繭を3個見つけていた、シンジュサン。2個はカラスザンショウ、1個はニガキで育った幼虫が紡いだものと思われる。けれど、そのうちニガキの1個は中が空っぽのようだった。
で、残る2個の繭の羽化をずっと待っているのだが、今朝のこと繭とは全く別の場所で、オスのシンジュサンに遭遇できた。
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左前翅先端がわずかに折れている(羽化不全だろう)以外は、新鮮な姿だが、さて、羽化してどのくらいの日時を経ているのだろう?

ノアザミの花には、カラスアゲハの♂とモンキアゲハの♀が来ていた。
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posted by やまかます at 19:19| レピ

2021年05月12日

ベニオビヒゲナガ

三股町

朝からジトジト降り続けた雨は、正午過ぎには止んだ。けれどスッキリとしない曇り空。もう梅雨らしい。
昼過ぎ庭に出てみれば、アジサイの葉に、派手な姿のベニオビヒゲナガ、がいた。触角の形状から、メスとわかる。小さい体だけど、この鮮やかな姿はいやでも目に止まる。
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ヤブムラサキに穴ぼこだらけのしわざを残すのは、イチモンジカメノコハムシだが、こちら、ヒゴトゲハムシのしわざ(食痕)は控えめで目立ない。今シーズンも去年とほぼ同じ梢で成虫が見つかった。昨年は4月初め、一昨年は産卵痕を見ている。
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クワの葉裏で休んでいたクサカゲロウの一種。種名は調査中。
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posted by やまかます at 20:54|

2021年05月11日

ナメクジもどき

三股町

網カゴにサクラの枝葉と一緒に一晩入れておいたオオミズアオ♀が、産卵していた。網から出したオオミズアオは、鳥に見つからないようアジサイの茂みの中にそっと放った。
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卵は水で濡らせば、じんわり筆で掬い取れる。網から外したらダンボールなど厚紙に乗せて、孵化を待つ。おそらく受精卵だろう、と思う。
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ネズミモチの若葉に食痕と小さな黒い糞が目立つようになった。
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ハイイロタマゾウムシ幼虫のしわざだ。
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幼虫は体全体に粘液を纏っており、その粘着力で葉っぱに取り付いているようだ。
同じような姿ではナメクジハバチ類の幼虫が、エノキやクヌギ、コナラなどの葉裏でよく見つかる。
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ハイイロタマゾウムシのしわざと生態については、
拙著『虫のしわざ図鑑』(少年写真新聞社・2020年)に載せているので興味ある方はご覧下さい。
posted by やまかます at 19:32| コウチュウ

2021年05月10日

オオミズアオ

三股町

日中の気温は30℃を超える暑さ。とは言え、日陰は涼しくカラッとしているので過ごし易い。
夕方、午後5時から自宅林観察路の草刈り作業を1時間ほど行った。

昨夜、灯りに飛来していたオオミズアオのメス。腹部はまん丸に肥えている。せっかくだから、採卵を試みてみよう。
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カワラヒワの親子がエノキに来ていた。
巣立ちヒナはもう立派な体格だが、顔つきはまだ幼い。しきりと餌をねだっていた。
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一昨日から庭の隅に設置している巣箱に、シジュウカラの番が来るようになった。
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オスは巣箱の上の方で、盛んに囀っている。
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これから営巣するだろうか。まだ巣材を運んでいる様子を確認できていない。

〜佐賀、良かとこばい!その2〜

佐賀県といえば、有明海。干潮時の干潟はとてつもなく広い。
先日、初めて「東よか干潟」を訪れてみた。
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「干潟よか公園」の駐車場に車を止めてすぐ、干潟は目の前にある。コンクリート堤防を乗り越えて干潟に降りると、細長く帯状に赤いシチメンソウの群生が目に入る。
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干潟の泥には穴がたくさん開いており、シオマネキ、トビハゼなどが無数に蠢いていた。やたらと多いトビハゼだが、ムツゴロウは全く見つからなかった。ガタスキーを使ってもっと沖合に出ないといないのだろうか。
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干潟は何キロも先まで続いており、海の対岸には島原の雲仙岳が霞んで見えた。またいつか、佐賀の地酒と海の幸を堪能してみたい。
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posted by やまかます at 21:06|

2021年05月09日

クロオオアリの結婚飛行

三股町

午前6時、自治会の奉仕活動で公民館の清掃に参加した。
主に草刈り作業が中心で、私は熊手で刈り草をかき集めた。参加者は皆、マスクをしているが、これがかなりキツい。汗でびっしょりになるし、呼吸も苦しい。お互い距離を置いているし、屋外なのだからマスク無しでもいいようなものだが、、、、。
アオサギの子育ては順調のようで、数日前から雛の鳴き声も賑やかになっている。すっかり葉が茂って巣の様子は見づらくなったが、2羽の雛の姿が確認できた。

午後5時、物置小屋に向かう途中、足元から白い翅を羽ばたかせて、クロオオアリ女王が飛び立って行った。庭の片隅には14年前からずっとほぼ同じ場所にクロオオアリの巣がある。
警戒心の強い雄アリは外に出てもすぐにまた、巣穴に潜り込むことを繰り返していた。
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そのうち、女王蟻も姿をあらわしたがこれもすぐさま、戻ってしまった。
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大空に飛び立つには、かなりの覚悟と勇気がいるように見える。それもそうだろう、飛び立つやいなや、鳥に捕食されてしまうかもしれない。

posted by やまかます at 21:24| ハチ・アリ

2021年05月08日

かぐや姫

三股町

家庭菜園の竹柵を毎日、朝夕と眺めていたが、今朝のことやっとお目当ての虫に出会えた。
ニホンホホビロコメツキモドキのメスが、産卵孔を穿っている最中だった。
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以前の観察ではこの穴掘りには、ほぼ1時間掛かっていた。硬い竹棹を貫通する穴を掘るにはかなりの労力と工夫が必要だろう。それも単純な穴では無い。入口はそこそこの広さがあるけど奥に行くほど狭くなっているのだ。
産卵孔が完成するとお尻を差し込んで産卵を済ませる。この時の作業にも細かい段取りがあるのだが、そこは肉眼では確認のしようがない。
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竹柵にはすでに数カ所に産卵痕があった。節と節の間に一個しか産卵しないので、次々と枯れ竹を巡っていかないと産卵数を稼ぐことができない。稀に一箇所に2卵産み込まれることもあるが、その場合、育つことができるのは必ず1頭のみである。
真新しい産卵痕には、詰め込んだ木屑が溢れているが、これは月日が経つうちに削がれていき、いづれは産卵孔の四角い輪郭がくっきり浮き上がる。
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posted by やまかます at 17:58| コウチュウ

2021年05月07日

青いベレー帽

三股町

朝からシトシト、雨模様。だいぶ前からカーポートの雨樋が詰まっていたので、水抜き栓を外すと雨水が延々と流れ落ちた。かなりの量だ。3分も経った頃、雨水と一緒にポトリと路面に落ちたのは、コガタノゲンゴロウだった。雨樋の水溜りが一時凌ぎの住処になっていたようだ。そばで見ていた嫁さんが拾い上げて睡蓮鉢に入れた。
私 「白い液体を出すよ、ちょい臭いけどね」
嫁さん 「毒じゃないよね!?まさかメダカを食べないよね?」
私 「大丈夫だよ、たぶん、、、、」

カーポートの横に植えてあるアジサイに、シャクトリムシがいた。4センチはある。ちょっとくらい触れてもじっと動かない。動かないことが最大の防御なんだろう。
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アジサイのすぐ隣のエノキには、ホシアシブトハバチの幼虫が3頭ついていた。
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こちらの食事中の幼虫は、まさにアクロバット。これでよく、落ちないもんだと感心する。
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posted by やまかます at 19:28| ハチ・アリ

2021年05月06日

フッチーの船出

三股町

明日から天候が崩れるようなので、居間と食堂の絨毯を外して日干しをした。夏に向けての模様替えが急ピッチで進む。
嫁さんは貴重な休日にも関わらず、せっせと掃除やら網戸の修理と忙しい。その傍らで、私は昆虫観察。
草はらでは、蛹場所を探し求めているのだろう、フチグロトゲエダシャク幼虫がこれも忙しく地面を目指して歩いていた。
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去年は全く花を咲かせなかったユズだが、今春は花蕾が多く目立ち、この連休中に開花し始めた。
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アゲハやモンキアゲハが盛んに産卵していたが、一番多く幼虫が育つのは例年、ナガサキアゲハである。

急に数が増えた、サトキマダラヒカゲ。高校生の頃、初めて登った皿ヶ嶺(愛媛県)で、地面に群れていた本種を網に入れたのも懐かしい思い出。あれはちょうど今頃のことで、母親が作ってくれた豆ご飯の弁当が美味しかったことも憶えている。昨夜は家庭菜園で収穫したえんどう豆で豆ご飯を食べたばかり。そっと昔の思い出に浸っていたなんて、嫁さんには話していないが、、、、、。
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昼間は梢の日陰で休んでいます、、、ゲンジボタルのオス。
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〜佐賀、良かとこばい!その1〜

佐賀県、神埼市といえば、吉野ヶ里遺跡で有名だが、東背振インターを降りてすぐの物産館で買い求めたお土産の一つを紹介します。ちなみにこの物産館の品揃えはものすごく豊富で、初めて見る地元のお菓子や食品に溢れており、眺めているだけでも楽しめます。
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まだ食べてないのでお味の感想を書くことができませんが、これはつい手が出てしまう逸品!かも?

posted by やまかます at 18:13|

2021年05月05日

梅雨の気配

三股町

近所の草はらに、コガネムシがいた。
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コガネムシの姿から、もう梅雨の気配を感じる。
こちらは、アオオニグモ♀の成体。
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ササには、ホオアカオサゾウムシの姿も増えた。
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ようやく出会えた、ニホンホホビロコメツキモドキ♀。
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随分と活発で、すぐに飛び立って行った。
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先月中頃、落ちていたシダレヤナギの枝についていたミミズク4齢幼虫が今朝のこと脱皮していた。
これで終齢になった。
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posted by やまかます at 17:59| コウチュウ

2021年05月04日

佐賀巡り

佐賀県

7年前の4月末に初めて訪れた金立山公園を少しだけ歩いてみた。
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「こんな公園が、都城市や三股町にもあるといいのだけどね」と嫁さんにしきりと話かけながら遊歩道を歩いた。
薬用植物園をゆっくりみて歩いたあと、大きな池をグルリと一周してふと近寄ったエノキに、ウチスズメがいた。池の周りにはシダレヤナギが数本生えていた。
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そっと触れてみると、、、、、、、、
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ウチスズメを最初に撮影したのは、2004年の5月、場所は大分県の里山だった。あれから17年ぶりの再会!

東背振インターから長崎自動車道、九州自動車道に入って帰路についた。その途中、北熊本SA の売店で500円ガシャポンで買い物したのは、コレ。
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臭角も出ますよって、、。
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威嚇モードにもなります〜。
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いもむしシリーズは「クロアゲハ」と「ナガサキアゲハ」もあるけど、やっぱりアゲハが良かばい!
posted by やまかます at 19:40|

2021年05月02日

木城えほんの郷

宮崎県 木城町

昨日は『木城えほんの郷』で昆虫観察会。
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今朝はそして、コケの観察会「コケの一念」にも参加。

その前、、、、、、午前6時、池の周辺を散策。
アカショウビンの囀りが遠くから聞こえて、そのあと、「キャラ、キャラ〜」とヤマセミの番が頭上を通り過ぎて行った。
ヤマセミを見送ったあと、ふと足元を見れば、シュレーゲルアオガエルがいた。
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池周辺に多いクララは、まだほとんどが蕾だけど、ルリシジミの卵が多数ついており、アリがたかっている幼虫も多かった。
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大きくなったコガネグモの幼体。あと3回ほど脱皮すれば、成体だろうか。
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大きなサルトリイバラの葉裏には、ルリタテハの幼虫。
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すぐ目の前にやって来た、カワセミのオス。ヌルデの止まり木からダイビングするも獲物は取り逃したようだ。一回のダイビングだけで、さっさと山の方へ飛び去った。
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posted by やまかます at 19:16| 風景

2021年05月01日

庭の虫

三股町

ノアザミの花が賑やかになった。葉っぱの棘は痛いけど、好きな花の一つだ。
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そのノアザミの花にいつの間にか、クロセセリが来ていた。ご自慢の長〜いストローで、こっちもあっちもと探りながら吸蜜に余念がない。
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こちらは、ダイミョウセセリ。日光浴だろうか。
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ツワブキに、ヤマサナエ。先日、近くの用水路で本種の羽化殻(ヤゴの抜け殻)が多数見つかっている。
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posted by やまかます at 08:00| チョウ