三股町 自宅林
先日、ルリビタキのオスがやって来た林床には、連日、
ジョウビタキのオスが出入りしている。
元々、このエリアはジョウビタキ♂のなわばりかと思う。
ルリビタキは稀に姿を見せるだけで滞在時間は短い。どうも落ち着かないようにも見受ける。
主に庭の方で活動しているジョウビタキのメスも、ここまでは降りて来ない。
ジョウビタキの狩りの様子をここ数日間、観察している。
落ち葉や朽ち木の隙間から、ムカデ類やクモを捕らえる様子は何度も見ているが、
今日、彼が捕らえた獲物は、なんと、サツマヒメカマキリ幼虫、だった。
サツマヒメカマキリは終齢幼虫で越冬する。カマキリの仲間としては異色の生態であり、外気に晒された場所に佇んでいる姿を見かける。
よほど冷え込んだり、雨が降ったりすれば、雨風を凌げる葉っぱの隙間や裏側などに身を隠す程度。
冬の林や林縁で、ひょっこり見つけることができるが、かと言って探して見つけるのは容易では無い。
いや、少なくとも私はこれまで偶然に見つけることができただけで、そのほとんどがほぼ目線の高さだ。
一冬に一頭、見つかればいい方で、探しても全く出会えない年もある。
さて、サツマヒメカマキリ幼虫がいた場所は、撮影用ブラインドのすぐ足元に転がっていたクヌギの枯れ枝であった。
ブラインドに入っている私からは死角の位置だ。
「え!?そんなとこにいたの!」
ブラインドに入る前に自分では気付かなかったのが、何とも不甲斐ない。すぐ目の前にいたのに。
ジョウビタキもしかし、じっとしているサツマヒメカマキリ幼虫を見つけることはできないだろうとは思う。
今日は気温も上がったので、おそらくサツマヒメカマキリ幼虫が歩いたか何らかの動作をした可能性が高い。
いくら枯れ葉擬態であっても、動く獲物ならジョウビタキの目を欺くことはできないだろう。
サツマヒメカマキリ幼虫がいた枯れ枝からジョウビタキまでの距離は2メートルほど。
鳥の目の能力の高さには敵わない。
この冬この先、サツマヒメカマキリ幼虫を、私の目で見つけることができるだろうか?
昨年伐採したクヌギから、椎茸ほだ木用の材がたくさん揃った。直径は10〜15センチ程度。
これだけあれば、売るほど椎茸ができる。
太い幹は二本に切り分け、観察路の脇にそのまま転がしてある。
細切れにするつもりもあったが、このまま置いておくことにした。
ベンチにもなるし、今後、ここには様々なキノコが繁殖し、昆虫をはじめ多くの生きものの住処、ゆりかごとなるだろう。